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永木 恵美子
歯科矯正学博士 きょうばし矯正歯科クリニック院長

For Your Smile 医療・ヘルシーライフ 2018-07-17
食事を美味しくいただくために、味覚障害を防ごう

美味しそうな食事を食べても、美味しさを感じない。前は美味しかったけど、今は美味しく感じない。年齢とともに食べ物の嗜好が変化するのはわかりますが、味覚障害は、味がわからない、味が薄く感じるなど、味覚の低下や異常によって生活に支障が出る状態です。

味覚障害が起きると、食欲がなくなって栄養不足になったり、味付けが濃くなって塩分や糖分をとりすぎたり、好きな食べ物ばかりを摂取して、健康に影響が及ぶこともあります。

味覚障害は、味を感じる仕組みが何らかの原因でうまく働かなくなることで起こります。

私たちが食物を食べると味を感じるのは、舌の表面の乳頭という細かいブツブツの中の、「味蕾(みらい)」というセンサーが働くためです。

「味蕾」の中には、味を感じる細胞があって、甘さや辛さなどの味を感じています。感知した味は味覚神経を介して、脳の中枢に伝えられます。

これに加え、嗅覚でとらえられた香り、歯で咬んだ食感や音、食べ物を見た時の視覚情報などの情報も脳に伝えられます。

こうしたすべての情報が、脳で処理され、私たちはおいしさを感じるのです。では、味覚障害は何が原因で生じるのでしょうか?

1)加齢現象
2)亜鉛不足(栄養不足)
3)口腔内の問題(口腔乾燥、舌苔の付着、口腔内の炎症)
4)内服薬などの影響(病気の合併症、薬の副作用)
5)心因性(ストレス)
など。

今回は口腔内の問題について、さらに詳しく説明しましょう。

加齢現象とともに、唾液の分泌は下がり、唾液の性状も変化します。つまり、唾液腺が委縮し、ネバネバした唾液になり、お口が乾燥しやすくなります。

これは、内服している薬の副作用かもしれませんし、単なる加齢による唾液腺の委縮が原因かもしれませんので、あまりにも口の中がヒリヒリする場合は、病院を受診する必要性があります。

また、舌に白い苔みたいなものがたまっていると、味を感じる細胞がカバーされてしまいます。舌苔を取るように舌のブラッシングも大切になります。歯だけではなく、舌の色もチェックしてブラッシングしてみてください。

また、お口のなかに炎症がある場合は、細菌が繁殖している場合があります。重症の場合は抗菌薬を服用したり、お口の中を清潔に専門家による洗浄が必要になる場合があります。

また、ご自身が毎日お口の中を綺麗に清掃する習慣が非常に大切です。また、歯の喪失やかみ合わせの不調和なども、重要な味覚を左右する要因です。

毎日の食事は人生の最大の楽しみでもあります。味の感じ方に違和感があったら、専門家の意見を聞くことも大事ですね。
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自信に満ち溢れた笑顔でいっぱいになるよう一緒に歩みたい。
永木 恵美子
歯科矯正学博士
 
きょうばし矯正歯科クリニックは矯正治療専門のクリニックです。 矯正治療を専門にする歯科医師(日本矯正歯科学会指導医・認定医・日本舌側矯正学会認定医)が、確かな技術と女医ならではの細やかな施術で審美的にも機能的にも調和のとれた歯並びが得られるよう努力します。
きょうばし矯正歯科クリニック
大阪市都島区東野田2-3-19 MFKビル4F
TEL:06-4801-9055
HP:http://www.kyobashi-kyousei.com​

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