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結局、賢く生きるより素直なバカが成功する(エンリケ)

どの分野でも、プロは努力している

結局、賢く生きるより素直なバカが成功する
エンリケ(著)
私は主婦になってから、社員数20名程度の建築関係の会社でパート勤務をしていたことがあります。

その会社の社長は、地元の祭りに出店したり、地域の清掃活動をしたりといった、社員と力を合わせて何かをすることがお好きでした。行事でみんなの気持ちを一つにしたいということだったのでしょう。

景気もまだ良い時だったので、クリスマス会を兼ねた忘年会も、ゴルフ場のクラブハウスを借り切ったりして、かなり華やかに執り行われました。

会費は会社持ちで、家族や恋人を連れてきても良い、ということで、楽しみにしていた社員も多かったと思います。

そしたら、普段は地味で目立たない男性社員が目の醒めるような華やかな女性と一緒にやってきて、「おおおお!」と軽いどよめきが起こりました。

私が「わー。●●さん、あんなきれいな彼女がいたんですね!」と言ったところ隣の席に座っていた若手男性社員が「キャバ嬢ですよ。お金払ってきてもらってるんス。この宴会が終わったあと、同伴出勤するんっスよ」と教えてくれました。

キャバ嬢?!
それ、何?!
「キャバクラ」という単語を初めて知ったのでした。

でも、それ以上の知識を仕入れることなく、今日まで過ごしてきました。

そんな私が先月、講談社の新刊案内をチェックしていて目が点になりました。

「億稼ぐ接客術?!」

7年間連続ナンバーワン、最終的に時給26万円、最高月収1億円超えの元キャバ嬢 エンリケさんの新刊『結局、賢く生きるより素直なバカが成功する』のサブタイトルに驚いたのでした。

私は、喋ることが仕事です。

でも約20年前、この仕事を始めた時は、仕事という認識は低く、ひたすら自己表現が目的だった気がします。

「私が、私が」ということですね。

ところがいつの頃からか、聞いてくれる人がいるからこそ自分の仕事が成立しているのだと、当たり前のことがわかってきたのです。

遅まきながら、私の仕事はサービス業であり、接客業であるという自覚が生まれてきたのです。

億単位のお金を稼げるほどの接客術とはどんなものなのか?!業種は違っても絶対に参考になるはず。これは読まねば。そう思って購入、一気読みしましたよ。

まずは「キャバクラ」とは何かを勉強しました。

キャバクラとは、フランス語のキャバレーと英語のクラブを合体させた和製外国語。キャバレーのように明朗な時間制料金体系でクラブの高級感を味わえるお店なのだとか。

そこで働く女性従業員がキャバ嬢。

キャバ嬢は同席し、お客様に楽しく飲んでいただくのがお仕事です。性的な接待はありません。ふむふむ。

キャバ嬢の給料体系はお店によって違うようです。

基本給プラス「指名」「同伴」「アフター」など、上乗せする項目もあれこれ。

著者エンリケさんが働いていたお店では項目ごとにポイントが設定されており、それをコツコツ積み上げていくことで、お給料がアップするという仕組み。

正直に言って、ピンとこない部分もありましたが、いずれにしても「億」のお金を稼ぐのは、並大抵のことではありません。

エンリケさんはこんな風に自己分析をしておられます。
自慢じゃないけど頭がいい方ではないし、色仕掛けで勝負ができる器量もない。
(『結局、賢く生きるより素直なバカが成功する』 はじめに より引用)
じゃあ、どうしたのかといえば、わからないことは素直に質問し、アドバイスを素直に受け入れたのです。「素直」……私に欠けているものですワ。

そしてエンリケさんは努力家。

お客様がドアを開けて、お店に入ってきた瞬間から、しっかりお客様を観察し、お客様の性格を分析して、相手が望むものを提供するのです。

挨拶一つとっても「エンリケでーす!よろしくぅ」といった親しげな態度を喜ぶお客様もいらっしゃれば、「初めまして、よろしくお願いいたします」と、折り目正しい態度を望むお客様も。

お客様のニーズやテンションを読み取り、喜ばれる接客をするのです。

陽気に飲みたい人、静かに飲みたい人、どなたかの接待で来ている人、それぞれの飲み方に合わせて場を盛り上げる、相手に合わせた話題を選ぶ、どれもこれも、観察眼や想像力を働かせないとできないことばかり。

また、LINEを使ってご挨拶やお礼の文章を送るときも、相手のタイプによって言葉遣い、文章の長さだけでなく、送る時間帯も変えていたのだそうです。

なぜそうするかの根拠も書かれていて、きめ細かさに驚きました。

私は正直なところお酒の席で働く女性をなめていました。

楽して稼いでいるのだとばかり。

エンリケさんの体験談を読ませてもらって、どのジャンルでも「プロ」は仕事に関して深く考察を重ね、努力を惜しまないものだなと感じ入りました。

エンリケさんは毎日努力をするだけではなく、手帳に日誌をつけ、努力の成果を「見える化」しておられました。

日々一生懸命働いているだけでは、いろいろなことを忘れてしまうから書き留めておいたのですって。

分野は違うけれど私も、仕事の記録はマメにつけています。年月を経るほど、データの大切さを実感しているので、そのあたりで親近感を覚えました。

それにしても、キャバクラで大金をはたく男性って結構おられるのですね。

そういうお客様をどう思って接客しておられたのかというと「お客様への敬意を忘れずに」ですって。

「ふふふ、ラッキー、金づる」なんて思っているようではナンバーワンにはなれないということでしょう。

ところでエンリケさんは昨年(2019年)キャバ嬢を卒業し、ご結婚。起業家として新たな道を歩き始めておられます。

小学生の頃、お父様が保証人になったばかりに莫大な借金を背負わされ住んでいた家を追い出されたエンリケさん。

それが元で、必要以上に「お金」に執着を持っていたのだそうですが、考えられないほどの売り上げを上げたことで、自信がついてトラウマを乗り越えられたようにお見受けします。

幸せな人からものを教えてもらうのは気持ちがいいもので、読後感がいいのはそのおかげかもしれません。

この本はあらゆるサービス業の人に、ヒントをくれると思います。
結局、賢く生きるより素直なバカが成功する
エンリケ(著)
講談社
賢いわけでもなく、容姿で勝負ができるわけでもない私がお客様にお金を使う価値を感じてもらうためには、命を削って努力する姿を見せることで、応援してもらうしかなかった。-凡人が14年間の実践で身につけた億稼ぐ接客術。 出典:楽天
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池田 千波留
パーソナリティ・ライター

コミュニティエフエムのパーソナリティ、司会、ナレーション、アナウンス、 そしてライターとさまざまな形でいろいろな情報を発信しています。
BROG:「茶々吉24時ー着物と歌劇とわんにゃんとー」

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ヒトが好き、まちが好き、生きていることが好き。だからすべてが詰まった本の世界はもっと好き。私の視点で好き勝手なことを書いていますが、ベースにあるのは本を愛する気持ち。 この気持ちが同じく本好きの心に触れて共振しますように。⇒販売HPAmazon

 



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