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小森 利絵 フリーライター えんを描く
レターセットや絵葉書、季節の切手を見つけるたび、「誰に書こうかな?」「あの人は元気にしているかな?」などアレコレ想像してはトキメク…自称・お手紙オトメです。「お手紙がある暮らし」について書き綴ります。
おてがみじかん ライフスタイル 2020-05-20
「1年後へのお手紙」は言葉の思い出アルバム
1年を振り返って、1年後の自分にお手紙を書くということを、2016年から続けています。

そんなことをしてみようと思ったきっかけは、年賀状を書く中で「1年1年、あっという間に過ぎ去っていくなあ」と感じる一方、この1年で出会った人や出来事に思いを馳せると、「まだ、あれから1年も経っていないのか」と、「あっという間」という言葉で一括りにしてしまった日々があることに気づいたからです。

「忙しい、忙しい」と流してしまいがちな日常の中で立ち止まる時間をつくろう。この1年の自分のことやまわりのことを見つめ直そう。

そうすることで、さまざまな人たちのおかげで今があることを再確認したり、「だめだな」と思うばかりの自分の頑張りが見えてきて「なかなか頑張ってるやん」と元気が出たり、「こうだ!」と思っていた景色が「実はああかもしれない」と異なる視点を見出したりできるかもしれないと思いました。

そこで、毎年4月頃に「年に一度、春に。1年後の自分にお手紙を書こう!」という会を開催しています。

自分1人だったら「また今度」と先送りして書けなくなってしまうので、誰かと一緒に。書いたお手紙は私がまとめて保管して、1年後の4月に郵便ポストに投函しています。
お手紙には、いろいろな工夫をしています。

1年を振り返るためのワークシート。

このシートには、「いまのわたしをイメージして浮かぶ、コトバいろイロ」「1年の思い出」「仕事や活動など」「ときめいたこと」「これからやりたいこと」など、1年を振り返る手がかりとなる問いかけをちりばめています。

何もない状態から書き始めるのもいいですが、問いかけがあると、自分の中にあるものをより引き出しやすくなるような気がします。その問いかけについて、あまり考え込まず、思い浮かんだことをそのまま書き出していきます。

お手紙を書くレターセットは、1年目はお気に入りのレターセット、2年目からは無地のレターセットにしました。

自分が「いいなあ」「好きだなあ」と選ぶものにも自分が表れるので、その時のお気に入りのレターセットもいいですし、無地のレターセットに書くようになったのは、その時の自分の気持ちや見たことも自由に表現できたらいいなあと思ったからでした。

封筒には、お手紙を書いたその日見つけた風景を描いています。便箋には、季節のあいさつ文みたいな感じで、五感で感じ取った空や緑、花、風、香り、感触などを、「こんな空だった」「こんな香りがした」「こんなことを不思議に思った」とつらつらと書き綴ります。

「1年後にお手紙を書く会」では、お手紙を書く前に「季節さんぽ」として公園を散歩して、春を感じる時間を持つようにしています。全身で季節を感じて、自分が感じた季節を描いたり書いたりすることで、その時の自分の感性も記録できるのではないかなと考えたからです。

最後に、お手紙を書く時間を一緒に過ごした人と、お手紙を書き合うということもしています。

出会い、こうして一緒に時間を過ごした思い出に。それぞれがそれぞれに向けてのメッセージ、その日に感じたこと、見つけた風景のこと、1年後の「こんなことができていたらいいなあ」というメッセージを書き合います。お手紙は読まないまま、封筒へ。

1年後に初めて読むので、「こんなことを書いてくださっていたんだ」と嬉しい気持ちに。書いてある内容だけではなく、このお手紙を一緒に書いたことやその時におしゃべりしたことなども、よみがえってきます。

自分で自分に書いたお手紙なんですが、時を経て、郵便という誰かの手を経て届く中で、なんか魔法がかかるみたいです。子どもの頃に、「中学校を卒業したら」「20歳になったら」と、友だちと一緒にタイムカプセルを埋めたことを思い出します。
今春、昨年2019年4月13日に書いたお手紙を受け取りました。4通目のお手紙です。

この機会に、1年目、2年目、3年目、4年目と4通のお手紙を読み返してみました。まるで言葉の思い出アルバムのように、その時、その時のことを思い出すことができたんです。

「そういえば、こんなことに夢中になっていたなあ」「こういうものが好きだったなあ」と懐かしく思い出せるものがありました。今でも変わらずに夢中になっていることや好きなこともあれば、一時的なものもあります。

そういったことや出来事などから、具体的に「誰々さん」と書いていなくても思い浮かぶ、あの人やその人の存在がありました。中には、ご無沙汰してしまっている人もいて、「元気にしているかな?」と、ひさしぶりに連絡してみようかなという気持ちも芽生えました。

一年一年、さまざまな出会いがあって、離れてしまっている人たちもいます。今も変わらずつながっている人たちもいて、「ありがたいことだなあ」という気持ちが改めて。

また、自分が「こうしてみよう」「ああしてみよう」という小さな小さな決断をしていて、それが今につながっていることにも気がつきました。

もし、あの時にそうしていなかったら、今こうしていなかったかもしれないと思うから。小さなことでも「こうしたい」と思ったことをやってみることの大切を感じます。

・・・・・・など、感じたり思ったりすることが、いろいろとありました。
2020年の今年、5年目を迎えました。

昨年4月13日に会でお手紙を書いていた時は、「1年後もまた、こうしてお手紙を書いているのかなあ」なんてぼんやりと想像していましたが、今年はそうできませんでした。

想像もしていなかった「未来=今」があります。

「1年後」は当たり前にくるものではありません。私が郵便ポストに投函できない状態になっているかもしれませんし、相手に届かないこともあるかもしれません。1年、地球全体でも、個人でも、いろいろなことがあります。

今、どんなことを感じていますか?

今年もまた、1年を振り返って、1年後にお手紙を書きます。来年、無事に投函できますように。それぞれの方にちゃんと届きますように。そして、来年は集まってお手紙を書くことができていたらいいなあと願いながら。

最後に、昨年ご参加くださった池田彩さんがくださった感想を紹介します。
『今の私宛に2019年の私が書いたお手紙です。見慣れた自分の字で自分宛の郵便物が届く摩訶不思議感といったら!! とても非日常でわくわくしました。

1年前の自分のはずなのに、すごく年下に感じて「こんな小さいことで悩んでたんだなあ」って微笑ましくなりました。

あと、1年前の私が無邪気かつ純粋過ぎて(笑)。愛しくなったし、なんだか元気をもらいました。1年前の自分を目の当たりにすると、意外と精神面が成長してるんだなあと実感できたり。』
池田さん、ありがとうございます!

今年の「1年後にお手紙を書く会」は、それぞれの日常の中で書いた1年後のお手紙をお預かりすることにしました。詳細はこちら
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レターセットや絵葉書、季節の切手を見つけるたび、「誰に書こうかな?」「あの人は元気にしているかな?」などアレコレ想像してはトキメク…自称・お手紙オトメです。「お手紙がある暮らし」について書き綴ります。
小森 利絵
フリーライター
お手紙イベント『おてがみぃと』主宰

編集プロダクションや広告代理店などで、編集・ライティングの経験を積む。現在はフリーライターとして、人物インタビューをメインに活動。読者のココロに届く原稿作成、取材相手にとってもご自身を見つめ直す機会になるようなインタビューを心がけている。
HP:『えんを描く』
 
『おてがみぃと』
『関西ウーマン』とのコラボ企画で、一緒にお手紙を書く会『おてがみぃと』を2ヵ月に1度開催しています。開催告知は『関西ウーマン』をはじめ、Facebookページで行なっています。『おてがみぃと』FBページ

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