たねのはなし(ダイアナ アストン)
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![]() 「たね」について、美しいイラストで楽しもう! たねのはなし
Dianna Aston 植物や園芸の専門知識がなくても、「たね」という言葉を耳にすると、秘められた可能性、あるいは、何か特別な成果をもたらす仕掛けなど、どこか期待を滲ませるイメージが浮かんでワクワクしませんか?
今回ご紹介するのは、その一般的なイメージの礎となっている植物の種そのものについて、美しいイラストで楽しもう!という作品です。 例えば図鑑だと、科学的思考がないと退屈してしまうこともあるわけですが、そういう意味でなら、この本は心配ご無用です。 クローズアップして大胆に並べられたビジュアルは全て美しいイラストでできているし、その余白には程よいバランスで、種子に関する雑学が散りばめられています。 専門的なアプローチにはこだわらず、それぞれの種に備わったユニークな機能とデザインについて、語りたくてたまらないといった感じでしょうか。 この本は、見返しと扉との間にもう一つ見開きがあって、一面に何種類もの植物の種が描かれています。 真っ白な紙の上に、拾い集めた種を一つずつ並べたかのよう。様々な色や形が目に飛び込んできて、この見開きを眺めてるだけでも楽しいです。 本文にある「おおむかしのたね」という見開きでは、すでに絶滅した植物の種が遺跡から見つかって、植えたら芽を出したという驚きのエピソードが。 環境が整った途端、千年の眠りから覚めて成長を始めるだなんて!まさにとんでもない可能性に満ちたエピソードです。 これは反面、「環境が整わない限り成長は始まらない」とも解釈できるかも?何かに伸び悩んだ時は、身の回りの環境にも目を向ける必要があるのかもしれませんね。 ラストは、これまた見映えのする見開きが待ち受けてるんですが、すぐ後のおまけページも含めて、ちょっぴり「なるほど」な楽しい趣向が凝らされています。 気づいたらきっと、また戻って最初のページをめくってしまいますよ。 春です。草木が芽吹く季節がやってきます。 ここに描かれた種のように、私たちも自らの可能性を信じて、明るく温かな方へ真っ直ぐに。精一杯、人生を充実させたいですね! たねのはなし
Dianna Aston (著) Sylvia Long (絵)千葉 茂樹 (訳) ほるぷ出版 ![]() 恒松 明美
ギャラリーリール(GALLERY RiRE)店主 小説なら1日。映画なら2時間。絵本なら、長くても15分くらいでしょうか。 それでも小説や映画に負けないくらい、心が満たされる絵本があります。 毎日、時間がたりない…。そんな、忙しく働く女性にこそ、 絵本はよきパートナーとなってくれると思います。 毎日窮屈だな。ちょっと背伸びしてばかりだったかな。 「心の凝り」が気になる時におすすめの、絵本をご紹介します。 ギャラリーリール(GALLERY RiRE) |
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