関西ウーマン

阿部純子
歯科医師じゅん矯正歯科クリニック

笑顔の素敵な女性をふやし隊医療･ヘルシーライフ 2016-03-02

マウスピース矯正ってご存知ですか？

皆さんはマウスピース矯正ってご存知ですか？
取り外し式の透明なプレートを装着して歯を動かす方法のことです。

ステップバイステップで、今より少し歯が動いた状態に合わせて作ったプレートを、1日20時間以上装着することにより、歯に力を加えて動かします。歯並びは治したいけど、矯正歯科治療は受けてみたいけど、固定式の装置をつけるのが嫌…という方には朗報とも思える装置です。

以前から、いろんな材質のマウスピースを用いて歯を動かす…という試みはなされてきました。
かつては、矯正歯科治療の最終的な仕上げの段階や、ちょっとした歯の歪み程度に使われるくらいで、患者さんにもあまり知られていませんでしたが、最近では一つの治療システムとして日本でもマウスピース矯正というのがよく知られるようになりました。

歯科医院で歯の型採りをして技工所に送れば一連のマウスピースが出来上がってくることから、ワイヤー矯正に比べ、クリニックへの導入が割と簡単にできると考えられがちで、そのため矯正専門歯科診療所以外でも取り扱う診療所が増えてきていることも、急速に認知されてきた理由の一つかもしれません。

とはいえ、これも歯並びや咬み合わせを治す矯正歯科治療の装置にすぎないので、これを使いこなして患者さんの歯並びや咬み合わせを治していくには、まずは正しい診断を行う必要があります。

そのために、矯正歯科治療に関する経験や専門的な知識、技術が必要なことは言うまでもありません。また、著しいでこぼこや、上下の骨の位置のアンバランスが大きいケースなどには不向きな場合が多いので、この装置で治せるケースかどうかを矯正歯科で見極めてもらう必要もあります。

さて、「自分で取り外しができる」ということがメリットであるこのマウスピース矯正。

でも自分が患者さんだったら、きっとめんどくさがりで飽きっぽい私みたいな患者さんだったら、「今日は友達と食事に行くから、明日からにしよう」とか「今日はちょっとお出かけするからお休みしよう」とか、何かと言い訳してなかなか進まないんじゃないかなと想像してしまいます。

どんなに熱心な患者さんでも、きれいな歯並びになりたい！矯正歯科治療を受けたい！という気持ちが治療を受ける前から治療が終るまで、ずーっと同じテンションで続くわけではなく、時にはしんどくなったり止めたくなったりすると聞きます。

ワイヤー矯正なら、「早く装置を外したい！」ということが次のモチベーションにつながるわけですが、マウスピース矯正は勝手に自分で装置を外せるので、そのモチベーションを維持するのも努力が要りそうです。

もちろん適応症を選んで、特徴をしっかり理解して使えば、とっても有効な装置です。
マウスピース矯正、ご興味のある方はまずは矯正歯科で相談してみましょう。