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永木 恵美子
歯科矯正学博士 きょうばし矯正歯科クリニック院長

For Your Smile 医療・ヘルシーライフ 2017-10-17
AI(人工知能)で医者は不必要になるのだろうか?

現在、AI(人工知能)の開発はすさまじく、AIと将棋の棋士が対決してAIが勝利したり、いろいろな既存の交通、流通システムなどが改良を加えられ、効率よく、便利になっていることを聞かれることが多いと思います。

もちろん、医療の現場でもAIが導入しつつあり、AIが医師に代わって診察を行う日が、AIに命を預ける日が来るかもしれません。今回はAI導入における医療現場の未来とそこから見える問題点を探ってみようと思います。

さて、AIが医療現場にはいってくるとどういったメリットがあるでしょうか?
1)論文や科学的根拠に基づいた治療方法を効率的に選択できる。
2)医療現場での待ち時間が減って、効率的な受診・治療が受けられる。
3)金銭的コストの削減。
4)過疎地、遠隔地などでも都心と同じ治療内容が受けられる。
5)個人の経験や常識といったバイアスによる誤診が減る可能性が高い。
6)人手不足を解消する。
などなど、今の医師等の人手不足、通院困難な遠隔地の医療などに大きなメリットがありそうです。

では、デメリットについて考えてみましょう。
1)診断や治療方法を選択するうえで、誰が選択したか責任の所在がわからない。
2)患者さんの個々の事情、感情、状況などをAIに取り込み、個々に合わせた対応ができるかわからない。
3)AIひとつで治療方法を決定するので、セカンドオピニオンなど他の治療方法についての意見など、情報収集が難しくなる。
4)医師がAIを頼りにしすぎて、本来の勉強、技術の習得をないがしろにしてしまう可能性がある。
5)医師がAIを正しく使いこなせない可能性がある。
6)AIを開発する企業が競争になり、企業間の価格競争や独占,M&Aなどが起こり、医療がビジネスになってしまう可能性がある。
7)AIが誤作動する可能性がゼロではない。
8)AIが人間の雇用を奪ってしまう。
より質の高い診断がスピーディーに行われることは、患者にとってだけでなく医師、看護師の方にとっても労働時間の短縮などメリットは大きいでしょう。

また、日本は少子高齢化が危惧されることから、国は開発だけでなくその導入についても積極的に支援していきたいという意図があるようです。

医療現場での人工知能導入は、医師不足による地方と都市部の格差、医療費問題などの社会問題と、「患者」が受けるサービス(金銭的、身体的、精神的、時間的なストレス)の2つの側面を解決するというインパクトの大きいもので、今後の日本の成長戦略にとって欠かすことのできない領域となっています。

しかし、AIが機械である以上、責任をもって使いこなすのが人間である医師でこと。医療AIがビジネス至上主義にならないように注意が必要です。

また、人間は感情を持っている動物。人の温かみや慈しみなど、人間にしかできない安心感を与えるのも医療です。AIがあるから安心な医療が受けられると盲信するのではなく、AIも利用した医療が主流となるように信じたいですね。
自信に満ち溢れた笑顔でいっぱいになるよう一緒に歩みたい。
永木 恵美子
歯科矯正学博士
 
きょうばし矯正歯科クリニックは矯正治療専門のクリニックです。 矯正治療を専門にする歯科医師(日本矯正歯科学会指導医・認定医・日本舌側矯正学会認定医)が、確かな技術と女医ならではの細やかな施術で審美的にも機能的にも調和のとれた歯並びが得られるよう努力します。
きょうばし矯正歯科クリニック
大阪市都島区東野田2-3-19 MFKビル4F
TEL:06-4801-9055
HP:http://www.kyobashi-kyousei.com​

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