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バックスター ルミ バイリンガルライフコーチ RumiBaxter
私たちが「生きる」中で、たくさんの選択をしています。 その選択は、意識したものから無意識に選んでいるもの、とるに足らない小さな選択から人生の岐路に立たされた大きな選択まで、その種類も様々。「丁寧に生きる選択」というライフスタイルは、未来へのキーワードでもあります。
丁寧に生きるという選択 ライフスタイル 2024-11-13
余裕
今年は特に秋が足早に過ぎ去り、11月が一気に訪れたような気がします。その11月も、もう半ばですね。最近「感動とは何か?」について考えています。感動とは何かを一言で表現するのは実に難しい。なぜなら、感動には明確な定義がないからです。

もちろん、辞書に載っているような定義に沿って感動が起こるわけではありませんし、むしろ、そこにはルールも一貫性もないかもしれません。強いて言うならば、感動とは、自分の過去の経験が何かのきっかけでよみがえり、心の状態に触れ、それが目の前にある対象物と交わる瞬間に生まれるようなものなのでしょうか。

例えば、赤ちゃんが美しい夕焼けを見たとしても、赤ちゃんはそれを「感動」として捉えないでしょう。赤ちゃんにとって、どんなに美しい夕焼けであってもそれはただの「びっくり」でしかなく、心に深く根差した何かと目の前の夕焼けが重なり合わないでしょう。そう考えると、感動には「共感」という要素が欠かせないのかもしれません。

ある音楽を聴いて涙がこぼれるような感動を覚えるのは、音楽が単なる音の連なりではなく、その音に込められた人間の感情や物語が私たちに共鳴しているからなのでしょう。その一方で、理論的に完璧なコンピュータ演奏を聴いても、それがどんなに「正確」で「技術的に優れて」いても、人の心に深く残るような感動を生むことは少ないでしょう。

驚きは感じるかもしれませんが、それは「驚き」にとどまり、「感動」にはなりにくい。それは、そこに共感という人間のエレメントが欠けているからではないでしょうか。「私もあんなふうに奏でたい」といった共感も起こらないのです。

以前、ふと見上げた風景に心を奪われた瞬間がありました。秋の紅葉が、今まで見たどの紅葉よりも鮮やかで美しく見え、「こんなにも美しいものだったのか」と感嘆しました。

その紅葉自体が特別に変わったわけではありません。同時に、同じ風景を素通りするほど心の余裕のなかった自分に気づきました。変わったのは、私自身の心に余裕が生まれ、感動を受け取る準備ができたことなのだと気づきました。同じ景色でも、忙しさや気持ちの余裕によって受け取り方が大きく変わる。それも感動の一面だと思います。

感動と驚きの違いは、まさにこの「経験」や「共感」にあるのかもしれません。驚きは新しいものに対する反応ですが、感動は時間をかけて育まれるものなのではないでしょうか。心の奥底にある何かと触れ合い、その瞬間、過去の自分の経験が蘇るように感じる。それが感動の本質であり、私たちを豊かにしてくれるものなのかもしれません。

小さな変化に気づける心の余裕を持ちながら、そして感動できる心の余裕を失わないように前に進めたらと思います。
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私たちが「生きる」中で、たくさんの選択をしています。 その選択は、意識したものから無意識に選んでいるもの、とるに足らない小さな選択から人生の岐路に立たされた大きな選択まで、その種類も様々。「丁寧に生きる選択」というライフスタイルは、未来へのキーワードでもあります。
バックスター ルミ
バイリンガルライフコーチ

心理カウンセラーのバックグラウンドをいかし、英会話講師として「コミニケーションレッスン」を展開中。 半生を英国、ヨーロッパのライフスタイルに関わってきたことから、それらの経験をもとに独自のレッスンを提供している。「五感+plus」を使ってコミュニケーション能力を磨くレッスンは、本格的英国サロンで行われている。
RumiBaxter
BROG:http://ameblo.jp/rumi-b/

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