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バックスター ルミ バイリンガルライフコーチ RumiBaxter 私たちが「生きる」中で、たくさんの選択をしています。 その選択は、意識したものから無意識に選んでいるもの、とるに足らない小さな選択から人生の岐路に立たされた大きな選択まで、その種類も様々。「丁寧に生きる選択」というライフスタイルは、未来へのキーワードでもあります。 |
抒情詩 |
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梅雨の安定しない気候の中、皆様いかがお過ごしでしょうか。
今月の初め、兵庫県立文化芸術センターで開催されたピアニスト山本貴志氏の公演に行く機会がありました。 前半では「軽やかで華麗」なショパン、後半ではラフマニノフによる「悲痛な心の叫び」が熱演された当日のプログラムは、実に好対照的であり、会場のエネルギーが包見込まれるようにデザインされたすり鉢型の小ホール、そこに響いた「魂の声」が、私を含め観衆の心の奥深いところに触れたと感じた一夜でした。 ラフマニノフ(1873-1943) がわずか20代前半で16番目の作品として生み出した「楽興の時」。それは Six moments musicaux との原題を持ち、「音で表現する6つの瞬間」とでも訳せましょうか。 ラフマニノフ生誕150年目に当たる今年ですが、曲の冒頭から染み渡る悲痛な声、不条理が生み出した悲哀、それを受け入れる覚悟、そして前へ進むことを宣言するかのような希望のしめくくり、そこには複雑な心情ながら、150年という年月が経っても人類共通の奥深い抒情詩が描かれていると感じました。 曲の持つ重厚な悲痛な声は作曲家そのものの声でしょうし、もちろんその全てを分ち合うことなどできるとは到底思えません。しかし、行き場のない心のざわめき、受け取りたいのに受け取ることのできない問いと答え、不安やメランコリーの源が幾度となく形を変えて襲ってくる不安、それらの行き場のない疾走が、時にうねりながら、時に緩やかに、波となって押し寄せてくる様子が表された楽曲の中、それらの瞬間に、今を生きる私はどこかで共感しているのではと感じました。 そして、嵐のうねりの後に存在する、まるで包み込むように、苦悩を溶かし受け入れてくれる穏やかな光の存在。その後の威厳を持った決意、そこにある希望にこそ心が動かされるのだと感じた夜でもありました。 技巧的な面はもちろん、このような抒情詩の持つ内省のドラマを一台のピアノだけで表現されたアーティスト、山本貴志氏の演奏には深く心打たれるものがありました。 私はこの先もこの様な共感の感動、希望への期待を求めてコンサートホールに足を運ぶのかもしれません。 |
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バックスター ルミ
バイリンガルライフコーチ 心理カウンセラーのバックグラウンドをいかし、英会話講師として「コミニケーションレッスン」を展開中。 半生を英国、ヨーロッパのライフスタイルに関わってきたことから、それらの経験をもとに独自のレッスンを提供している。「五感+plus」を使ってコミュニケーション能力を磨くレッスンは、本格的英国サロンで行われている。 RumiBaxter BROG:http://ameblo.jp/rumi-b/ |
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