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藤田 由布 婦人科医 医療法人 大生會 さくま診療所(婦人科)
生理痛は我慢しないでほしいこと、更年期は保険適応でいろんな安価な治療が存在すること、婦人科がん検診のこと、女性にとって大事なこと&役に立つことを中心にお伝えします。
婦人科医が言いたいこと 医療・ヘルシーライフ 2022-12-08
トーゴの青年が流れ星に叫んだ願いごとは?
トーゴに行くと必ず虜になるモノがある。

これは是非ともお土産として持ち帰りたい。

しかし、これは飛行機に絶対に持ち込むことができない。

空港の手荷物検査で見つかったら、「ノン、ノン、これは持ち込みダメ」 と、あえなく没収される。

私も没収されたその土産物とは「チュック」である。

地ビールだ。トーゴに来た者は皆んな病みつきになる。

ヒエとアワを家の庭で延々とグツグツ煮てできた、ちょいと酸っぱいビール。
この手作り地ビールは各家庭によって味が微妙に違う。ひょうたん皿1杯で10円の地ビールは、トーゴの屋台で飲むからウマイのだ。

道路脇には30mおきにチュックの屋台バーがあり、屋台のママの周囲にはオッサン達がチュック片手に延々とベシャリつづける。

チュック屋台にはトーゴの思い出話がぎっしり詰まっているので、チュックはお土産として最適なのだ。
事故が多いアフリキヤ航空
当時、西アフリカ諸国行きの航空券で最安値だったのは、リビアの航空会社「アフリキヤ」。今となっては安全性に問題があるとして、アフリキヤ航空はEU圏内への乗り入れはEUが禁止している。

アフリキヤの飛行機の翼に描かれたロゴは「9.9.99」。これはカダフィの提案によって設立されたアフリカ連合の調印日1999年9月9日に因んでいる。

さすがカダフィの国リビアの航空会社だけあって、アメリカ人のパスポートだと「乗せない」、と言ってチェックインの際にアメリカ人だけ排除される。

また、手荷物に地ビールのボトルを持っていると必ず没収される。

イスラム圏だからアルコール没収?と当初思っていたが、宗教的な理由ではなかった。

空高い上空は気圧が低いので、機内に持ち込んだ地ビールが発泡して爆発するからだ。

しかし何も知らない乗客は、トーゴ土産として地ビールを手荷物に入れており、皆んな搭乗口で没収されるのだ。

だから搭乗口には没収された地ビールの山が積まれている。

私もチュックを没収された一人だ。

しかし、機内で私の隣の席に座った男性は、没収されずに地ビールを持ち込んでいたのだ。

案の定、飛行機が上空に達した時に、地ビールが詰まったプラスチックのボトルの蓋が「ポーーンッ」って飛び、中から地ビールの泡がシュワーっと噴き出てきた。

機内での爆発音は背筋が凍った。
地ビール屋台では、秘密警察に気を付けて!
ビールを飲む文化がある地域は、男女の境界が薄い。

イスラム圏だと、男女が隣合って座ることなんて滅多にないのに、ビールを飲む屋台では男も女も混ざって隣同士で座り、一緒にビールを楽しむのだ。

私は、そんなビール大好き国家のトーゴが大好きで、本当に居心地が良かった。

ただし、気をつけなければならないのは、路上の地ビール屋台には「秘密警察」がうようよいるので、 政治の話は禁句だった。
私の所属先の保健省の同僚からも「屋台で政治の事は絶対に話してはならないよ!」 と釘をさされていた。
村の青年たちはサッカー命
アフリカ全土でサッカーが最も盛んなスポーツといっても過言ではないが、トーゴ人もサッカーが大好き。

サッカー大会があれば村中の全人口が集う。
だから、啓発キャンペーンや、教育関連のイベントで人を集めたいときは、サッカーの試合を主催すれば効率よく大勢を集めることができるのだ。

サッカーのユニフォームやボールを提供したりすると、村中の活気が熱気となり、若者のモチベーションがすこぶる上昇して、啓発キャンペーンの主役スピーカー役を担ってくれたりする。
私もギニアワーム感染症の撲滅キャンペーンの一環で、サッカー大好き青年たちに活動にたびたび参加してもらった。

私がサッカー大会を主催したのは、ガーナとトーゴの国境付近にある「ジャロパンガ村」。

この村の青年たちは皆んなとても紳士で協力的。ユーモアたっぷりで、仕事熱心。私が村に着いたら、いつも誰かが迎えにきてくれて、荷物まで運んでくれる紳士ぶり。
このジャロパンガ村へ行く道は果てしなく遠く、ランドクルーザーで道なき道を時速5kmで進む。ガタガタの土道なので、雨期の路上は必ず車ごとドボンする。
こんな時も村の青年たちが駆け寄ってきて助けてくれる。
トヨタのランクルでジャロパンガ村へ向かう300kmの距離は、いつも8時間はかかっていた。

トーゴは小さい国なのに、村への道のりは永遠と続くのだ。
夜空の「天の川」が国境線?!

※ガーナとトーゴの国境の村でギニアワーム撲滅活動の国境会議
ジャロパンガ村は秘境の土地だったが、900世帯ほど大きな村で、ほとんど全人口が農作業で生計を立てている。

夜は村人と一緒に夜空の下でご飯を食べてソフトドリンクを飲む。村人はみんなイスラム教なので、人前ではアルコールは飲まない。

でも、ノリは良い彼らは、コーラでも酔っ払える。彼らの話はとても面白い。

「ここの村の年配者たちってさ、空にみえる天の川がガーナとトーゴの国境だと今でも信じているんだよ」と。
それもそのはず、電気がない村なので夜空は星座が分からないほど星くずのステージで、天の川は真っ白にくっきり見える。

「三日月の傾きで、ガーナ通貨セディとトーゴ通貨のセーファーの為替の強さが分かるって信じている人もいるんだよ」と。

村には興味深い逸話がいっぱい転がっている。
流れ星に願いを
ならば、私も日本の逸話を披露せねば、と考えて「流れ星が流れている一瞬のうちに願い事を言い切ることが出来れば、願いは叶うよ!」と。

すると、青年たちは一斉に夜空を見上げて叫び始めた。

ここは流れ星なんてすぐに見つかる。全部の星が見えるので、毎分のように流れているのだ。

青年たちが一斉に大声で放った願いこととは、「マリアーーーーージュ!!!」

つまり、結婚したーーーーい!と皆んなが叫んだのだ。

何度も願いごとを叫びたい彼らは、仰向けに寝転がって、その夜はずっと「マリアージュ!マリアージュ!」と星に願いを連呼していた。

※ジャロパンガ村の青年たち、よく働くしとても協力的だ
若干18歳くらいの青年たちだ。

結婚に最大の興味があるというのは、年頃の若者は万国共通なのだろう。

※サッカー大会で優勝したチーム
私はトーゴの村落を300ヶ村くらい巡回したが、どこも優しくて紳士的な人々で溢れていた。

当時、私はトーゴで在留邦人1名だった。

トーゴと日本とのつながりは薄く、遠い遠い国だったが、トーゴは本当に素敵な国だった。

またトーゴで仕事がしたいな。
【以下は写真集】

※トーゴ北部でギニアワーム感染症の治療をしているところ。この寄生虫は棒で巻き取って体外にゆっくり出すしか方法がない。

※トーゴの典型的な村の家。当時のトーゴのギニアワーム撲滅国家計画の代表の大酒豪アメグボ氏と。

※村の青年たちはなんでも協力的だし明るくって働き者。

※市場は人が集まるので啓発活動にはうってつけの場所だ

※ポリオワクチン接種キャンペーンは奥地の奥地まで行く

※村の奥地は橋がないので川の向こうの村に行くには手漕ぎボートが必須

※トーゴのギニアワーム撲滅計画にジミーカーター夫妻が訪問。トーゴには日本大使館がないのでコートジボアールの日本大使館から大使夫妻が駆けつけた。

※トーゴの田舎村の子供は私を指差して「中国人?」と不思議そうだが、外国人が珍しいからか、たくさん子供が集まる。私も人寄せパンダとして一役かっていたかも。

※ギニアワームを巻き取って治療しているところ。もうすぐ世界から撲滅される今となっては貴重な寄生虫だ。
profile
全国で展開する「婦人科漫談セミナー」は100回を超えました。生理痛は我慢しないでほしいこと、更年期障害は保険適応でいろんな安価な治療が存在すること、婦人科がん検診のこと、HPVワクチンのこと、婦人科のカーテンの向こう側のこと、女性の健康にとって大事なこと&役に立つことを中心にお伝えします。
藤田 由布
婦人科医

大学でメディア制作を学び、青年海外協力隊でアフリカのニジェールへ赴任。1997年からギニアワームという寄生虫感染症の活動でアフリカ未開の奥地などで約10年間活動。猿を肩に乗せて馬で通勤し、猿とはハウサ語で会話し、一夫多妻制のアフリカの文化で青春時代を過ごした。

飼っていた愛犬が狂犬病にかかり、仲良かったはずの飼っていた猿に最後はガブっと噛まれるフィナーレで日本に帰国し、アメリカ財団やJICA専門家などの仕事を経て、37歳でようやくヨーロッパで医師となり、日本でも医師免許を取得し、ようやく日本定住。日本人で一番ハウサ語を操ることができますが、日本でハウサ語が役に立ったことはまだ一度もない。

女性が安心してかかれる婦人科を常に意識して女性の健康を守りたい、単純に本気で強く思っています。

⇒藤田由布さんのインタビュー記事はこちら
FB:https://www.facebook.com/fujitayu
医療法人 大生會 さくま診療所(婦人科)
〒542-0083 大阪府大阪市中央区東心斎橋1-14-14 T・Kビル2F
TEL : 06-6241-5814
https://www.sakumaclinic.com/

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