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HAPPY AGEING (川邉サチコ )

おしゃれを楽しむことは自分を慈しむこと

HAPPY AGEING
これからの私に合うおしゃれ
川邉 サチコ(著)
50代からの女性誌「ハルメク」に何度も登場されているヘア&メイクアップアーティストの川邉サチコさん。

豊かなホワイトブロンドの髪の毛が印象的なカッコいい女性。

世界を舞台に活躍してこられたサチコさんは、現在はお嬢さんの ちがやさんとともに、大人のトータルビューティーサロン「KAWABE.LAB」を主宰されています。

サチコさん、ちがやさん親子の『HAPPY AGEING』はファッションだけではなく、中高年女性の気持ちのありよう、生き方まで及んでいる、なかなか深い本でした。

クリスチャン・ディオールやイヴ・サンローラン、三宅一生、芦田淳といった世界一流のコレクションでヘア・メイクを担当してこられたサチコさんは、当然、世界のトップモデルたちを大勢見てこられました。

そんなサチコさんが日本で、大人の、つまり中高年を対象としたトータル・ビューティーサロンを立ち上げた時、「普通の」日本人女性のメンタルに戸惑ったそうです。

それは、おしゃれに対して「どうしていいかわからない」という自信のなさ。

そりゃあ、世界の舞台に立つスーパーモデルたちは、美に対して貪欲でしょうし、自分が一番、誰にも負けない!という人たちばかりでしょう。

一方で50代を超えた日本人女性は、「今まで着ていたものが似合わなくなった」「ヘアスタイリングが決まらない」「メイクがうまくいかなくなってきた」などなど、加齢による変化により、おしゃれに迷いが生じ、自信をなくす人が多いのだと思います。

そもそも「年甲斐もなく」なんて言葉があるように、日本人の気持ちの奥底には、歳をとってからおしゃれをしても良いのだろうか、という気持ちがあるのかも知れません。

そんな迷える中高年女性に対してサチコさんは「良いに決まってるでしょ」と言い切っておられます。

だいたい、おしゃれは自分自身のためにするもので、年齢など関係ない、と。むしろ、年齢を重ねてくると「ナチュラル」が「老け」に見える落とし穴だと指摘しておられます。

しかし「若々しい」と「若作り」は違うので、「若作り」に見えないファッションのヒントをお二人の写真満載で教えてくれています。

ちがやさんと私はちょうど同年齢なので、参考になりますわ。

様々なヒントの中でも、なるほどと思ったのは、「眼鏡」についての考察。

加齢による目尻のシワや、たるみなどが気になる場合、眼鏡はアイメイクの一種だとおっしゃるのです。

似合う形や色のフレームの眼鏡をかけることで、シワやたるみなどがカバーされ、むしろくっきりとアイラインを施したように見える、と。

わお!

私は自分で気にっている色の眼鏡を一つ持っているのですが、同じ形で色違いのものをあと一つ二つ作ろうかと思いましたわ。

お洋服に合わせて「アイライン」の色を変える感覚で。

ワクワク。

もう一つ、グレイヘアに移行している私にとって、白髪に関する考察は大変参考になりました。

髪色が白(グレー)になると、似合う色が変わってくることは、すでに実感済みですが、

ではどんな色だったら良いのかについて、ぼんやりと考えていたことが間違えていなかったと、自信が持てました。

嬉しい。

このほか、大人のおしゃれを楽しむために大切な事柄、例えば、「あきらめないポジティブな気持ち」「いつでも”初めて”を楽しめる無邪気な心を大切にする」「歩くことは生きる力」なども改めて認識させてもらえました。

何歳になってもおしゃれを楽しむことは、自分を慈しむことにも繋がるのかも知れません。
HAPPY AGEING
これからの私に合うおしゃれ
川邉 サチコ(著)
日本文芸社
世界を舞台に活躍したヘア&メイクアップアーティストが教える大人の自分磨き実践法。 出典:楽天
profile
池田 千波留
パーソナリティ・ライター

コミュニティエフエムのパーソナリティ、司会、ナレーション、アナウンス、 そしてライターとさまざまな形でいろいろな情報を発信しています。
BROG:「茶々吉24時ー着物と歌劇とわんにゃんとー」

パーソナリティ千波留の
『読書ダイアリー』

ヒトが好き、まちが好き、生きていることが好き。だからすべてが詰まった本の世界はもっと好き。私の視点で好き勝手なことを書いていますが、ベースにあるのは本を愛する気持ち。 この気持ちが同じく本好きの心に触れて共振しますように。⇒販売HPAmazon

 



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