HOME  前のページへ戻る

藤田 由布 婦人科医 医療法人 大生會 さくま診療所(婦人科)
生理痛は我慢しないでほしいこと、更年期は保険適応でいろんな安価な治療が存在すること、婦人科がん検診のこと、女性にとって大事なこと&役に立つことを中心にお伝えします。
婦人科医が言いたいこと 医療・ヘルシーライフ 2022-10-27
【婦人科漫談セミナー】講演会でよく聞かれる質問〜かんたん解説〜その③
私は2021年から「婦人科漫談セミナー」と題して女性の健康の啓発活動で、全国津々浦々、講演会をして巡っています。

大学、高校のほかに、企業団体や保険会社や、面識ない方からのご依頼にも出向きます。あちこちで行う講演会で受ける質問は大変貴重です。私の日々の診療にとっても大変有意義であり、皆様からのご意見やご相談は大変勉強になります。

おもしろいのが、私の経歴についても質問を受けることが多々あることです。
【質問】
生理痛はひどい人と全く生理痛がない人などがいますが、それはどうしてでしょうか?生理痛は遺伝しますか?
【回答】
生理痛は遺伝ではなく、体質によるものです。

生理痛の原因は、子宮内膜の増殖によって子宮から放出される痛み成分「プロスダグランジン」と、それによって引き起こされる子宮の収縮運動によるものです。

子宮は平滑筋からできており、まるで別の生き物かのように、むぎゅむぎゅっと子宮は動いているのです。この収縮運動の強さや、子宮から放出されるプロスダグランジン成分の量は個人差があります。これらによって生理痛の強弱が変わってきます。

生理痛を撃退する方法はいろいろとあります。 どんどんと生理痛がひどくなる場合は、はやいうちに婦人科を受診してくださいね。
【質問】
私はめったに病院に行くことがありません。でも、私は普段から、腹痛がよくあります。食べ過ぎた時の胃の荒れ以外にも下腹部が痛むことがありますが放っておいてしばらくすると治ります。そのため、結局病院に行かずに終わるのですが、腹痛での受診はどの程度の痛みを感じてからいくのが良いでしょうか?
【回答】
腹痛が起こる時にいつも鎮痛薬を必要とするくらいの疼痛ならば、はやめに婦人科を受診することをお勧めします。内膜症や卵巣腫瘍が増悪している場合も考えられるので、放置するのはあまりよくありませんね。または消化器内科系のトラブルかもしれないので、便の色に変化があったり、胃痛などの疼痛が続く場合ははやめにご相談くださいね。
【質問】
良い産婦人科医の見分け方のスライドで丁寧さや環境に関する見分け方はありましたが、手術などの腕の良さを見分ける方法はありますか?
【回答】
良い質問です。腕の良い外科医の見分け方は、私も知りたいです。 ただ、これだけは言えるのは、あなたの信頼する医師が紹介するのなら、きっとその紹介先の医師のことは信頼できるでしょう。
【質問】
どうしても産婦人科に行くのは恥ずかしいです。敷居が高すぎて行けません。
【回答】
安心して私の婦人科外来にいらっしゃい。その際に「婦人科はじめて来ました」と一言いってくれれば、うちのスタッフも私もみんなで全力でアットホームな雰囲気で和ませて怖くないようにしますよ。うちは、笑顔で帰っていく初めての患者さんも多いです。

どんな些細なことでもなんでも相談してくださいね。
参考に以下のコラムもご参考くださいませ。
婦人科のカーテンの向こう側…
婦人科のカーテンの向こう側…第2弾
【質問】
ブライダルチェックと、婦人科検診の違いは何ですか?
【回答】
とても良い質問です。

婦人科検診は「子宮頸がん検査」を指すことが多いです。オプションで超音波検査やHPV検査がある場合も。クリニックによってはベルトコンベアー式で検査が進み、医師と会うことなく、子宮頸がん検査のみサササーって終わっていくところもあります。婦人科検診の際に、婦人科疾患で気になることを相談できるクリニックだと良いです。婦人科検診の時に何を聞いても、「それは別日に外来を受診してください」と言われてサヨナラーって場合は残念な検診ですね。。。

ブライダルチェックは主に、安全に妊娠できるか、胎児に影響がないかなどの要素が含まれてきます。妊娠中に風疹に感染すると赤ちゃんが難聴になってしまうので、風疹抗体価が低い場合は妊活する前に風疹ワクチンを接種することを推奨します。

ブライダルチェックは、だいたい以下の検査が含まれています。
・超音波検査
・子宮頸がん検査
・感染症検査(クラミジア、淋菌、トリコモナス)
・その他感染症検査(HIV、B型肝炎、C型肝炎など)
・HPV検査
・風疹抗体検査
・内科的一般血液検査
【質問】
避妊に失敗しているのではないかと気になることが多々あります。失敗しない方法が知りたいです。
【回答】
これはすごく良い質問です。
まずは、失敗率の低い避妊方法を知っておくのが大事ですね。

添付の一覧からわかることは、コンドームよりも低用量ピル(避妊ピルのこと)の方がちゃんと避妊できるようです。当たり前ですが、今後妊活を考えている女性には、避妊手術といった選択はないです。

生理がちゃんと周期的に28日ごとにくる女性は、排卵時期もわかりやすいので、排卵日の前後1週間はちゃんと避妊しないといけないことは分かりますよね。

ただ、生理不順の女性は「いつが排卵日かわからない」ことが多いので、常に避妊をしておかないといけません。
ただ、これは知っておいてください。避妊に失敗しても「アフターピル」があります。避妊に失敗した性行為から72時間以内に内服すると妊娠が回避されます。WHOは「緊急避妊ピルを内服してはいけない年齢などない。緊急避妊ピルは安全なものである」といっています。
【質問】
性病は先天性ですか?後天性ですか?
【回答】
後天性です。性的接触によって感染するのが「性感染症」なので、生まれつき性病というのは有り得ませんね。
【質問】
いまいち緊急用避妊ピルを信用出来ないのですが、あの小さい錠剤1個で、どうやって避妊できるのですか?
【回答】
アフターピル(緊急避妊ピル)とは避妊に失敗した、または避妊せずに行った性交後72時間以内に緊急的に用いる避妊薬です。
内服が早ければ早いほど避妊効果が高くなります。私は効果が高く副作用の出現が低いレボノルゲストレル法を推奨しています。レボノルゲストレルという薬を性交後72時間以内に1錠服用することで妊娠が回避されます。妊娠阻止率は約95%と言われています。

妊娠の不安を抱えたまま次の生理が来るまで過ごすのはつらいことですよね。
【質問】
疲れている時に陰部が痒く感じる時があるのですが、これは普通なのでしょうか、それとも何か病気の可能性があるのでしょうか?
【回答】
デリケートゾーンの痒みに関しては、おりもの、匂い、腫れなど総合的に診察します。 なので、こればかりは診察してみないと、どの程度のものか分からないので、痒みが持続するのであれば一度婦人科にいらしてください。
ご参考までにこちらもご参考ください。
なかなか人に聞けないデリケートゾーンの悩み
【質問】
今回の講演は大学生に対しても必須だと思いました。ですが、特に高校生が聞いとくべき内容だと思いました。高校生に対してもこの講演は行っていますか?
【回答】
私は休みの日は講演会で全国を巡っています。高校や大学へはボランティアで講演会しています。 体育教師を育成している大学でも講演会を行いました。去年から100回以上は講演をしていますが、私一人ですべての学校に出向くことは不可能です。
それぞれの保健体育の先生らが女性の健康に関して学校教育で学ぶ機会を作ってほしいと思っています。

性教育という名の授業は日本では殆ど皆無です。性教育がダメなら、健康教育という名のもとでもいいので、性にまつわる大事なことを中高生の時からちゃんと学んでほしいです。

あとは、生理痛を放置してはならないことも若い時からちゃんと知っておいてほしいです。昔は、生理痛は我慢しろという暗黙の圧力がありましたからね。
【質問】
食事などの普段の生活で何か体調管理のためにできることはありますか?
【回答】
美味しいものを楽しく食べ、よく寝て、よく笑うことが大事です。
「婦人科漫談セミナー」講演会でよく聞かれる質問 その④へ続く・・・
profile
全国で展開する「婦人科漫談セミナー」は100回を超えました。生理痛は我慢しないでほしいこと、更年期障害は保険適応でいろんな安価な治療が存在すること、婦人科がん検診のこと、HPVワクチンのこと、婦人科のカーテンの向こう側のこと、女性の健康にとって大事なこと&役に立つことを中心にお伝えします。
藤田 由布
婦人科医

大学でメディア制作を学び、青年海外協力隊でアフリカのニジェールへ赴任。1997年からギニアワームという寄生虫感染症の活動でアフリカ未開の奥地などで約10年間活動。猿を肩に乗せて馬で通勤し、猿とはハウサ語で会話し、一夫多妻制のアフリカの文化で青春時代を過ごした。

飼っていた愛犬が狂犬病にかかり、仲良かったはずの飼っていた猿に最後はガブっと噛まれるフィナーレで日本に帰国し、アメリカ財団やJICA専門家などの仕事を経て、37歳でようやくヨーロッパで医師となり、日本でも医師免許を取得し、ようやく日本定住。日本人で一番ハウサ語を操ることができますが、日本でハウサ語が役に立ったことはまだ一度もない。

女性が安心してかかれる婦人科を常に意識して女性の健康を守りたい、単純に本気で強く思っています。

⇒藤田由布さんのインタビュー記事はこちら
FB:https://www.facebook.com/fujitayu
医療法人 大生會 さくま診療所(婦人科)
〒542-0083 大阪府大阪市中央区東心斎橋1-14-14 T・Kビル2F
TEL : 06-6241-5814
https://www.sakumaclinic.com/

藤田 由布  婦人科医が言いたいこと  コラム一覧>>
おすすめのコラム
医療・ヘルシーライフ
オーラルフレイルを予防しよう
阿部 純子
歯科医師
じゅん矯正歯科クリニ…
医療・ヘルシーライフ
歯石は自分で取れる?
阿部 純子
歯科医師
じゅん矯正歯科クリニ…
医療・ヘルシーライフ
歯がキーンとしみたら
阿部 純子
歯科医師
じゅん矯正歯科クリニ…
コラムのジャンル一覧



@kansaiwoman

参加者募集中
イベント&セミナー一覧
関西ウーマンたちの
コラム一覧
BookReview
千波留の本棚
チェリスト植木美帆の
[心に響く本]
橋本信子先生の
[おすすめの一冊]
絵本専門士 谷津いくこの
[大人も楽しめる洋書の絵本]
小さな絵本屋さんRiRE
[女性におすすめの絵本]
手紙を書こう!
『おてがみぃと』
本好きトークの会
『ブックカフェ』
絵本好きトークの会
『絵本カフェ』
手紙の小箱
海外暮らしの関西ウーマン(メキシコ)
海外暮らしの関西ウーマン(台湾)
海外暮らしの関西ウーマン(イタリア)
関西の企業で働く
「キャリア女性インタビュー」
関西ウーマンインタビュー
(社会事業家編)
関西ウーマンインタビュー
(ドクター編)
関西ウーマンインタビュー
(女性経営者編)
関西ウーマンインタビュー
(アカデミック編)
関西ウーマンインタビュー
(女性士業編)
関西ウーマンインタビュー
(農業編)
関西ウーマンインタビュー
(アーティスト編)
関西ウーマンインタビュー
(美術・芸術編)
関西ウーマンインタビュー
(ものづくり職人編)
関西ウーマンインタビュー
(クリエイター編)
関西ウーマンインタビュー
(女性起業家編)
関西ウーマンインタビュー
(作家編)
関西ウーマンインタビュー
(リトルプレス発行人編)
関西ウーマンインタビュー
(寺社仏閣編)
関西ウーマンインタビュー
(スポーツ編)
関西ウーマンインタビュー
(学芸員編)
先輩ウーマンインタビュー
お教室&レッスン
先生インタビュー
「私のサロン」
オーナーインタビュー
「私のお店」
オーナーインタビュー
なかむらのり子の
関西の舞台芸術を彩る女性たち
なかむらのり子の
関西マスコミ・広報女史インタビュー
中村純の出会った
関西出版界に生きる女性たち
中島未月の
関西・祈りをめぐる物語
まえだ真悠子の
関西のウェディング業界で輝く女性たち
シネマカフェ
知りたかった健康のお話
『こころカラダ茶論』
取材&執筆にチャレンジ
「わたし企画」募集
関西女性のブログ
最新記事一覧
instagram
facebook
関西ウーマン
PRO検索

■ご利用ガイド




HOME