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永木 恵美子
歯科矯正学博士 きょうばし矯正歯科クリニック院長

For Your Smile 医療・ヘルシーライフ 2016-07-19
矯正治療は何歳までできるの?

「若いときは歯並びはきれいだったけど、だんだん歯がいがんできた。」
「ずっと前から、歯並びのことを気にしてきたけど、
今さら矯正治療なんて受けれるのかしら?」

そういったお悩みをお持ちの、大人(中高年)の女性が増えています。
いったい矯正治療は何歳までうけれるのでしょうか?

矯正治療を受けるには、3つの大切な条件があります。

1. 健康な歯がある程度残っていること
2. 歯ぐきが健康な状態であること
3. 歯ぐきの骨(歯槽骨)がしっかりと残っていること

矯正治療は歯並びを整えていくのに、歯を支えにして動かしたい歯を動かします。
ですので、健康な歯がある程度残っていないと、
動かしたい歯を動かすことが出来なくなります。

最近は矯正用の小さなインプラントを利用した矯正治療が一般的になってきていますので、
歯の数は少なくても矯正治療は可能ですが、ある程度の本数の歯が残っていないと、
矯正治療の目的や効果は限定的になってしまいます。

中高年の方を治療するうえで問題なのは、
若い頃に比べ抵抗力が低下しているということです。
抵抗力が落ちているとどんな問題が起こるかというと、
歯垢や食べかすが歯の周りに残っていると歯ぐきの病気(歯周病)にかかりやすくなります。

矯正装置をつけると、ブラッシングが大変になるのは、どの年齢の方でも同じですが、
中学生や高校生であれば軽度の炎症(歯肉炎)で済む場合でも、
30歳代半ば以降ぐらいになると、重度の炎症が中の骨(歯槽骨)まで広がり、
歯周炎に進行してしまう可能性が高くなります。

歯周炎になると歯槽骨が痩せてしまい、治療後も歯が揺れる、歯並びが安定しない、
最悪抜歯しないといけないなどの問題がでる可能性があります。
そのため、日頃からブラッシングに気をつけ、
健康な歯ぐきを維持していただくことがすごく大切になります。

また、見かけ上歯はたくさん残っていても、
レントゲンをとってみると歯槽骨が大変痩せていて、
歯を動かせる状態ではないということもありえます。

歯槽骨は年齢と共に、痩せていく傾向にあります。
これは老化とともに、骨粗しょう症や身長が縮むことからも、想像がつくと思います。

このような場合には歯周病専門医を受診し、
まずは歯周病の治療を徹底的に受けていただき、
歯ぐきの状態が改善・安定してから矯正治療を行うようにししましょう。

歯や歯ぐき、骨の状態が健康であれば、矯正治療に年齢は関係ありません。
逆に言うと、例え年齢は若くても、歯や歯ぐきの状態が悪ければ矯正治療はできません。

中高年の方では体の新陳代謝が低下しているため、
中学生や高校生に比べると骨の改造のスピードがゆっくりで、
治療期間もやや長くなりがちです。そっと弱い力で矯正を進めないといけないのです。

慎重に状況を把握し、慎重に矯正治療をする。
これが、大人の矯正治療の基本です。
きょうばし矯正歯科クリニック
火水金:12:00-19:00 土日(隔週)
10:00-17:00 ※予約制
大阪市都島区東野田2−3−19 MFKビル4F
TEL 06-4801-9055
http://www.kyobashi-kyousei.com​


 

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