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The Important Thing about Margaret Wise Brown by Mac Barnett

世界中で愛された絵本作家の姿

The Important Thing about Margaret Wise Brown
by Mac Barnett, Illustrated by Sarah Jacoby
Margaret Wise Brownは、『おやすみなさいおつきさま』や『ぼくにげちゃうよ』の作者として有名です。

みなさんは、気に入った本に出会った時、作者がどんな人物なのか知りたくなりませんか?

絵画や、音楽や、お酒(!)なども、その背景や作者の事を知ると、より深く楽しめるように思います。

Mac Barnettは、Margaret Wise Brownへの尊敬の念を込めてこの絵本を描きました。

Margaret Wise Brownは、編集者でもあり、それまでの絵本のスタイルを完全に変えてしまった才能あふれる女性です。

おとぎ話やマザーグースが主流だった絵本の世界で、”here and now” と呼ばれる、今ここで起きている事を描いた絵本を次々に発表して成功を収めました。

今では当たり前の絵本のスタイルですが、当時は物議を醸し、『おやすみなさいおつきさま』の絵本ですら、ニューヨーク図書館から”Not recommended for purchase by expert” の捺印を押されてしまいました。

そんなエピソードも交えながら、42歳という若さで亡くなってしまった彼女の事が、42ページで、子どもたちに向けて語られています。

『The important book』もMargaret Wise Brownの代表作の1つで、それにちなんだ詩のような文章で書かれています。
“The important thing about Margaret Wise Brown is that she wrote books.”
若くで亡くなったにも関わらず、100冊以上もの著作を残しました。今でもイラストが異なるバージョンのものや、当時のままのものが数多く出版されていて、古さを感じません。

Margaret Wise Brownがバイセクシュアルであったことも、他の事に紛れて、何でも無い事のように書かれています。

Margaret Wise Brownは6歳か7歳だった時に森の近くに住んでいて、たくさんの動物を飼っていました。
“A dog and two squirrels.
Seven fish,
a pair of guinea pigs,
a wild robin,
and thirty-six rabbits.”
36匹のうさぎ!そして、うさぎが死ぬと、その皮を剥いで身につけたそうです。子どもの時の話ですが、この絵本で彼女はいつもうさぎの毛皮を首に巻いています。

結構ショッキングな内容ですが、可愛いうさぎのイラストもいっぱいで、丁寧に説明されています。

他にも、裸で冷たい海で泳いだり、初めて出版した本で貰ったお金で、花売りのカートごと花を買ってパーティーを開いたり。

人々は彼女の事も彼女の本の事も変だと思いました。
“No good book is loved by everyone,
and any good book is bound to bother somebody.
Because every good book is at least a little bit strange,”
子どもに、こんな風にストレートに語りかけられるのは素敵です。

Wikipediaには載っていないようなエピソードもあって、とても楽しく読めました。

あんな優しく詩的な文章が、こんな個性的な女性によって書かれていたのですね。

1991年になって、500枚もの原稿が発見され、それを元に伝記も書かれています。今度はそちらも読んでみたいな。
The Important Thing about Margaret Wise Brown
by Mac Barnett
Illustrated by Sarah Jacoby
profile
谷津 いくこ
絵本専門士

絵本を原書で読んでみませんか?アートな絵本、心が豊かになる絵本、英語圏の文化に触れられる絵本などを紹介します。
StoryPlace
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