バックスター ルミ バイリンガルライフコーチ RumiBaxter 私たちが「生きる」中で、たくさんの選択をしています。 その選択は、意識したものから無意識に選んでいるもの、とるに足らない小さな選択から人生の岐路に立たされた大きな選択まで、その種類も様々。「丁寧に生きる選択」というライフスタイルは、未来へのキーワードでもあります。 |
丁寧に生きる。一杯のお茶 |
今年は秋の訪れが早く感じられます。 南部鉄の奏でる風鈴の音色は美しく、 静かに、そしてしっとりと 少しノスタルジックな気持ちを運んできます。 季節が変わり、朝一番に頂く温かい紅茶が本当に美味しい季節になりました。 紅茶の国イギリスでのティータイムは、 飲み物以上に大切な、人間関係に欠かせないライフスタイルの一部のような気がします。 「Cup of tea~一杯のお茶」という一言の中には、 複雑に色々な意味が含まれている場合があります。 「大切な話があります。」という意味合いであったり、 それが必ずしもいい話でなかった場合、 「一杯のお茶で、心を少しでも癒して。」という意味であったりもします。 病院でナースがお茶を入れてくれ、励ましてくれるのも、そういう理由からでしょう。 以前、飛行機の長旅の途中、気分が悪くなったことがありました。 その時も 「ゆっくりこのティーを飲んで」と フライトアテンダントにお茶を差し出され、 その通りにすると本当に楽になった事を今でも覚えています。 その昔、紅茶の持つ、calming effect-心を落ち着ける作用- が注目され、 茶葉が大切に取り扱われていたという話もうなずけます。 紅茶、と一言でいってもその好みは各人それぞれなので、 職場で 「お茶当番」になろうものなら大変です。 各々のマグカップをみて、その持ち主の 紅茶の濃さの好み、カフェインの有無、 ミルクの量、牛乳か豆乳か、砂糖の量を全部覚えなければいけないのですから。 そうやってたくさんお茶を入れると、そのうちミルクティーの茶色の濃淡で、 正しく入れられたかどうかが目で判断できるようになってきます。 こんな風にして、しばし家にやってくる常連のゲスト達にも、 皆さんのお好みのお茶を入れてあげられるようになるのです。 英国人はそのくらい、自分の好きなお茶の飲み方にこだわります。 よく使われるフレーズの一つに、「My cup of tea (私の一杯の紅茶) 」や 「Not my cup of tea (私の一杯の紅茶ではない) 」というのがあります。 それは自分の好みにぴったり合う、もしくは、私の好みではない、と言う時に使います。 例えば、巷で大人気の俳優がいても、ちょっと私の好みじゃないわ。という場合などに He / She is not my cup of tea. という具合に使うのです。 こうやって自分の好き嫌いがはっきりしていると、一見面倒臭さそうでもありますが、 この裏には相手の好みの違いもしっかり尊重するという大前提があります。 お茶の好みですら微妙な差があるように、私たちは皆、違います。 自分と相手の違いを尊重するということは、 自分の好みをオープンにすることで 自分のことも相手のことも知り、 相手と自分の違いを受け入れること でもあるのです。 「My cup of tea」 そこにはしっかりと 「個人の違いを尊重する」文化や心理が象徴されているようで、 大変興味深いなと思います。 私個人にとっても朝の一杯のお茶は 飲みもの以上に大切な意味があります。 朝の慌ただしい中にも、必ずティーカップ&ソーサーにお茶をいれ、いただくようにしています。 お茶を飲みながらその日の1日のスケジュールブックを見直し、 お会いする方々の顔とお伝えすることを順に思い浮かべます。 自分にとってもこうであって欲しい事、近い未来、または遠い未来のことをぼんやりと、 時にははっきりとイメージしながら、静かな時間を持って 1日をスタートさせるようにしています。 この時間を作るためには、ほんのわずかではありますが早起きします。 これからもブレックファストティータイムでの思いが一つでも叶うことを願い、 朝の時間を大切に1日をスタートできればと思います。 皆様も、是非お気に入りの美味しいお茶とともに、良い1日をスタートしてください。 |
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