著者 松平洋史子さんは1949年生まれ。
水戸徳川家の流れをくむ、高松藩松平家の末裔です。
曾祖母は大老井伊直弼の娘であり、
幼少の頃から松平方式の厳しいしつけを受けてこられました。
この本はいわゆるおかたづけのノウハウ本ではありません。
「おかたづけは人生そのもの。
『これで終わり』はありません。
整理整頓を心がければ、
清らかな精神があふれだすのです。」
と、本の表紙折り返しに書かれているように、
むしろ武家の精神を書き留められたものだと思いました。
たとえば、昔(明治?)のレディの必需品は
「小さなハンドバッグ、扇子、手袋、レースのハンカチ」
今の女性だと
「小さめのクラッチバッグ、真珠のネックレス、腕時計」
(いずれも上質なもの)
だとおっしゃる反面、
人とお会いする時には腕時計はしないのが、
松平家のたしなみだったと書いておられます。
なぜかというと、
相手の方とお話している時に、
腕時計をチラチラ見ることで相手をせかし、
「もしかしたらこのかたはお忙しいのかしら?」と
気を遣わせることになるから、だとか。
たとえ忙しかろうとも、
ときに気持ちが乗らなかったとしても、
いちいち顔色に出して相手に知らせるものではありません、
ということなんです。
「武士は食わねど高楊枝」のバリエーションですね。
これぞ、武家!
お部屋や空間、時間やお金の使い方など
あらゆる分野における
「松平家のおかたづけ」は
潔く、たおやかです。
読んでいるうちに、背筋が伸び、
襟を正したくなりました。
武家の女性、かっこいい!
すばらしい一冊でした。 |
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池田 千波留
パーソナリティ・ライター
コミュニティエフエムのパーソナリティ、司会、
ナレーション、アナウンス、 そしてライターと、
さまざまな形でいろいろな情報を発信しています。
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