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ガードナー 瑞穂 英会話講師エージェント 英会話アルテミス
アメリカ人の夫と今年で国際結婚生活11年目。2児の母。フロリダ ディズニーワールドにて勤務4年。日本へ帰国後、生まれ育った関西北摂地域で英会話講師のエージェントの仕事の傍らイラストレーターとして活動中。母として、働く女性として、アーティストとして3つの視線から書き綴る心のコラム。
いつも心に太陽を ライフスタイル 2017-04-19
天使
今までの人生を思い返した時に、わたしがピンチの時に天使のように助けてくれた人という人が何人もいることに気がつきます。

そういう風にすれ違っていった天使のような人たちのことを考えていると、あれは本当に人間だったのか?いや本当の天使だったのではあるまいか?本当に起きたことではないような不思議な感覚にとらわれます。

最近もそんなことがありました。私の住んでいるマンションで火事が起きた日のことでした。

平日のお昼前の時間帯で、夫はパソコンに向かい書き物をしていて、子供達はゴロンと寝そべってTVを観ていて、私は洗濯を干し終わり、家族全員パジャマのままの姿だったので、そろそろ子供達から着替えを始めようかと思ったちょうどそんな時。

夫が「うちのマンションが火事だと思う!外にたくさんの消防車がいる!煙に囲まれている。どうしよう!」と部屋から顔色を変えて飛び出して来ました。

「どうしようって逃げるしかないでしょう!」と言って、とにかく子供達を小脇に抱え、携帯をポケットに入れ、財布の入ったバックを斜めがけして、パジャマのまま家族4人家から外に飛び出しました。

外では同じマンションに住んでいる人たちが、私たちと同じように、黒い煙が勢いよく生まれ出る部屋の方向を不安な顔で見つめていました。何分ほど立っていたのか全く覚えていないのですが、少なくとも30分は立っていたと思います。

息子が心配そうな私の顔を、何とか笑顔にしょうと、私の顔の前でおかしな顔をして見ては、ねえママ笑って!ねえママ笑って!とずっと話しかけてくれていましたが、それに笑顔で答える余裕はその時の私にはなかったことを覚えています。今から考えると、私の顔も体も、恐怖とショックで硬直していたのかもしれません。

そんな時、「こんなところで立って待っているより、うちの家にきませんか?」と、初めて会う、先月隣のマンションにオーストラリアから越してきたという男性と、その子供達に笑顔で声をかけてもらいました。

突然そんなご招待を受け、躊躇している私たちに、「引っ越してきたてで、家の中は箱だらけだしひっくり返っているけど、駐車場で煙の中突っ立っているよりは、僕の家の方がまだましだと思うんだけど」とユーモア混じりに言っていただき、子供達も怖がってきていたし、パジャマのまま家族で行けるところもないし、その親切なお言葉に甘え、その方にお家で火事が収まるのを待つことにしました。

子供達はおうちに入るやいなやすぐに仲良くなり、火事なんかそっちのけで追いかけ周り遊び始めました。結局この方の家で、お茶やお菓子やお昼ご飯までご馳走になり、数時間かかりやっと火が完全に消え、家の中に入る許可が出されるまで5時間ほどずっとお世話になりました。

私たちの住んでいる部屋の反対側の建物が火事になったったので、私たちの部屋には何も被害がなかったのですが、家が全焼された家族の方、他に被害に遭われたたくさんの方たちの色々な思いを考えると胸が痛みます。

火事の次の日、仲良くしている同じマンションのとても明るい女性が、火事以来ずっと震えがとまらないと話していました。私もあの日以来、火事の起こり逃げる夢ばかり見て目を覚ますようになりました。

こんなことが自分の身に起きて初めて、震災などで恐怖体験のトラウマに苦しんでいる方たちの心が理解でき、初めて共感できたように思います。

そしてあの日以来、今回出会った親切な男性のように、このような災害時に困っている人への親切心、そしてそれをすぐにアクションに起こすということが、もし自分が反対の立場であった時にできるだろうか?できただろうか?と自問自答せずにはいられなくなりました。

部屋が散らかってるし、初対面だし、とネガティブに行動に移さない理由はどんどん掘り出せます。それに納得して見て見ぬ振りをするのはとても簡単です。でも彼はとても当たり前のように親切の手を差し伸べてくれた。とてもスムーズにそしてとても自然に。

すごい人やなぁと、何度考えても彼の瞬発力のある寛大な優しさに感心してしまいます。自分が同じ行動ができたかといえば、やってあげたい気持ちはあれど、あんな風に自然に相手に気を使わせずにアプローチできる可能性は残念ながら低いように思います。

この日のことをきっかけに、私も天使のような行動を誰かに取れるようになろうと思いました。そして彼からいただいた天使のバトンを次の方に渡してゆこうと思います。
ガードナー 瑞穂
アメリカ人の夫と今年で国際結婚生活11年目。2児の母。 フロリダ ディズニーワールドにて勤務4年。 日本へ帰国後、生まれ育った関西北摂地域で、英会話講師のエージェントの仕事の傍ら、 イラストレーターとして活動しています。コラムに掲載しているイラストのサイトはこちら
英会話アルテミス
豊中と箕面のカフェで習うマンツーマン英会話。お洒落なカフェレッスン。レッスンは毎回払い。
HP:http://www.eikaiwa-artemis.com/

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