HOME  Book一覧 前のページへ戻る

梅干しと日本刀(樋口清之)

ルーツを知り肯定する。そこから人生が始まる

梅干と日本刀
樋口清之 (著)
「自分のルーツを知る」

普段あまり意識しないことかもしれません。

この本に出会って、今まで知らなかった祖先の知恵、もっと言えば、日本がどのようにして今日に至ったのかが分かりました。

音楽を学ぶために渡ったドイツで、彼らの合理的な考え方や、生活の工夫に感心することが多々ありました。

そこで暮らし、自然や人々、文化に触れ、「なるべくしてなっている」

そう確信しました。

そして、じゃあ日本ってどうなんだろう?

と、疑問が湧きました。

この本は、そんな疑問に答えてくれます。

日本人の優れた知恵は、なぜ生まれたのか。

当たり前に存在する、身の回りの全てが、生き抜くために考え抜かれた、先人たちの努力の賜物です。

これを読んで、まず、日本人に生まれたことを誇りに思いました。

ルーツを知り、肯定する。

そこから人生が始まることを再認識した本です。

(本文より)
味の分類は、西洋四味、中国五味、日本は六味

鰹節は蒸し鰹を天日に干して、もう一度カビさせる。このとき菌糸が中まで入って、全体を同じ程度に凝固させる。この結果、永久保存に耐える食品になる。菌糸は発酵をうながすから、その結果、日本人が大好きな“うまみ”が出たのである。…

西洋人は味を四つに分ける。甘い、すっぱい、塩辛い、ぴりっと辛い、の“四味”である。中国人はこれに、苦いを加えて“五味”。…

日本はこれに、“うまい”を加えて六味である。六味を知っているということは、頭をよくする方法を知っているということだ。つまり、日本人は知能程度が高いということである。
“うまみ”を知ったことから、ひと手間工夫をする習慣が生まれ、魚も、シイタケなどのキノコも、干して食する…

そんな食文化が生まれたのだと続きます。

冒頭でドイツでの暮らしから「ルーツ」に興味を持ったと述べましたが、音楽も同じです。

作曲家が何を感じ、表現するか。

それは、個々の民族性が大いに関係しているでしょう。

今回は、ぜひ知ってほしい日本人作曲家で、世界でも高く評価されている、武満徹(1930-1996)をご紹介します。

没後20年ということで、時代的にも身近に感じます。

映画音楽や編曲も手掛けられ、無意識のうちに耳にしている方もいるかもしれません。

武満の音楽というと、幻想的なイメージがあります。

映画音楽「天平の甍」(てんぴょうのいらか)では、ストーリーの軸である日本人の魂が武満音楽と映像と掛け合わさって一体となり、強烈なメッセージを受けました。

その魅力や味わいは、言葉にしなくとも、聴けばスッと身体に入ってくるように思います。

そこに自分のルーツを感じているのかもしれません。
武満徹 没後20年記念 森のなかで
鈴木大介(ギター)
心穏やかになる、暖かいギターの音色。「ずっと聴いていたい」、そんな気持ちになるCDです。
梅干と日本刀
樋口清之 (著) 祥伝社 (2014/6)
地震があっても、なぜ城の石垣は崩れない?世界の酒で、なぜ日本酒だけが温めて飲むのか?西洋は四味、中国は五味。なぜ日本人だけ六つの味がわかるのか?…当の日本人が知らなかった、日本人の知恵と独創をあますところなく紹介し、記録的なベストセラーとなった日本人論!われわれの祖先が積み重ねてきた驚くべき発明と工夫が、本書には満載されています。日本人に勇気と自信を与え、民族の美点を教えてくれた名著が復刊! (出典:amazon
profile
植木 美帆
チェリスト

兵庫県出身。チェリスト。大阪音楽大学音楽学部卒業。同大学教育助手を経てドイツ、ミュンヘンに留学。帰国後は演奏活動と共に、大阪音楽大学音楽院の講師として後進の指導にあたっている。「クラシックをより身近に!」との思いより、自らの言葉で語りかけるコンサートは多くの反響を呼んでいる。
Ave Maria
Favorite Cello Collection

チェリスト植木美帆のファーストアルバム。 クラッシックの名曲からジャズのスタンダードナンバーまで全10曲を収録。 深く響くチェロの音色がひとつの物語を紡ぎ出す。 これまでにないジャンルの枠を超えた魅力あふれる1枚。 ⇒Amazon
HP:http://www.mihoueki.com
BLOG:http://ameblo.jp/uekimiho/
⇒PROページ
⇒関西ウーマンインタビュー記事

OtherBook

チェリスト植木美帆の「心に響く本」

悩める心を知った“誰か”からの贈り物

アルケミスト(パウロ・コエーリョ)

チェリスト植木美帆の「心に響く本」

何かに遠慮して生きるのではなく、跳ぶ

友よ(執行草舟)

チェリスト植木美帆の「心に響く本」

「人間」をこれほど強烈に感じたことは…

ハムレット(シェイクスピア)




@kansaiwoman

参加者募集中
イベント&セミナー一覧
関西ウーマンたちの
コラム一覧
BookReview
千波留の本棚
チェリスト植木美帆の
[心に響く本]
橋本信子先生の
[おすすめの一冊]
絵本専門士 谷津いくこの
[大人も楽しめる洋書の絵本]
小さな絵本屋さんRiRE
[女性におすすめの絵本]
手紙を書こう!
『おてがみぃと』
本好きトークの会
『ブックカフェ』
絵本好きトークの会
『絵本カフェ』
手紙の小箱
海外暮らしの関西ウーマン(メキシコ)
海外暮らしの関西ウーマン(台湾)
海外暮らしの関西ウーマン(イタリア)
関西の企業で働く
「キャリア女性インタビュー」
関西ウーマンインタビュー
(社会事業家編)
関西ウーマンインタビュー
(ドクター編)
関西ウーマンインタビュー
(女性経営者編)
関西ウーマンインタビュー
(アカデミック編)
関西ウーマンインタビュー
(女性士業編)
関西ウーマンインタビュー
(農業編)
関西ウーマンインタビュー
(アーティスト編)
関西ウーマンインタビュー
(美術・芸術編)
関西ウーマンインタビュー
(ものづくり職人編)
関西ウーマンインタビュー
(クリエイター編)
関西ウーマンインタビュー
(女性起業家編)
関西ウーマンインタビュー
(作家編)
関西ウーマンインタビュー
(リトルプレス発行人編)
関西ウーマンインタビュー
(寺社仏閣編)
関西ウーマンインタビュー
(スポーツ編)
関西ウーマンインタビュー
(学芸員編)
先輩ウーマンインタビュー
お教室&レッスン
先生インタビュー
「私のサロン」
オーナーインタビュー
「私のお店」
オーナーインタビュー
なかむらのり子の
関西の舞台芸術を彩る女性たち
なかむらのり子の
関西マスコミ・広報女史インタビュー
中村純の出会った
関西出版界に生きる女性たち
中島未月の
関西・祈りをめぐる物語
まえだ真悠子の
関西のウェディング業界で輝く女性たち
シネマカフェ
知りたかった健康のお話
『こころカラダ茶論』
取材&執筆にチャレンジ
「わたし企画」募集
関西女性のブログ
最新記事一覧
instagram
facebook
関西ウーマン
PRO検索

■ご利用ガイド




HOME