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松平家のおかたづけ(松平洋史子)

松平家のおかたづけ
松平 洋史子(著)
著者 松平洋史子さんは1949年生まれ。水戸徳川家の流れをくむ、高松藩松平家の末裔です。

曾祖母は大老井伊直弼の娘であり、幼少の頃から松平方式の厳しいしつけを受けてこられました。

この本はいわゆるおかたづけのノウハウ本ではありません。
「おかたづけは人生そのもの。『これで終わり』はありません。
整理整頓を心がければ、清らかな精神があふれだすのです。」
と、本の表紙折り返しに書かれているように、むしろ武家の精神を書き留められたものだと思いました。

たとえば、昔(明治?)のレディの必需品は「小さなハンドバッグ、扇子、手袋、レースのハンカチ」

今の女性だと「小さめのクラッチバッグ、真珠のネックレス、腕時計」(いずれも上質なもの)だとおっしゃる反面、人とお会いする時には腕時計はしないのが、松平家のたしなみだったと書いておられます。

なぜかというと、相手の方とお話している時に、腕時計をチラチラ見ることで相手をせかし、「もしかしたらこのかたはお忙しいのかしら?」と気を遣わせることになるから、だとか。

たとえ忙しかろうとも、ときに気持ちが乗らなかったとしても、いちいち顔色に出して相手に知らせるものではありません、ということなんです。

「武士は食わねど高楊枝」のバリエーションですね。
これぞ、武家!

お部屋や空間、時間やお金の使い方などあらゆる分野における「松平家のおかたづけ」は潔く、たおやかです。

読んでいるうちに、背筋が伸び、襟を正したくなりました。

武家の女性、かっこいい!すばらしい一冊でした。
松平家のおかたづけ
松平 洋史子(著)
講談社 (2016/1/13)
「おかたづけ」とは生きる技です。「質素倹約で本質を見極める」を家風とした松平家。贅沢を控え、整理整頓を心がけ、限られた「もの、空間、時間、お金、人づきあい」のなかで暮らしていると、それを上手に活かせるようになり、とてもラクに生きることができます。本書は「松平法式」の厳しい躾で育てられた著者が、松平家に代々伝わる、もの、心、生き方の整理術を一冊にまとめたものです。 出典:amazon
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池田 千波留
パーソナリティ・ライター

コミュニティエフエムのパーソナリティ、司会、ナレーション、アナウンス、 そしてライターとさまざまな形でいろいろな情報を発信しています。
BROG:「茶々吉24時ー着物と歌劇とわんにゃんとー」

パーソナリティ千波留の
『読書ダイアリー』

ヒトが好き、まちが好き、生きていることが好き。だからすべてが詰まった本の世界はもっと好き。私の視点で好き勝手なことを書いていますが、ベースにあるのは本を愛する気持ち。 この気持ちが同じく本好きの心に触れて共振しますように。⇒販売HPAmazon

 



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