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バックスター ルミ
バイリンガルライフコーチ RumiBaxter

丁寧に生きるという選択 ライフスタイル 2016-06-10
丁寧に生きる。エコロジカルな選択とは

出会いは偶然にやってくるかもしれません。
しかし出会うべき人とは、そして交わされるべき会話は、
いつも必ずパーフェクトなタイミングでやってくるような気がします。

その日も雑踏の中、「偶然」に出会い意気投合した方は、
ヨーロッパに深いつながりのある人でした。
ヨーロッパでもの作りの修行をされ、マイスター(高等職人)の資格を取ったのち、
日本でそれらの商品を広めていらっしゃる方です。

私自身、日頃から日本の消費マーケットに関し、興味深く思っていました。
過激なコマーシャルが生み出しているのは、
本当にいいものより、売れるものを大量に作っているマーケットなのではないか、
と危惧している方々もたくさんいらっしゃるでしょう。

さらに売るために価格戦争、価格破壊が起こっている中、
伝統文化や、大量生産できないものはどうなっていくんだろう
と感じている方も、私一人ではないはずです。

ヨーロッパ、特にドイツには、
伝統文化、工芸品、食に対してマイスター、資格制度があります。
徹底的にそれらの伝統文化を継承することに重きを置いた制度です。

ドイツと言えばソーセージにビールが思い浮かびますが、それら食文化の作り手にも、
技術資格制度を取り入れることで、伝統的ソーセージについて学び、作り手を生み出し、
後世にそれを引き継ぐ経営者を生み出しサポートするシステムを作っています。

ここで、文化継承、ものづくりに大きく関わっているのは、「なぜ」という基本的な姿勢です。
なぜそれを作るのか。作られるのか。
そしてなにより、なぜそれを守るのかという作り手、文化継承者への問いなのです。

以前、建築家の、
「なぜこの建物を作るのかという問いに答えられなければ、
結局は巨大なゴミを作り出しているにすぎないことに大きな責任を感じる。」
という話を聞いた時、その通りだと思い、ぞっとしました。
その瞬間、未来の大量の巨大なゴミが頭に浮かんだからです。

「なぜ」作るのかが見えてこない商品は、
結局は社会にとって必要ないどころか、害であるという極論に達します。
ものづくりには「なぜ」作りたいのかという作り手の熱意やこだわりも必要です。
それを「愛情」と言うのかもしれません。

その方はきっぱりおっしゃりました。
「見せかけの商品が氾濫する中で、私のゆずれないこだわりです」と。
こだわりは愛情であり、自信です。
ものづくりの先にはそれを使う、消費する消費者である私たちがいます。

消費する側の「なぜ」それにお金を払い、使い、食べるのだろうと考える姿勢も大切です。
その「なぜ」が確立していれば、コマーシャルに踊らされることなく、
人が買っているからという理由で買うこともなく、
安いからこれにしようという無駄もなくなり、「買わない不安」から解放されます。
本当に必要なもの、欲しいもの、
安心できるものを手に入れたいというシンプルな欲求が見え始めます。

自分の「なぜ」それが必要なのかがみえるというのはとても豊かなライフスタイルなのです。
上質な物に適正な価格が支払われ、その結果上質な物が永続する事につながります。

物を作る人がこだわりを持つと同時に、それを買う側もこだわりと審美眼を持つこと。
それこそが、本当のエコロジカルな選択だと思います。

エコロジーとはものを作る前の意識からもうすでに始まり、
何をなぜ手に入れるかという意識につながります。

責任のある行動とは、なぜ、何を、何のために、を知ること、こだわることで、
それこそが「責任ある経済」への一歩だと思います。

 

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