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バックスター ルミ
バイリンガルライフコーチ RumiBaxter

丁寧に生きるという選択 ライフスタイル 2022-02-09
キョウソラ

あっという間に一月が過ぎて行きました。さらに短い今月、二月もこの調子だとあっという間に過ぎ去りそうです。

先日、まだ11歳の若い生徒さんに、私は「毎日、どんな風に過ごしているのか」、と聞かれました。子供であるということは、時にこんなダイレクトな質問をすることも許されるようです。思わず笑顔になって考えました。

毎日、これといって大きなことが起こる訳でもありませんが、毎日の日常を普通に過ごしているということにはしみじみと感謝の気持ちがあふれます。

私の毎日は空を見上げることから始まります。見上げるというよりも、今日はどんな空が広がっているのだろう、と空の観察に近いようでもあります。

駅までのまっすぐな道、朝7時台の道を進むとそこから見える空は、毎日ドラマティックに広がっています。

グレーや青、オレンジ色の濃淡を毎日変化させながら、雲との境界線は時に墨絵のように、または油絵のように。

その空いっぱいに広がるドラマを毎日見ることに、飽きるどころか、「わー、すごい」と自然の美しさにびっくりさせられ続けているのです。

19世紀を代表するイギリス人風景画家、ターナやコンスタブルはキャンバスの中で、空をまるで風景の中心的存在であるかのように描きました。

ターナの空やコンスタブルの空には、刻一刻と変わるイギリスの空が、ある一種の性格を持って描かれているようです。

絵の中で、「絵のように美しい」という意味の「ピクチャレスク」という言葉が使われたのもその頃です。7時台の空にはまさにピクチャレスクなドラマが広がっています。

私にとっては日々の空を見ることは、まるで「聴く大河ドラマ」のようなショパンのソナタや幻想ポロネーズ の背景を見ているようでもあり、「ソナタの空」や「幻想ポロネーズ の空」と勝手に名づけることも多々あります。そしてそれは30分も持たずにどこかへと流れていき、もうそこには無くなるのです。

SNS 上でも「キョウソラ」との言葉の下で、今日の空の美しさがシェアされていることも知りました。

空、雲の表情といった自然現象、そこには確実にドラマがあります。私にはわかり得ない自然という存在への深い謎も奇跡もあるようです。空の表情と好きな楽曲が結びつくように、私たちは皆、自然現象と感情のひだとを結びつけるのがそもそも得意なのではないでしょうか。

それと同時に全ての感情をまるで超えるかのような「畏怖の念」もあるような気がします。全てを超えた、全てを包み込むような大きな存在、それを感じることが自然への畏敬なのかもしれません。

医療従事者の1人である私の友人は、「朝の空」「朝日を浴びる」ことの健康への良い影響を教えてくれました。精神科医の方々も朝に外の空気に触れることがメンタルヘルスを健康に保つことに重要だとおっしゃっています。

今年になってからも、後味の悪い事件についての報道が後を断ちませんが、自然への感動と畏敬の念を少しでも感じることで、人間の引き起こす嫌な事件が減るような気がします。

明日からも空いっぱいに広がる壮大なドラマの表情に耳を傾けたいと思います。
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私たちが「生きる」中で、たくさんの選択をしています。 その選択は、意識したものから無意識に選んでいるもの、とるに足らない小さな選択から人生の岐路に立たされた大きな選択まで、その種類も様々。「丁寧に生きる選択」というライフスタイルは、未来へのキーワードでもあります。
バックスター ルミ
バイリンガルライフコーチ

心理カウンセラーのバックグラウンドをいかし、英会話講師として「コミニケーションレッスン」を展開中。 半生を英国、ヨーロッパのライフスタイルに関わってきたことから、それらの経験をもとに独自のレッスンを提供している。「五感+plus」を使ってコミュニケーション能力を磨くレッスンは、本格的英国サロンで行われている。
RumiBaxter
BROG:http://ameblo.jp/rumi-b/

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