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小森 利絵
フリーライター えんを描く

おてがみじかん ライフスタイル 2022-02-16
誰宛てでもないお手紙~あずきさんより~

知っている誰かだから書けることがありますが、具体的な誰かではないから、その時々に感じたり思ったり考えたりしたことを気ままに書けるということもあります。

そんなふうに、誰宛てでもなく、気ままに書いたお手紙を、時々掲載しています。

今回は、あずきさんより、2022年1月中旬に届いたお手紙です。
2021年の今年の漢字は「金」と12月のニュースで流れていましたが、どんな1年でしたでしょうか? 私はあることから、「生きる時間には限りがあるのだな」と(当たり前なんですが)考えさせられた一年で、結果、おそうじにハマるようになりました。

小さな自営業なので、そうじや整理がしたくて仕方がなくなると意識して仕事を早く切り上げるようにもなりました。

あることとは、コロナで近しい人が危ない状態になったり(幸い、復活できました!)、同じ夢を目指す仲間がガンで亡くなったり。びっくりして悲しくて、家の中のものを整理したり、あまり気にしていなかった場所をふきそうじをしたり、風を通したりして気をまぎらわせていました。その空間だけ空気が変わったような気持ちの良い場所になって「今まで雑な扱いしててごめんよ」と、玄関やベランダで思わず家にあやまっていました。

もうひとつ印象的なニュースもありました。60代の女性で家がない方が夜バス停でねておられ、なぐられて亡くなられた、そのことを知った、知人の方が、お散歩に行く際にポケットの中に千円をしのばせるようになったというものです。最近、連絡をとっていなくて知らなかったけれど、知っていたら何かできたかもしれないと。もうその女性はいないけれど、同じように困っていて、でも本人の性格や事情で生活保護などには頼れず、自分でなんとかしようと困っている人に出会うかもしれない。その時に、たとえ千円でもあれば、あたたかいものが食べられるかも、というお話だったように覚えています。そんな風に知らない誰かが困っているときに、さっとさし出せる少しのお金や気持ちや時間があるってステキだなと思ったんです。
これまでなら、遅い時間になっても気がすむまで仕事をするのが楽しかったけれど、目が急に悪くなったこともあって「あまり長くやっても効率も悪いし、帰って料理を丁寧に作ろう、ゆっくりお風呂に入ろう、今日はどこのふきそうじをしようか」などと、早く帰る日をふやすようになりました。

自分や自分がいられる場所を大切にすることで余裕ができた時間を、だれかが困っているときに耳を傾けたり、手伝いができる時間になればいいなあと思うようになりました。ポケットに千円もマネしています。

自宅もオフィスも長くためこんできたものがあってすぐには終わらないのですが、ゆっくり整理をしてふきそうじをして、心にも時間にも余裕を持ちたい。24時間のうち30分、ポケットの千円みたいにだれのためでもない、だれかのための何かをあけていられる生活をしていけたらなあと、人生の後半はそうしていきたいなと思います。

私は家族が少ないのですが、お子さんがたくさんおられたり、ご家族の介護をされていたり、本当にめいっぱい動かれている方も多いと思うので、何かのときに「わたし、時間あるよ」と言えるように、整理をつづけていこうと思っています。

この手紙を読んで下さった方の2022年がすてきな一年になりますように!
<お名前>あずきさん
<自己紹介>46歳・女性・自営業。食べ歩き・旅行・寺社仏閣巡りが大好きです。毎朝、海へお散歩に行けるような、自然いっぱいのエリアへ移住できたらいいなあと妄想中。

★「誰宛てでもないお手紙」を募集!★

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①具体的な誰かではないけれど、今を生きている誰かを想ってお手紙を書いてください。もし掲載OKでしたら、お送りいただいたお手紙を今回のコラムのように紹介させていただきたいと思っています。

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レターセットや絵葉書、季節の切手を見つけるたび、「誰に書こうかな?」「あの人は元気にしているかな?」などアレコレ想像してはトキメク…自称・お手紙オトメです。「お手紙がある暮らし」について書き綴ります。
小森 利絵
フリーライター
お手紙イベント『おてがみぃと』主宰

編集プロダクションや広告代理店などで、編集・ライティングの経験を積む。現在はフリーライターとして、人物インタビューをメインに活動。読者のココロに届く原稿作成、取材相手にとってもご自身を見つめ直す機会になるようなインタビューを心がけている。
HP:『えんを描く』
 
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