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小森 利絵
フリーライター えんを描く

おてがみじかん ライフスタイル 2020-06-17
誰宛てでもないお手紙「ある雨の日」

2020年2月末に、小さな作品展に出展しました。

「お手紙のある時間」を楽しんでいただこうと考え、誰かに宛てたお手紙と、その場でお手紙を書いていただけるようにレターセットとペンを置きました。

知っている誰かだから書けることがありますが、具体的な誰かではないから、その時々に感じたり思ったり考えたりしたことを気ままに書けるということもあります。

そんなふうに、誰宛てでもなく、気ままに書いたお手紙を、時々掲載していきたいと思います。

第1回目は、冒頭の小さな作品展に出展した「ある雨の日」のお手紙です。
こんにちは! お元気ですか? 娘も、私も、元気にしています。

今、近所の喫茶店でこのお手紙を書いています。今日は朝から雨が降っています。出かけるのは面倒くさいなあ……靴は底がすり減って内側に水が染み込むようになったから、長靴じゃないと無理そうだなあ……でも、あの長靴は足幅に合っていなくて足がすぐに痛くなるんだよなあ……なんて、ベランダの窓越しに雨の様子を見ながら思いました。

そういえば、娘が9歳の時に「雨が好き」と言っていたことも思い出します。「どうして、お母さんは雨、イヤなん?」と言われたのでした。傘にあたる音がいい、水たまりがキレイ、枯れた草にも水やりができるから好きみたいです。

同じ雨空を見ていても、人それぞれ違うのだなあ。雨が降らないのも困るからなあ。などぼんやりと思ううち、「やっぱり、出かけよう」と出かけて、今こうしてお手紙を書いているんです。雨を見て、どんなことを思いますか? どんな気持ちになりますか?
実は昨日も喫茶店でお手紙を書いていたのでした。家では心がドタバタするので、喫茶店でお手紙を書くのを楽しみの一つに。用事が終わった帰り道、小さな商店街にある喫茶店に立ち寄り、幼稚園の時からの友だちと小学校の時からの友だち、それぞれに、お誕生日のプレゼントと一緒に贈るお手紙を書きました。

毎年「遅くなったけど」と書き添えていると反省するくらい、お誕生日に間に合ったことがほぼありません(笑)。「来年こそは」と思いながら、毎年恒例になっています。

この2人の友だちとは、出会って30年ほどの長いつきあい。1人は遠くに暮らしているので、もう10年くらい会っていないけれど、こうしてつながっていられることが、本当にありがたいなあって。いとおしいなあって。

30年……友だちも、私も、それだけ年齢を重ねたということで。家族も年齢を重ねているということだから、「ご家族は元気?」といつ頃からか、お互いに聞き合うようになっていました。

私の父も年末、病気が見つかって入院していました。
退院した時には、お祝いに花を。家に花を飾ると、家族の気持ちも明るくなって、花を飾るのっていいものだなあーと思った……など、お手紙を書きながら、思い返していたら!

喫茶店を出ようと、コーヒー代を支払っていたら、店主さんから「まちに花をたくさん咲かせようという活動をしているんです」というお話が。

さらには「なんで、こんなことを話しているんだろう?」と店主さん自身も不思議そうで。その喫茶店の前には、かわいいお花が咲いていました。公園にお花を植える活動をしているとのこと。

帰り道、自転車を漕ぎながら、「お花っていいなあ」と思っていたことが、ほんのり伝わっていたのかなあと思い、不思議な出来事だなあって。そんなことってありますよね。そんなことをまた話しに、その喫茶店に行きたくなっています。

最近、どんなことがありましたか? 今回はこのへんで。それでは、また!!

小森利絵
このお手紙を書いたのは、2月中旬のことでした。

新型コロナウイルス感染症が大きく拡大する、少し前のこと。今はまだ、こんなお手紙を書くことができないなあと、読み返しながら思いました。

その時だからこそ、書けることがあるのだと思います。

★「バースデーカード」を募集!★
受付終了しました

思い思いに書いたお手紙には「その人らしさ」が表れるものだと思います。

何に書くか? どんな内容を書くか? どんな方法で表現するか? など、人それぞれです。いろいろな人の表現を見てみたいと、これまで「旅先からのお手紙」「年賀状」といったテーマでお手紙を募集してきました。

今回は「バースデーカード」を募集します。

①今を生きている誰かの誕生日を想ってバースデーカードを書いてください。 ※もし掲載OKでしたら、お送りいただいたバースデーカード(メッセージを含む)を、このコラムで紹介させていただきたいと思っております。

②「①」で届いたバースデーカードをプレゼント交換みたいにシャッフルして、それぞれの方に「誰かからのバースデーカード」を贈ります。届いてすぐに読んでもいいし、自分のお誕生日まで大切にとっておくのもいいですね。

ご参加してくださる方は「loopdraw☆yahoo.co.jp(小森)(☆を@に変更してください)」までご連絡ください。バースデーカードは7月31日(金)到着でお願いいたします。

※この募集は終了いたしました。
profile
レターセットや絵葉書、季節の切手を見つけるたび、「誰に書こうかな?」「あの人は元気にしているかな?」などアレコレ想像してはトキメク…自称・お手紙オトメです。「お手紙がある暮らし」について書き綴ります。
小森 利絵
フリーライター
お手紙イベント『おてがみぃと』主宰

編集プロダクションや広告代理店などで、編集・ライティングの経験を積む。現在はフリーライターとして、人物インタビューをメインに活動。読者のココロに届く原稿作成、取材相手にとってもご自身を見つめ直す機会になるようなインタビューを心がけている。
HP:『えんを描く』
 
『おてがみぃと』
『関西ウーマン』とのコラボ企画で、一緒にお手紙を書く会『おてがみぃと』を2ヵ月に1度開催しています。開催告知は『関西ウーマン』をはじめ、Facebookページで行なっています。『おてがみぃと』FBページ

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