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木村 綾
乳腺専門医 医療法人桜来会 きむらクリニック小児科乳腺科

健やかに 楽しく 美しく 医療・ヘルシーライフ 2017-12-01
女性ホルモンと脂質異常症

脂質異常症とは、血液中の脂質が過剰、もしくは低下している状態を指します。

脂質は人間のからだにとって大切なものですが、食事の量(カロリー)と、運動や、肝臓での代謝量とのバランスがうまくとれなくなると、脂質異常症という形で現れてきます。

一般的に脂質とは、悪玉コレステロールと呼ばれている脂質・LDLコレステロールと善玉コレステロールと呼ばれている脂質・HDLコレステロールと、中性脂肪になります。

HDLコレステロールは動脈硬化を改善する方向へ働きますが、LDLコレステロールは動脈硬化を進行させる方向へ作用するため「悪玉」と呼ばれています。

動脈硬化は、血管の壁が厚くなって、血管の内側が狭くなった状態を言います。これは血管の壁の中にLDLコレステロールがたまることが原因のひとつです。血管の内側が狭くなると、血管がつまりやすくなり、心筋梗塞や狭心症、脳卒中などを起こしやすくなります。

女性ホルモンのエストロゲンは、脂質の代謝に深く関わっています。エストロゲンは、肝臓でLDLコレステロールをスムーズに代謝させる働きを持っています。そのため、閉経前の若い女性では脂質異常症の頻度は低くなっています。

一方、閉経を迎えると、LDLコレステロールと中性脂肪が高くなり、HDLコレステロールが低くなります。LDLコレステロール値は閉経前より20%くらい高くなりやすいと言われています。

閉経前の女性で脂質異常症と診断された場合には、家族性高コレステロール血症や、甲状腺機能低下症や自己免疫疾患による続発性高脂血症の存在を疑うこともあります。

コレステロールが高いと言われた人は下記に気を付けてみて下さい。

①食事を見直す。
大豆食品、緑黄色野菜、海藻、魚や貝などの伝統的な日本食がおすすめです。卵やお肉の脂身、バターなどはひかえ目にして下さい。

②運動を習慣にする。
早足歩きなどの運動を、毎日30分または週3回60分以上行うように習慣づけます。

③喫煙していれば禁煙し、受動喫煙を回避しましょう。

④生活習慣の改善でコレステロールが下がらないときは、薬の治療が必要になります。

食事と運動を見直して、脂質異常症も改善し、スタイルを保つと美しく年を重ねることができて、いきいきと過ごせます。

はじめは、完璧を目指さす、日常生活に一点だけでも取り入れて、習慣づけてみて下さい。
健康であることが、楽しく美しく過ごせることにつながっていくと思っています。病気を患ってても、少しでも健やかな気持ちで前向きに生きがいを感じて過ごせるようになれたら、素敵だと思います。心身ともに健やかに過ごせるヒントを、女医の立場からご紹介できれば幸いです。
木村 綾
乳腺専門医

医療法人桜来会
きむらクリニック小児科乳腺科

乳腺専門医の女性医師が診療します。 マンモグラフィ検診が受けれます。
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