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小森 利絵
フリーライター えんを描く

おてがみじかん ライフスタイル 2017-03-24
お手紙を“はじまり”のきっかけに

“父さんは、手紙を書くのが、にがてです。さようなら”。

小学5年生の時に、父からもらったハガキにあった一文です。宿泊学習で5日間ほど家を離れました。「長期間、家を離れて、さみしがるだろう子どもに向けて、手紙を・・・」と小学校の先生が親にハガキを配布。それが、宿泊所に郵送で届きました。「一所懸命、書いてくれたんだなあ」と時折り思い出しては、そのハガキをなつかしく眺めます。

私はお手紙を書くのが好きだから友だちや文通友だちに書くことはありますが、そういえば、家族に対してはどうでしょう? 小学生の娘に書くことはあっても、父には書いていないなあと、ふと思いました。

日頃、おしゃべりしたり、ケンカしたりして、気持ちや思いを伝え合っているつもりでいても、ココロに秘めたままのものがあったり、言葉にするのをためらっているものがあったりします。なかには、自分でも気づけていない気持ちや思いもあるでしょう。

お手紙って、日頃は言葉として出てこない気持ちや思いに気づいて、認めて、改めて伝えるきっかけをくれるような気がします。お手紙を書くことを通して、相手に思いを馳せて向き合うとともに、自分自身とも向き合うことになるからです。

お手紙を書くことで、「あ、わたし、こんなことを思っていたんだ」「あの出来事、こういうふうに感じていたんだ」「こんなことやあんなことがあったなあ」「あの時、こんなことで救われた」と気づく機会となります。

「ありがとう」「うれしい」「つらい」「かなしい」「ごめんなさい」「本当は」など、どんな気持ちや思いであれ、それに気づいて、認めて、伝えようとしてみる・・・ただ、自分が思いついたままに、言いたいように伝えるのではなく、そこに相手に思いを馳せる、ココロに寄り添おうとする気持ちをプラスすれば、そこから、さらなるコミュニケーションがはじまるんだと思います。

お手紙を、いま、ここから、再びコミュニケーションを重ねていく“はじまり”のきっかけにしませんか? 家族や友だち、仕事仲間など、身近な人にこそ、お手紙を書くといいかもしれません。
レターセットや絵葉書、季節の切手を見つけるたび、「誰に書こうかな?」「あの人は元気にしているかな?」などアレコレ想像してはトキメク…自称・お手紙オトメです。「お手紙がある暮らし」について書き綴ります。
小森 利絵
フリーライター/お手紙イベント『おてがみぃと』主宰
編集プロダクションや広告代理店などで、編集・ライティングの経験を積む。現在はフリーライターとして、人物インタビューをメインに活動。読者のココロに届く原稿作成、取材相手にとってもご自身を見つめ直す機会になるようなインタビューを心がけている。HP:『えんを描く』

 『おてがみぃと』
『関西ウーマン』とのコラボ企画で、一緒にお手紙を書く会『おてがみぃと』を2ヵ月に1度開催しています。開催告知は『関西ウーマン』をはじめ、Facebookページで行なっています。『おてがみぃと』FBページ

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