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大阪の秘密(博学こだわり倶楽部 )

関西人以外にもオモロイの?!

大阪の秘密
博学こだわり倶楽部
私がパーソナリティを担当している大阪府箕面市のコミュニティFMみのおエフエムの「デイライトタッキー」。その中の「図書館だより」では、箕面市立図書館の司書さんが選んだ本をご紹介しています。

今回ご紹介するのは、『大阪の秘密』。

この本の「はじめに」に”パスポートのいらない外国”大阪を丸裸にする!と書かれています。

日本の中にありながら”異国”である大阪を、様々な角度から紹介したのが『大阪の秘密』。

目次からその切り口をご紹介しましょう。
①大阪人ならではの「あるあるルール」10か条

②コテコテな「名所」の知られざる魅力とは

③粉もん、串カツ、ふぐ、ポン酢…

 「こだわりグルメ」を大解剖

④「大阪弁」を完璧にマスターするコツ

⑤大阪の「まち」には”なぜ”がいっぱい!

⑥大阪人独特の「キャラ」はこんなところに現れる

⑦古代以来のディープな「大阪史」をひもとく

⑧ヨソにはない「地形」「地名」に隠された仰天ストーリー
(博学こだわり倶楽部 編『大阪の秘密』の目次から引用)
私には④の、大阪弁に関する章が一番面白かったです。

例えば、漫才などのおかげで、全国的に知られる「なんでやねん」。

日頃何も考えずに聞いたり、自分でも発言したりしていますが、色々な感情表現に使われているのですね。

例えば、期待されていた結果が得られなかった時や思いがけない失敗をした時に言う「なんでやねん!」は、憤りの感情表現です。

荒唐無稽な話を聞いた時に発する「なんでやねん」は、「冗談を言うな」あるいは「信じられない」の意味。

自分の失敗に対して言う「なんでやねん」は、ちょっと愚痴っぽい失望感を表します。

いやー、一つの言葉に色々意味を持たせるものですね。

そして相手がどう言う意味で「なんでやねん」と言っているのか、自然にわかっているのもおもしろいと思います。

また大阪弁の「自分」は、 Me(私)ではなくYou(あなた)である場合が多いのですが、それについては、このような説明がされています。
たとえば、標準語でも、小さい子と話すときいは「ボクは、どこから来たの?」ということがある。
(博学こだわり倶楽部 編『大阪の秘密』P116から引用)
これも、目からうろこ、わかりやすい例えだと思いました。

また、大阪弁では「かめへん、かめへん」「ちゃうちゃう」など、同じ言葉を二度言う場合が多いという指摘も面白かったです。

確かに、そうだわ。

こういう「大阪本」は他にもあって、毎回「本当に大阪のことわかって書いてる?」とチェックするような気持ちで読んでいます。

つまり、私にとって書かれていることはだいたい知っていることばかりなのだけど、それを「ヨシヨシ、ちゃんとわかってるやんか」と上から目線で読むのが面白いのです。

逆に言えば、こういう大阪に関する本は、関西人以外の人が読んでも面白いんですか?

謎ですな。

ところで地名に関する章で、一つ勉強になったことが。

地名「道頓堀」は、堀を作った安井道頓から名付けられたことは知っていましたが、「心斎橋」も、橋を架けた岡田心斎からの名付けだとは知りませんでした。

勉強になりましたワ。

最後に、この本に掲載されている大阪人、関西人をヘコませるための必殺の言葉をご紹介しておきましょう。

それは

「で、オチは?」。

大阪人にとってオモロイと言ってもらえるのは何よりの誉め言葉。どんな話にもオチをつけずにはいられません。

それなのに、「どや、オモロイやろ?」と得意満面で話したあげく、相手から「で、オチは?」と言われたら面目丸潰れです。

今の話にはオチがなかった、つまりは面白くなかったと言われたのと同じですから。

実は私は家で夫からしょっちゅう言われているんですよ。

「んで?オチは?」

キーッ!

「なんでやねんな、いまちゃんとオチ付けて話したやん!」

憤懣やる方ない。

次こそお腹を抱えて笑うように喋ってやるぅ!

こうして大阪人(関西人)のお笑い偏差値は高められているのでした。
大阪の秘密
博学こだわり倶楽部
河出書房新社
大阪人が恐れる「二大言葉」って?日本一高いビルの名前があべのハルカスに決まったのは?ラーメン専門店が少ないワケは?“おもろい街・人”の真の姿が見えてくる! 出典:楽天
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池田 千波留
パーソナリティ・ライター

コミュニティエフエムのパーソナリティ、司会、ナレーション、アナウンス、 そしてライターとさまざまな形でいろいろな情報を発信しています。
BROG:「茶々吉24時ー着物と歌劇とわんにゃんとー」

パーソナリティ千波留の
『読書ダイアリー』

ヒトが好き、まちが好き、生きていることが好き。だからすべてが詰まった本の世界はもっと好き。私の視点で好き勝手なことを書いていますが、ベースにあるのは本を愛する気持ち。 この気持ちが同じく本好きの心に触れて共振しますように。⇒販売HPAmazon

 



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