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藤田 由布 婦人科医 レディース&ARTクリニック サンタクルス ザ ウメダ
生理痛は我慢しないでほしいこと、更年期は保険適応でいろんな安価な治療が存在すること、婦人科がん検診のこと、女性にとって大事なこと&役に立つことを中心にお伝えします。
婦人科医が言いたいこと 医療・ヘルシーライフ 2022-09-22
学生の頃から女性の健康教育を
不妊治療が保険適応になりました
この4月から不妊治療が保険適応となり、私の勤務するクリニックでの肌感としては昨年と比して5倍以上の女性が不妊の相談に訪れるようになりました。

43歳以上は保険適応の対象とならないため、30代後半の女性らが「やっぱり子供がほしい」と初めて不妊治療を希望される方も少なくありません。

保険適応となり費用はうんと敷居が低くなりました。大まかな計算ですが、人工受精は2万円くらいだったのが5千円程度、体外受精は50万円くらいだったのが15万円程度と、今までの超高額なイメージからは一転したため「保険適応になるなら不妊治療に挑んでみよう」と感じる患者さんが増えたように思います。

このような患者さんのなかで、不妊治療のためにはじめて婦人科へ訪れた女性も少なくありません。婦人科検診にも行ったことがない女性も大勢いらっしゃいます。
今、大事なことに直面しています
不妊治療がきっかけで初めて婦人科を訪れる女性が多いことで気付いたことがあります。

昔からの生理痛や生理不順を放置してきた女性が多いことです。

「生理痛は病気じゃない、我慢して乗り切るのが当然」

毎月オムツほどのナプキンを使用するくらい経血量が多くても、他人と比べたことがないため、こんなものなんだろう、と見過ごしてきた可哀想な女性たちが実にたくさんいます。

ひどい生理痛は放置すると後々に子宮内膜症を発症したり、毎月の多い経血量で長年にわたり慢性貧血になっていたり、シンドイ生理は子宮にとって有害であることが余りにも知られていない現状に直面しています。

生理痛は大丈夫ですか?の質問に、ほどんどの女性は「毎月、鎮痛薬使っているからなんとか大丈夫です」と返ってきます。

これは大丈夫ではありません。

中高生の時から生理痛や過多月経ぐらいで体育の授業を休むなと言われ、我慢は当然と盲目的に強制されてきた多くの女性たちが子宮内膜症などを発症して、今、不妊治療を受けています。
学校で何も教えてもらっていない日本の女性たち
日本の学校教育は性教育を殆どしていません。子宮頸がんのこと、緊急避妊ピルのこと、性暴力のこと、予期せぬ妊娠の対応のことなど、日本の女性は自分のカラダを守る術を何も教えてもらっていません。

性教育という言葉が受け入れられないのなら、せめて、女性の健康教育という名の下で最低限の知識を学ぶきっかけを学校教育で設けていただきたいです。

知らないことが問題ではない、知らされていないことがもはや問題である、と、私はこのように日々の婦人科診療で強く感じます。
生理痛は絶対に放置しないで
ツライ生理痛にはちゃんと治療方法があります。

低用量ピルにもいろんな種類があり、血栓症のリスクがある人には血栓の原因となるエストロゲンが含有されていない安全なピルもあります。これらはPMS(月経前症候群)にも効果があり、安全に内服を継続するために婦人科医の診療を受けながらその女性に適した治療法を模索します。

ツライ生理によって生活の質が脅かされている女性が多すぎる昨今、学生の頃から「我慢を当然」とせずに安心して婦人科を受診してほしいと切に願います。

そして、長い生涯にわたって女性が元気に健康にすごせるカラダと心をつくるためにも、若い学生の頃から自分の健康につて正しく理解することが大切です。

将来、悲しく辛い思いをする女性を少なくするために、学校教育で女性の健康について出来ることが無限にあると思います。
profile
全国で展開する「婦人科漫談セミナー」は100回を超えました。生理痛は我慢しないでほしいこと、更年期障害は保険適応でいろんな安価な治療が存在すること、婦人科がん検診のこと、HPVワクチンのこと、婦人科のカーテンの向こう側のこと、女性の健康にとって大事なこと&役に立つことを中心にお伝えします。
藤田 由布
婦人科医

大学でメディア制作を学び、青年海外協力隊でアフリカのニジェールへ赴任。1997年からギニアワームという寄生虫感染症の活動でアフリカ未開の奥地などで約10年間活動。猿を肩に乗せて馬で通勤し、猿とはハウサ語で会話し、一夫多妻制のアフリカの文化で青春時代を過ごした。

飼っていた愛犬が狂犬病にかかり、仲良かったはずの飼っていた猿に最後はガブっと噛まれるフィナーレで日本に帰国し、アメリカ財団やJICA専門家などの仕事を経て、37歳でようやくヨーロッパで医師となり、日本でも医師免許を取得し、ようやく日本定住。日本人で一番ハウサ語を操ることができますが、日本でハウサ語が役に立ったことはまだ一度もない。

女性が安心してかかれる婦人科を常に意識して女性の健康を守りたい、単純に本気で強く思っています。

⇒藤田由布さんのインタビュー記事はこちら
FB:https://www.facebook.com/fujitayu
レディース&ARTクリニック サンタクルス ザ ウメダ 副院長
〒530-0013 大阪府大阪市北区茶屋町8-26 NU茶屋町プラス3F
TEL:06-6374-1188(代表)
https://umeda.santacruz.or.jp/

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