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小森 利絵 フリーライター えんを描く
レターセットや絵葉書、季節の切手を見つけるたび、「誰に書こうかな?」「あの人は元気にしているかな?」などアレコレ想像してはトキメク…自称・お手紙オトメです。「お手紙がある暮らし」について書き綴ります。
おてがみじかん ライフスタイル 2025-02-19
“いつか”のわたしからの、“いつか”のわたしへのお手紙
机まわりを片づけている時に思いがけず、2022年11月1日に書いたお手紙を見つけました。昨年2024年10月末の出来事です。もう、何を書いているのかさえ思い出せなかった、このお手紙。「“いつか”のわたしへ」なんて、「めちゃくちゃ、くさいやん!」と自分につっこみながらも、小学生の頃にもこうして未来への期待に胸を膨らませ、何度か書いたことがあったよなぁと懐かしい気持ちにも。

といっても、このお手紙を書いたのは“40歳のわたし”。
書くきっかけは、2022年7月のお誕生日に、いつもお世話になっている方から「空時間の手紙」シリーズのレターセットをプレゼントしてもらったことでした。雑貨店で見つけた素敵な名前のレターセット、そばのPOPには「手紙を書く時の空を見て感じたことを書いて下さい」というメッセージが。それを見て、私に「ぴったり!」と感じ、全種類を揃えてくださり、「その時々の気持ちを自分あてに書いてみて下さいね」「自分を想い、心の居場所を作ってあげる日に」との思いも込めて贈ってくださったのです。

なんて素敵なんだろう! 「書きたい」と心が動いたその時に、自分宛てにお手紙を書こう! と、ときめいたのに、1通書いたきり、気づけば2年。しかし、読んでみると、2年の時を経て今、受け取った意味がわかるお手紙でした。

そのお手紙がこちらです。
いつかのわたしへ

こんばんは! このレターセットは今年2022年7月9日のお誕生日に、山部さんがプレゼントしてくださったもの。このレターセットに込められたコンセプトごと、プレゼントしてくれたんです。このレターセットの名前は「空時間の手紙」。さらに「手紙を書く時の空を見て感じたことを書いて下さい」というメッセージが添えられていたとのこと。そのメッセージから「その時々の気持ちを自分あてに書いてみて下さいね」と・・・「自分を想い、心の居場所を作ってあげる日にしたいものです(=誕生日)」と山部さん。その時々の自分の気持ちを、自分に宛てて書いていこう!!とときめいたんです。

・・・が気づけば、あっという間に。今日は2022年11月1日。その時にしか書けないことがある・・・心に浮かんでは消えていってしまう、いろんな気持ちや想いがある・・・ことを痛感しています。大平弘子さん著『ピロピーのオレゴン日誌 夢ひらいた90日』を読んだ影響も大きいのかなぁ。「英語国で日本語教師に」という長年温めてきた夢を60代で叶え、その日々を書き綴った一冊。
毎日ブログで書いておられたものをまとめたものです。体験した、体感した、その日のうちでしか書けないだろう、表せないだろうことが表現されていて、その生き生きした表現がとても心に残ったんです。また、1日の豊かさを感じ・・・今日という1日をしっかりと感じたい、大事にしたい。そのために、言葉として記していきたいと思いました。

それで・・・「おもいつくままnote」という紙のノートにいろいろ浮かんだことを書いたり・・・誰かと共有するためにnoteも始めようと立ち上げたり・・・この「いつかのわたしへ」のお手紙もその1つかもしれません。せき止められていた、せき止めていた、何かが流れ出すような。そんな感覚を持っています。昔・・・10代、20代後半から30代前半まではできていたこと、していたこと、それを取り戻すような、そんな感覚もあります。

・・・とつらつらと筆が進むままに書いてきましたが。たちどまって見つめる、言葉にすることで考える・・・手ばなすことでもあるのかなぁと思いながら。これから時々、私に向けてお手紙を書いてみようと思います。

それでは、またね!
2022年11月1日 22:32のわたし

空時間の手紙
「真夜中の森」をセレクト
なんかはじまりそうな予感がしたから
「あれ、自分宛てなのに、なんだか他人行儀じゃない?」と思ったかもしれません。いつかこのコラムで内容も紹介できたらと考えていたところもありますが、お手紙というツールは、自分宛てであっても、少し距離を置いて書くことができるのだと思います。封筒に入れて、いったん封を閉じるからでしょうか。読むのは“今のわたし”ではなく、“未来のわたし”。だから、少し距離を置けるようです。

本題に戻りまして、これを読んで思ったことは、ちょうど最近も「心に浮かんでは消えていってしまう、いろんな気持ちや想いがある」「体験した、体感した、その日のうちでしか書けないだろう表せないだろうことがある。それを大切にしていきたい」「昔・・・10代、20代後半から30代前半まではできていたこと、していたこと、それを取り戻すような、そんな感覚もあります」と考えていたところだったので、びっくりしました。

「そうか、『おもいつくままnote』はもう続いていないけど、もう2年前からそんなことを思っていたんだなぁ」「2024年は20代の時に出会った、懐かしい場所、懐かしい人のもとに行ってみようという思いが溢れてきて、実際に行動にも起こせたなぁ」とも。さらには、このお手紙に登場する大平弘子さんのように、私もこれまで書き綴ってきたコラムをまとめた本を自費出版しました。

もう2年前から始まっていたのだ、と。思ったことが、具体的に行動になって、カタチになっていくのに、これほどの時間がかかったということなんだなぁと思いました。同時に、思うことから始まっていく、つながっていくのだとも。「また、ここから!」と気持ちが、しゃきっとしました。

2016年から毎年春に「1年後の自分にお手紙を書こう!」という会を続けてきて、自分宛てのお手紙は8年ほど書き続けています。そうやって改まって書く時間もいいものですが、「書きたい」と心が動いた時に、自分宛てに書く。書きたいと思った“その時”の自分にしか書けないことがきっとあるからです。そのことを大切に書いて、残していきたい・・・残すことで、“いつか”の自分が読んだ時に、“この時の延長線上にいる自分”を感じられるはず、そのことがもしかしたら勇気や奮い立つ原動力になるかもしれない。

そのことは、これまでフリーペーパーをつくったりブログを書いたりする中でも実感してきましたし、今回のお手紙でもそう思いました。
2通目を2024年11月1日に書きました。書いてからしばらく経つと、びっくりするくらい、自分が何を書いたのかを思い出せません。何を書いたのが気になっちゃうくらいです。次お手紙を開く時は、どんな気持ちになるのでしょうか?
レターセット紹介
「『あなたの笑顔が見たいから』、こんなわたしたちでありたい」との想いから、オリジナルのステーショナリーや雑貨を創るメーカー「RYU-RYU」。その1シリーズが「想いをのせて贈りたくなる『空』」をコンセプトにした「空シリーズ」。今回紹介したのは「空時間の手紙」レターセットです。

さまざまな時間の、さまざまな空を、アーティストの蒼川わかさんが水彩画で表現。朝の風、真昼の旅、夕暮れの街、夜の灯、真夜中の森、夜明けの海・・・このレターセットをプレゼントされた時、娘をひとりで産んで育てようと決めた日に見た空など、思い出せる空がありました。

封筒はトレーシングペーパー製。便せんに描かれた空が薄っすらと透けて見えるのが、これまた素敵なのです。
空を見て、どんなことを思い出しますか? 思い浮かべますか? そんな思い出や思いとともに、お手紙を書きたくなりますよ。

ステーショナリー雑貨のRYU-RYU 公式オンラインショップ
https://www.ryuryu-market.jp/
「空シリーズ」はこちらから
https://www.ryuryu-market.jp/SHOP/186746/list.html
profile
レターセットや絵葉書、季節の切手を見つけるたび、「誰に書こうかな?」「あの人は元気にしているかな?」などアレコレ想像してはトキメク…自称・お手紙オトメです。「お手紙がある暮らし」について書き綴ります。
小森 利絵
フリーライター
お手紙イベント『おてがみぃと』主宰

編集プロダクションや広告代理店などで、編集・ライティングの経験を積む。現在はフリーライターとして、人物インタビューをメインに活動。読者のココロに届く原稿作成、取材相手にとってもご自身を見つめ直す機会になるようなインタビューを心がけている。
HP:『えんを描く』
 

著書『おてがみじかんで ほんの少し 心にゆとりを』

家族や友だち、仕事仲間、お世話になっている人、出会う人・・・・・・日頃、おしゃべりしたり、メールしたりして、気持ちや思いを伝え合っているつもりでいても、心に秘めたままのものがあったり、言葉にするのをためらっているものがあったりするものです。中には、自分でも気づけていない気持ちや思いもあるでしょう。

お手紙は、日頃は言葉として出てこない気持ちや思い、それに気づいて、認めて、改めて伝えるきっかけをくれるような気がします。なぜなら、お手紙を書く時間というのは、相手に思いを馳せて向き合うとともに、自分自身とも向き合うことになるからです。

お手紙を書くこと、やりとりすることで、「あ、わたし、こんなことを思っていたんだ」「あの人、こんなことを思ってくれていたんだ!」「あの出来事、こういうふうに感じていたんだ」と気づく機会となり、再びコミュニケーションを重ねていく“はじまり”のきっかけにしませんか?

本書は、著者の日常にある“お手紙というものがある時間”について書き綴ったエッセイです。この本を読んで、「あの人、元気にしているかな?」「あの人に改めて『ありがとう』という気持ちを伝えたいなぁ」など、ふと顔が思い浮かんだ“あの人”にお手紙を書いてみようかなぁと思っていただけたら嬉しいです。⇒amazon
 

『おてがみぃと』

『関西ウーマン』とのコラボ企画で、一緒にお手紙を書く会『おてがみぃと』を2ヵ月に1度開催しています。開催告知は『関西ウーマン』をはじめ、Facebookページで行なっています。⇒『おてがみぃと』FBページ

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