A River by Marc Martin
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![]() 頭の中で旅に出よう A River
by Marc Martin Marc Martin は、メルボルン在住のオーストラリア人のイラストレーターです。
美しい水彩とガッシュで、環境、自然、動物などを主題にした作品を手掛けます。 ”A River” は、2017年に New York Times Best Illustrated Children’s Book に選ばれた作品で、『夢の川』のタイトルで日本語にも訳されています。 表紙は、主人公の女の子がジャングルの中のをボートで流れていくシーンですが、イラストに合わせて立体的になっていて、とても美しい。 お話はシンプルで詩的です。 都会の高層マンションで暮らす女の子の部屋の窓から、ビルの合間を流れる大きな川が見えます。 川は、窓の左側から右側に大きくうねるように流れています。 女の子は、自分が銀色のボートに乗って、川を水平線に向かって下っていくのを想像します。 川はどこに連れて行ってくれるでしょう。 ボートは都会の橋の下を通り、何層にもなった道路をたくさんの車が慌ただしく行き交っているのが見えます。 やがて工場地帯へ。川には汚れた水が流し込まれ、煙突からは黒い煙が立ち昇り、空も真っ暗。 ボートはようやく農園地帯にやってきます。動物たちも現れました。 美しい緑の中を進んだ後、ビルよりも高い滝を下って、ジャングルへ。 テナガザル、コウモリ、色んな種類の鳥たちが鳴いているのが聞こえます。 川は、植物の生い茂るジャングルの奥を通り抜け、海に流れ込みます。 海の表面はとっても静かですが、中を覗くとカラフルな魚がいっぱい。 やがて雨が降り出して。。。 女の子の部屋は動物のぬいぐるみや、模型、本、絵などがいっぱい。とっても想像力が豊かそう。 電車や車で出かけると、都会を離れるにつれ、だんだん建物が少なくなり、緑がいっぱいになるのが思い出されました。 部屋から出れないけれど、頭の中で旅行をしているのが、今の私たちに重なるような気もします。 自然に触れることは、とても大切なことですよね。 色彩がとても美しく、細かいところまで描かれているけれど、線が柔らかで、癒される絵本です。 A River
by Marc Martin Publisher: Templar Books ![]()
谷津 いくこ
絵本専門士 絵本を原書で読んでみませんか?アートな絵本、心が豊かになる絵本、英語圏の文化に触れられる絵本などを紹介します。 StoryPlace HP:http://www.storyplace.jp Facebook:https://www.facebook.com/storyplacejp/ |
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