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木村 綾
乳腺専門医 医療法人桜来会 きむらクリニック小児科乳腺科

健やかに 楽しく 美しく 医療・ヘルシーライフ 2017-11-03
女性ホルモンと骨

骨は髪や肌と同じように新陳代謝を繰り返しています。古くなった骨を壊す細胞(破骨細胞)と、新しい骨をつくる細胞(骨芽細胞)により、新陳代謝が起きています。2つの細胞のバランスによって、骨量が安定し、骨の強さが保たれます。

古い骨を溶かし新しい骨をつくる骨代謝には、女性ホルモンのエストロゲンが深く関係しています。そのため、エストロゲンが低下する閉経後には骨量も急激に低下して、骨粗しょう症のリスクが高くなります。

60歳を越すと、2人に1人が、70歳を超えると10人に7人が骨粗しょう症になると言われています。「骨粗しょう症」とは、骨がスカスカになり、骨強度が減少し、骨折の危険性が高まった状態の事をいいます。

女性ホルモンが原因で起こる骨粗しょう症は、閉経を迎えた女性だけでなく、月経不順や月経が訪れない無月経の若年女性にも発症します。女性ホルモンの影響は、骨密度の低下させるだけでなく、四肢関節や膝関節などに変形を起こし、関節症を引き起こす可能性もあります。

骨粗しょう症のセルフチェック
ひとつでもあてはまれば骨粗しょう症のリスクがあります。骨密度検査を受けましょう。

・身長が縮んだ、または、背中が丸くなってきた
・些細なことで骨折したことがある
・家族に骨粗しょう症の人がいる
・運動不足
・閉経を迎えた
・1日ビール大瓶3本以上、ワインでグラス5杯以上
・喫煙する

骨粗しょう症の予防のためお食事には、カルシウムとビタミンDが大切です。カルシウムを多く含む食材は、しらすや煮干などの小魚、豆腐等の大豆製品、牛乳・チーズなどの乳製品、わかめ等の海藻類です。

ビタミンDは、しいたけ、レバー、サンマ、鮭、カレイ、卵黄などの食材に多く含まれます。また、運動も大切です。運動は骨に圧を加え、骨を丈夫にしてくれると同時に筋肉も鍛えられ、転びにくくなる効果もあります。

最も適しているのは、ウォーキングです。歩行姿勢は、背筋をピンと伸ばし、胸を張って腕を大きく振って、大股で歩くことが大切です。また、外出することにより太陽を浴び、皮膚からのビタミンD産生を促し、カルシウムの吸収をサポートしてくれます。

今から、骨の健康を保つことが、高齢になってからの生活を健やかに楽しく過ごせることへつながります。
健康であることが、楽しく美しく過ごせることにつながっていくと思っています。病気を患ってても、少しでも健やかな気持ちで前向きに生きがいを感じて過ごせるようになれたら、素敵だと思います。心身ともに健やかに過ごせるヒントを、女医の立場からご紹介できれば幸いです。
木村 綾
乳腺専門医

医療法人桜来会
きむらクリニック小児科乳腺科

乳腺専門医の女性医師が診療します。 マンモグラフィ検診が受けれます。
大阪府吹田市豊津町 4-38
TEL: 06-6338-5050
HP:http://www.oukikai.jp/

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