関西で働く女性のライフスタイルマガジン［関西ウーマン］

最近、歯が抜ければインプラントを打てばいいじゃない？と簡単に決断する方が増えてきているような気がします。

たしかに、入れ歯だと、お餅などのような粘着性の食べ物は食べにくい。入れ歯だと思い切り硬いものを頬張る、大きな声でしっかりとお話しできないなど、いろいろな問題が起こりそうです。

しかし、インプラントというものは人工的に製作された異物を身体の中にいれるという行為です。ところが、お口の中には細菌がたくさんあります。その細菌の増殖を防ぐために、お口の中の清掃をしっかりとし、細菌の数を減らす。

また、自己免疫でその増殖を防ぐということが大切になります。ましてや、インプラントという異物は骨に直接埋まっているので、もとからある歯よりも、清掃が大事になってきます。

歯は炎症が起きると、歯がぐらぐらになり、すぐには骨まで炎症が広がりませんが、インプラントに炎症が起きると直接骨にまで炎症が広がってしまうのです。これをインプラント周囲炎といいます。

この時に自己免疫が強ければ、炎症を抑えてくれる可能性がありますが、もし、体の虚弱が進み、お薬の効果が出ない、すでに糖尿病など内科的疾患を抱えていて、感染が広がりやすいなどの問題があると、大変なことになります。

ピアスなどの人工物は外そうと思えばすぐに外せますが、インプラントは外せません。そうなると、あなたが要介護者になったとき、あなたのお口の中をこまめに掃除してくれる人はそばにいるのでしょうか？時々歯医者さんを受診して、掃除もしてもらえるのでしょうか？

あなたが、要介護者になったとき、やはりご自身の歯が残っていることは、本当に大切なことだと考えられます。ですので、歯が健康な状態を維持し、大切に使っていくことが、ご自身の老後の大きな心配事を減らすことにつながるのです。

「歯が抜けたらインプラントを打てばいいや」という安易な考えは、その場しのぎの対処法であって、長期的にみると違う問題の原因になる可能性があります。ご自身の偉大な財産である歯を大事にしましょう！