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自分を信じる力(福岡堅樹)

子育てにも役立ちそう

自分を信じる力
福岡 堅樹(著)
福岡堅樹さんは元 ラグビーワールドカップ日本代表であり、現在は医学部に在学中。

ラグビー選手だった時から、将来は医師になりたいと公言していらっしゃいました。

そして実際に、現在は順天堂大学医学部で勉強をなさっています。

なんという超人!

私は、こういう方は生まれ持った才能が違うのだ、全く別次元の人なのだ、と、ずっと思っていたのですが、『自分を信じる力』を拝読すると、福岡さんも人間であり、挫折を味わったこともあり、ただ才能だけで現在があるわけではないことがわかり、一気に親しみが湧きました。

この本は大きく二つに分かれます。

ラガーマンとしての努力や成功について書かれた前半と、勉強や努力の仕方、目標の立て方、達成までの道筋が書かれた後半です。

前半で心に残ったのは、
自分の行動を「言葉」にする習慣をつくる
(福岡堅樹さん『自分を信じる力』 P36より引用)。
福岡さんはどうしてこんな行動をしたのか、どうしてこんな反応をしてしまったのか、その行動の基底にある自分の感情の流れなどを言語化する習慣を大切にしているそうです。

それによって冷静に自分を見つめることができ、次の行動に移ることができる、と。

人間は計算だけで行動するわけではありません。

喜怒哀楽、色々な感情に流されて行動してしまうこともあるはず。

しかも自分ではそれに気がついていないこともある。

それをきちんと言語化すれば、自分を突き動かしていたものがわかり、客観視できるようになり、失敗が少なくなるのでしょう。

私に欠けている部分なので、とても心に残りました。

一方で、共感できたのは
異なるジャンルの知識や技術を生かす
(福岡堅樹さん『自分を信じる力』 P150より引用)
福岡さんは中学3年生まではピアノを習い、高校時代にはバンドを組んでドラムを担当していたのだとか。

音楽とラグビー、一見無関係のようですが、福岡さんは、音楽の経験で身につけたリズム感が間違いなくラグビーに生かされたとおっしゃっています。

例えば、ボールを持って走っているとき、自分のリズムをコントロールすることで、相手のリズムを崩して、ダッシュすることができたそうです。

また、ピアノの練習に励んだおかげで、指と指の間が大きく開くようになったため、ラグビービーボールをしっかりと握ることができたとか。

よく「人生には無駄な経験は何一つない」と言いますが、まさにそれで、自分の夢とは全く関係ないと思うようなことでも今直面していることを一生懸命やることが将来のためになる、と言えるのかも。

他にも参考になることがいっぱいでしたが、最後に子育てにも応用できると思った項目をご紹介します。
「弱み」は視点を変えて「強み」にする。
(中略)
例えば、場合によって「優柔不断」は「柔軟性」に、「意志の強さ」は「融通の利かなさ」に転じうる。弱みも自分の中で強みとして捉える含みを残しておくと、それを生かせる場面が多くなる。
(中略)
自分自身でもそうだし、親が子を見る場合も、そういう視点でその子なりの強みを一緒に探していってほしい。すぐには見つけられなくても、そうした可能性がいつもあるという思いを共有していれば、何か迷ったときにも考える拠りどころになるはずだ。

(福岡堅樹さん『自分を信じる力』 P46-47より引用)
いいところだけ、または悪いところだけ見るのではなく、その裏側も把握して、場面ごとに活かしていこう、ということです。

福岡さんが残してきた実績は凄すぎますが、一つ一つの努力は誰にでも真似できるものだと思いました。

ただし、それをずっと続けることが難しいんですよね。

挫けそうになるたびにこの本を開くといいかも知れません。
自分を信じる力
福岡 堅樹(著)
講談社
特別な才能はいらない。迷いを捨てた時、人は変わり始める。できないと決めつけない。自分の可能性を小さくするだけだから。すべては自分を信じることから始まった。ラグビーW杯日本代表が医学部に合格! 出典:楽天
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池田 千波留
パーソナリティ・ライター

コミュニティエフエムのパーソナリティ、司会、ナレーション、アナウンス、 そしてライターとさまざまな形でいろいろな情報を発信しています。
BROG:「茶々吉24時ー着物と歌劇とわんにゃんとー」

パーソナリティ千波留の
『読書ダイアリー』

ヒトが好き、まちが好き、生きていることが好き。だからすべてが詰まった本の世界はもっと好き。私の視点で好き勝手なことを書いていますが、ベースにあるのは本を愛する気持ち。 この気持ちが同じく本好きの心に触れて共振しますように。⇒販売HPAmazon

 



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