こころってなんだろう(ほそかわてんてん)
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![]() 大人になってみて読んだとて全然遅くはない こころってなんだろう
ほそかわてんてん 先日、辞書編纂者の方を取材した「プロフェッショナル」の再放送があり、たまたま視聴しました。そこでは、言葉は心を伝えるもの、という前提にたって、一つ一つの言葉に真摯に向き合っておられるお仕事の現場が伝えられていました。
では、今回ご紹介する作品のタイトルにもあるように、そもそも「心」とは、なんでしょうか。 細川貂々さんは、児童書のお仕事も手がけておられますが、基本、漫画家さんです。これまで様々な作品やお仕事を通して、心のあり方や心身のケアのこと、人と人との関わりなどのテーマを扱ってこられました。 実は10年以上、公私ともにお世話になっておりまして、随分前から「いつか子供たちに向けた作品を自分の言葉と絵で創作したい」との目標を常々お聞きしていました。 念願叶ってこの作品が出版されたとき、私もとっても嬉しかったのを覚えています。 おそらく私たちは、子供の頃、相手の気持ちになって考えることについては、とても丁寧に教えられてきました。 だけど、自分の気持ちと向き合う方法については、ほとんど教わる機会がなかったように思います。 相手の気持ちになって考えることと同じくらい、自分の気持ちと向き合うことが大切なことはもちろんなんだけど、この作品では、それとも少し違うアプローチがあるように思います。 それは、まず自分の心の状態が日々違っていたり、様々であることをよく理解していけば、相手の気持ち(心の状態)にもごく自然に理解を寄せることができるのでは?というものです。 普段のコミック作品でも、読む人に寄り添うように、柔らかい表現をされる作家さんです。 「心」という、つかみどころのない存在をテーマにすることは、大人に向けた言葉で説明するのも、きっと難しいはずって思います。 それが、子供たちにもわかりやすいようにとの思いで作られたこの作品では、余白の多いシンプルな構成と、親しみやすい絵と、子供たちに無理なく理解できるやさしい言葉とで、漫画家さんならではの表現も用いながら、非常にわかりやすくまとめられているんです。 ああ、私が子供の頃にも、この本があったらよかったのに!と強く思いましたけれど、今、ええ大人になってみて読んだとて、全然遅くはないんです。この先自分の未来が少しでも心地よくなれば、それで充分。 あ、この作品の第二弾として「みらいってなんだろう」という作品もあります。そちらも合わせてお楽しみ下さいね。 子供たちに「大丈夫だよ」って伝えたい。一つ一つの言葉と絵から、細川貂々さんの心までも伝わってくる作品です。 細川貂々さんは、3月8日から12日まで、大阪・北堀江のアートハウスさんで作品展をされます。本作品もご覧になれるはずなので、ぜひおでかけ下さいね! こころってなんだろう
ほそかわてんてん(著) 講談社 ![]() 恒松 明美
ギャラリーリール(GALLERY RiRE)店主 小説なら1日。映画なら2時間。絵本なら、長くても15分くらいでしょうか。 それでも小説や映画に負けないくらい、心が満たされる絵本があります。 毎日、時間がたりない…。そんな、忙しく働く女性にこそ、 絵本はよきパートナーとなってくれると思います。 毎日窮屈だな。ちょっと背伸びしてばかりだったかな。 「心の凝り」が気になる時におすすめの、絵本をご紹介します。 ギャラリーリール(GALLERY RiRE) |
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