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バックスター ルミ
バイリンガルライフコーチ RumiBaxter

丁寧に生きるという選択 ライフスタイル 2023-09-13
夏の終わりと共生、 家族のダイナミズム

9月に入り、関西地方ではようやく涼しさを感じられるようになりました。皆さんにとっての夏はいかがでしたでしょうか? 私自身、最近、知人からの「最近涼しくなりましたね。いかがお過ごしでしょうか」というメッセージに対して、素直に「元気ですよ」と答えることをためらう瞬間がありました。その代わりに、「とてもメランコリックな気分です」とお答えしました。

この感情は、父の86回目の誕生日を迎え、両親の人生の歳月が急速に過ぎていく様子を感じながら特に強くなったのでしょう。誕生日会は日常の中の非日常の瞬間でしたから。嫌いなはずの夏が終わっていくというのに、夏の終わりの夜に感じる、涼しさの中の独特の物悲しさ、それはまるで全てが結局は移り変わっていくことを告げているようでもあります。私たちは根本的に変化を受け入れるのが得意でないのでしょうか。

また、友人が遠くから大阪を訪れてくれたとき、私の方からはあまり何もしてあげられなかったのに、「とても楽しかった。また来るね」と言ってくれたことも、私の感情にメランコリックな影響を与えたのかもしれません。

この夏、私は特に「家族関係の中での共生」というテーマについて深く考える機会がありました。家族の関係は、美しい瞬間や感謝、愛と言った感情で満たされるだけの場所では決してないでしょう。むしろ、家族の中では、時に複雑で困難な感情が交じり合い、それらを経験する大変な場所でもあるはずです。

家族のダイナミズムは、それぞれのファミリーメンバーの強さと弱さが絶えず変化する場に宿り、それぞれのメンバーが人間のエゴやニーズを持ちながら、与えることと与えられること、受け取ること、その失敗と成功を経験し、それを繰り返す行為の事の様な気がします。

言い換えれば、私たちは家族の中で互いに「何か」を与え、与えようとし、同時にそれら「何か」を受け取っているのではないでしょうか。お互いに。そしてそれは時に無意識になされている交換の行為かもしれません。良いことも悪いことのやりとりも決して一方通行でない、「交換」こそが家族の共生の本質ではないでしょうか。

夏の終わりに感じたメランコリックな気分は、家族の中での共生と、変化の一部を感じたからこその感情であり、これからも成長と家族の中での学びが変化しながら続くことを教えてくれている気がします。そして、家族の絆は、与えることと受け取ること、失敗と成功のバランスを保ちながら、ますます深化していくのでしょう。そんな変化の中で、「今の大切さ」に目を向けるようにしようと再認識した夏でもありました。

仮に、メランコリックの繊細さを持って、他者に優しいまなざしを向けることができるのであれば、人からの評価に一喜一憂、それにとらわれることなしに、視点の矛先を時に内から外へと向け、広く周りを見渡してみたいとも思います。
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私たちが「生きる」中で、たくさんの選択をしています。 その選択は、意識したものから無意識に選んでいるもの、とるに足らない小さな選択から人生の岐路に立たされた大きな選択まで、その種類も様々。「丁寧に生きる選択」というライフスタイルは、未来へのキーワードでもあります。
バックスター ルミ
バイリンガルライフコーチ

心理カウンセラーのバックグラウンドをいかし、英会話講師として「コミニケーションレッスン」を展開中。 半生を英国、ヨーロッパのライフスタイルに関わってきたことから、それらの経験をもとに独自のレッスンを提供している。「五感+plus」を使ってコミュニケーション能力を磨くレッスンは、本格的英国サロンで行われている。
RumiBaxter
BROG:http://ameblo.jp/rumi-b/

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