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バックスター ルミ バイリンガルライフコーチ RumiBaxter 私たちが「生きる」中で、たくさんの選択をしています。 その選択は、意識したものから無意識に選んでいるもの、とるに足らない小さな選択から人生の岐路に立たされた大きな選択まで、その種類も様々。「丁寧に生きる選択」というライフスタイルは、未来へのキーワードでもあります。 |
何を真実と見るか |
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大阪は暑い日が続いていますが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。 夏の休暇を計画されている方も多いと思います。 今シーズンは、初夏から今月にかけ、いくつかの展覧会に行く機会に恵まれました。 特に京都で開かれているダリ展は、あまりの興奮に二度も足を運んだほどです。 二度目には、初回には目に入らなかった、色やテクスチャーが目に飛び込み、自分でも不思議に思いました。ダリのような天才の描く世界観は、きっと何度鑑賞しても分かり得ない深さ、新しい発見があるのだろうと、更に感銘を受け、妙に納得して戻ってきました。 私たちは日々、様々な媒体を通し、実に色々なものを目にしています。行ったこともない場所、口にしたこともない食べ物、会ったこともない人々、ソーシャルネットワークという媒体は、それらを実にリアルに私たちに近づけてくれます。まるで温度差さえ伝わるように、私たちを未知への経験へと招いてくれます。 ソーシャルネットワーク上では、写真や文章に、画像処理、エディティングが行われ、かつてはプロの写真家の領域だったであろう味付けが実も簡単にできるようになった様です。取られた写真がさらに陰影を持ち、湯気を上げ、まるで匂いまで作り出してくれるかのようにストーリーを展開させています。 そのように文字が、画像がさらに深いパーソナリティーを持つことができるのは、すごいことです。アマチュアカメラマンの私は、ただただ驚くばかりです。その技術の進展はすさまじく、まるで誰もそのスピードに追いつくことができない感じさえします。 私たちは日々、そのシェアーされた情報や画像の膨大な量に取り囲まれているのです。 ソーシャルネットワークという媒体の中で目に入る画像の量も半端ではありません。 たくさんのコピーもフェイクも、そこで演じられているドラマも、どれが本当でどれがオリジナルなのかを気にすることすら、もはや時代遅れなのでしょうか。 時に、ソーシャルネットワークという言葉にアイロニーを感じます。 ソーシャル(社会的) というより、コマーシャル(商業的) ネットワーク化され、お互いのビジネスの宣伝のために次から次へと Like が繰り返されている様子は日常的です。このような量の情報、画像、文化にさらされて、私たちは実際どれだけのものを「観ている」のだろうか、と常々感じます。 見る、と言っても英語では単純に二つの違う単語を使い分けます Look:見る See: 読み取り、見る、理解する People often just look at things, but they rarely see them deeply. 表面的なものを見ることがあっても、深く読み取ることは稀である 展覧会という非日常のスペースでは、私は少なくとも「観ようとしている」自分に出会うことができます。そしてその「観ようとする努力」とは、絵画、アーティストを介した、自分自身との会話の時間に他ならないなのです。 商業的目的が少ない展覧会に足を運ぶ、ということは、ピュアーに自分と会話をする時間を作るという、豊かな時間が約束されています。その時は静寂の中、ゆっくりと流れます。 私はその時間のために展覧会に足を運ぶのではなかろうか。という気がします。 1920年代パリに生まれた、Surrealism (英語ではサーリアリズム、フランス語ではシューリアリスム ) を通して、ダリの訴えかけた、非日常の、「真実と思われていること」の上も、矛盾も、その下に隠されている自分自身の潜在意識も見てごらん、という声は展覧会場中に満ちているようでした。 以前、ある生徒の方が、「私は真実を知りたいんです」と心のこもった手紙を書いてくださいました。その時の返事の中、「真実などないのと同時に、すべてが真実でもあるのです。何を真実と見るかは結局は自分次第なのです」とお返事しました。展覧会の間、私はその彼女の顔を思い出していました。 普段、リアリティーだと思い信じていることは、結局は私たちが一体何を見て、そこから何を深く読み取れているか尽きると思います。そしてその過程は自分との会話によってもたらされるのだと思います。 いったい何が真実で、いったい何を信じているのだろうか。 この問いは結局は自分自身の潜在意識がもたらしているに過ぎないのかもしれません。 ダリのアートに答えがない様に、真実とは何か、に答えがないのかもしれません。 |
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