HOME コラム 前のページへ戻る

永木 恵美子
歯科矯正学博士 きょうばし矯正歯科クリニック院長

For Your Smile 医療・ヘルシーライフ 2016-08-16
口腔筋機能療法はお口の筋トレ

最近、筋トレやら、ヨガなどが流行っていますね。
実はお口にも筋トレがあるんです。
お口の筋トレを口腔筋機能療法といいます。

口腔筋機能療法(Myo-functional Therapy)は、
頬や唇、舌などのお口のまわりの筋肉の悪い癖や機能異常を改善したり、
筋肉の機能力を利用して不正咬合を改善するトレーニングです。

最近、お顔の周りのマッサージやトレーニングは流行っていますが、
実は矯正歯科の世界では、ずっと昔から、このトレーニングがありました。

実は、歯の外側には頬や唇の筋肉が、歯の内側には舌の筋肉があり、
そのバランスのとれる位置に歯は並んでいます。
矯正治療でせっかく歯並びを綺麗にしても、
歯並びとその周りの筋肉のバランスが上手く調和していないと
歯並びがまた悪くなってしまう可能性があります。

口腔筋機能療法には、頬、唇、舌など各部位について筋トレの方法がありますが、
今日はもっとも効果的で簡単な舌のトレーニングについて説明しましょう。

人が楽にしている時、口の中で舌の先は、上顎の前歯の裏側の少し後ろ側についており、
通常舌は持ち上がっている状態になっています。
この状態であれば、外側からの唇や頬の筋肉圧と内側から舌の筋肉の圧力が
バランスよく歯にかかっています。

歯の周囲の筋肉の圧力のバランスが整っていると、
歯は安定して良好な位置を保つことができます。

しかし、口がポカンと開いていて、唇や頬の筋肉の圧力が弱く、
舌の筋肉の圧力が強い場合や安静時に舌が持ち上がらず
だらんとお口の中で下に落ちている(低位舌)と前歯に舌の力が強くかかってしまいます。
そのため、前歯が舌の力で前に押し出され、
すきっ歯や、開咬、受け口などの不正咬合の原因となります。

以前にもコラムで「口呼吸はよくない」と書きましたが、
口で呼吸することは、常に唇の筋肉の圧力なない状態なので、
舌の筋肉の圧力が勝ってしまい、開咬や、出っ歯などの不正咬合の原因になります。
口は閉じて、お鼻で息をするように心がけましょう。

また、物や水を飲み込む際に上下の前歯の間に舌が飛び出してくる場合があります。
これを異常嚥下癖といいます。
このような癖を続けていると舌が前歯を裏側から押す力がかかりますので、
開咬や出っ歯、上下顎前突などの不正咬合の原因となります。

口腔筋機能訓練(舌訓練)は不正な口腔習癖を取り除き、
お口の周囲の機能を正しく整えることにより、歯や顎骨の正しい成長発育を促し、
不正咬合になるのを未然に防いだり、改善することを目的としています。

お子さんの場合では、正常な骨の発育を悪い癖が阻害する原因になるので、
早めに筋機能訓練をして、正常な骨の発育を促すべきでしょう。
また、大人の方では、治療後の後戻りの予防に役立ちますので、舌の位置は非常に重要です。

口腔筋機能療法は、お口の筋トレ。毎日の心がけが大切ですね。
きょうばし矯正歯科クリニック
火水金:12:00-19:00 土日(隔週)
10:00-17:00 ※予約制
大阪市都島区東野田2−3−19 MFKビル4F
TEL 06-4801-9055
http://www.kyobashi-kyousei.com​


 

口腔筋機能療法はお口の筋トレ 医療・ヘルシーライフ 永木 恵美子歯科矯正学博士
矯正治療は何歳までできるの? 医療・ヘルシーライフ 永木 恵美子歯科矯正学博士
おすすめのコラム
生理不順は放置しないで!! 医療・ヘルシーライフ 藤田 由布婦人科医
【重要 】残りあと1年です『 HPVワクチン公費(無料)接種 』 医療・ヘルシーライフ 藤田 由布婦人科医
婦人科検診、受けていますか? 医療・ヘルシーライフ 藤田 由布婦人科医
コラムのジャンル一覧