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松平家のおかたづけ(松平洋史子)

松平家のおかたづけ
松平 洋史子(著)
出版社:講談社 (2016/1/13)【内容情報】(「BOOK」データベースより)「おかたづけ」とは生きる技です。「質素倹約で本質を見極める」を家風とした松平家。贅沢を控え、整理整頓を心がけ、限られた「もの、空間、時間、お金、人づきあい」のなかで暮らしていると、それを上手に活かせるようになり、とてもラクに生きることができます。本書は「松平法式」の厳しい躾で育てられた著者が、松平家に代々伝わる、もの、心、生き方の整理術を一冊にまとめたものです。(出典:amazon
著者 松平洋史子さんは1949年生まれ。
水戸徳川家の流れをくむ、高松藩松平家の末裔です。
曾祖母は大老井伊直弼の娘であり、
幼少の頃から松平方式の厳しいしつけを受けてこられました。

この本はいわゆるおかたづけのノウハウ本ではありません。

「おかたづけは人生そのもの。
『これで終わり』はありません。
整理整頓を心がければ、
清らかな精神があふれだすのです。」
と、本の表紙折り返しに書かれているように、
むしろ武家の精神を書き留められたものだと思いました。

たとえば、昔(明治?)のレディの必需品は
「小さなハンドバッグ、扇子、手袋、レースのハンカチ」
今の女性だと
「小さめのクラッチバッグ、真珠のネックレス、腕時計」
(いずれも上質なもの)
だとおっしゃる反面、
人とお会いする時には腕時計はしないのが、
松平家のたしなみだったと書いておられます。

なぜかというと、
相手の方とお話している時に、
腕時計をチラチラ見ることで相手をせかし、
「もしかしたらこのかたはお忙しいのかしら?」と
気を遣わせることになるから、だとか。

たとえ忙しかろうとも、
ときに気持ちが乗らなかったとしても、
いちいち顔色に出して相手に知らせるものではありません、
ということなんです。
「武士は食わねど高楊枝」のバリエーションですね。
これぞ、武家!

お部屋や空間、時間やお金の使い方など
あらゆる分野における
「松平家のおかたづけ」は
潔く、たおやかです。

読んでいるうちに、背筋が伸び、
襟を正したくなりました。

武家の女性、かっこいい!
すばらしい一冊でした。

池田 千波留
パーソナリティ・ライター

コミュニティエフエムのパーソナリティ、司会、
ナレーション、アナウンス、 そしてライターと、
さまざまな形でいろいろな情報を発信しています。
BLOG ⇒PROページ

著書:パーソナリティ千波留の読書ダイアリー
ヒトが好き、まちが好き、生きていることが好き。
だからすべてが詰まった本の世界はもっと好き。

「千波留の本棚」50冊を機に出版された千波留さんの本。
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