365日のほん(辻山良雄)
本の森は豊かに広い 365日のほん
辻山良雄(著) 私がパーソナリティを担当している大阪府箕面市のコミュニティFMみのおエフエムの「デイライトタッキー」。その中の「図書館だより」では週に一度、箕面市立図書館の司書さんが選んだ本をご紹介しています。
今回ご紹介するのは、辻山良雄さんの『365日のほん』。 著者 辻山良雄さんは本屋を営んでおられます。東京荻窪にある「Title」という名前の本屋さんは、築70年の古民家を改装した小さなお店なのだそうです。 Titleさんでは開店以来毎日、Webサイトで「毎日のほん」と題して、1日1冊紹介し続けておられます。 紹介文は著者名、タイトルは別として約100文字。簡潔に、わかりやすく、そして何より毎日一冊を紹介し続ける、これはすごいことですよ! さらにすごいのは、この本は「毎日のほん」とは別に365冊を選び直して、紹介文を考えたものだとか。 私もおととしに図書紹介本「パーソナリティー千波留の読書ダイアリー」を出版しました。紹介したのは50冊ですが、それでも結構大変でした。365冊を選ぶなんてすごいです。 私は紹介する本の内容紹介と自分の感想を書くので、かなり長文になります。辻山さんの紹介文はどれも約100文字。これだけにまとめるのは逆にとても大変なことだと思います。 また、春夏秋冬四つの季節にわけて、それぞれの月にふさわしい本が紹介されているのです。もう、本への愛が並大抵ではないのがわかります。 さて、紹介されている365冊。松尾芭蕉『おくのほそ道』、宮沢賢治『銀河鉄道の夜』、土井善晴『一汁一菜でよいという提案』、いわいとしお『100かいだてのいえ』、『ファン・ゴッホの手紙』、カフカ『城』など古今東西、ジャンルもさまざまです。 私はそのうちのどれくらい読めているかしら?楽しみにページを繰ってびっくり。たったの18冊!!365分の18。 ああ、本の森は深くて豊か。まだ入り口に佇んでいる状態の私です。これからも毎日読書をする私にとって指針になる一冊でした。 ところで辻山さんはこうおっしゃっています。 本屋は本を紹介することが仕事です。(辻山良雄『365日のほん』 はじめに」より引用)
本屋さんのお仕事は本を売ることではなく、紹介すること。
素敵だなぁ。 池田 千波留
パーソナリティ・ライター コミュニティエフエムのパーソナリティ、司会、ナレーション、アナウンス、 そしてライターとさまざまな形でいろいろな情報を発信しています。 BROG:「茶々吉24時ー着物と歌劇とわんにゃんとー」 パーソナリティ千波留の『読書ダイアリー』 |
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