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永木 恵美子
歯科矯正学博士 きょうばし矯正歯科クリニック院長

For Your Smile 医療・ヘルシーライフ 2018-02-20
「口が渇く、しゃべりにくい」のはなぜ?唾液の役割を見直してみよう。

関西ウーマン世代の方はお口の中が乾燥する。のどが渇く。舌がうまく回らないなど最近、感じることはありませんか?お口の機能にはいろいろな神経や組織が関わっていますが、今回は唾(唾液)についてお話してみましょう。

すっぱいレモンを見ると唾がたまってきた。緊張するとお口の中がカラカラになってしまう。唾というのは、「唾液」といいますが、いったいどんな役割をしてるのでしょうか?

唾液というのは、食べ物を消化するための消化液の一つで、「唾液腺」という場所から出てきます。唾液腺は耳の下にある耳下腺、舌の下にある舌下腺、顎の下にある顎下腺という3つの組織から分泌されます。

各唾液腺からは、サラサラやネバネバとした種類の違う唾液が出てきて、一日にでる唾液の量は大人で焼く1.0~1.5リットルにもなります。

唾液には「消化酵素」という、食べ物を消化するのを助ける働きをする物質が含まれています。この消化酵素は米などの炭水化物を分解して、小腸で吸収しやすくしてくれるのです。

他にも、唾液にはいろいろな働きがあって、口の中で食べ物を咀嚼して、飲み込む手伝いをしたり、口の中にいる細菌の増殖を抑える。また、病気の原因である細菌やウイルスの侵入を防ぐなどの役割もあります。また、お口の粘膜を守る働きもあります。つまり、口臭予防や虫歯予防の風邪予防の役割があるのです。

赤ちゃんの時は、「よだれかけ」(スタイ)をつけないといけないほど、唾が出ますよね。子供の時は特にサラサラの唾を出す耳下腺の働きが活発で、大人の9倍もの唾液を出しているのです。ですが、ご年配になると、耳下腺の活動は低下し、ネバネバとした唾液を出す、顎下腺、舌下腺の活動が比率的に大きくなるので、唾の量と質が変わったように感じるのです。

また、緊張したりするとお口の中が渇く経験がだれでもあると思いますが、これは、唾液の分泌は自律神経が関係していて、緊張して交感神経が優位になると、口の中が渇きネバネバした唾液がでますが、リラックスして副交感神経が働くとサラサラの唾液が出やすくなるのです。

がん治療の一環で、放射線治療を受けた方が、唾液腺が放射線の照射域に入ってる場合、唾液腺は委縮してしまい、唾液の分泌が著しく低下します。また、加齢現象が進むと唾液腺は委縮していきます。そうなると、さらに唾液の分泌量が減り、お口の中が渇いてヒリヒリしたり、入れ歯が痛い、口臭、虫歯といった症状も発生します。

では、唾液の量を増やすことはできるのでしょうか?
1.水分を摂取する。
2.口で呼吸する癖を治す。
3.なるべくリラックスする。
4.よく噛んで食事をする。
5.サラサラの唾液を出す、耳下腺をマッサージする
といった方法をさっそく取り入れましょう。

しかし、お薬や放射線治療の副作用の場合は唾液の量を劇的に増やすことはできません。人工唾液などを利用して、お口の不快感を減らすのも一つの手です。

唾液の量、質とともに、加齢現象などで変化してきます。それを受け入れて、かつ、改善できるところは改善しながら、よりよい「生活の質」を保って生きていきたいですね。
自信に満ち溢れた笑顔でいっぱいになるよう一緒に歩みたい。
永木 恵美子
歯科矯正学博士
 
きょうばし矯正歯科クリニックは矯正治療専門のクリニックです。 矯正治療を専門にする歯科医師(日本矯正歯科学会指導医・認定医・日本舌側矯正学会認定医)が、確かな技術と女医ならではの細やかな施術で審美的にも機能的にも調和のとれた歯並びが得られるよう努力します。
きょうばし矯正歯科クリニック
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