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藤田 由布
婦人科医 医療法人 大生會 さくま診療所(婦人科)

婦人科医が言いたいこと 医療・ヘルシーライフ 2023-10-19
望まぬ妊娠、どんな時もあなたの味方です〜婦人科医は戸惑う気持ちに寄り添います〜

突然わかった妊娠に戸惑い泣き出す女性も少なくありません。

日々の外来で毎日のように「産むか産まないか」の相談を受けます。

婦人科医の立場としては、しっかりと女性の気持ちを汲んだ上で「どちらの決断をしても、それは間違いではない」と考えています。

産まないという決断をしても、それは女性の権利であり、安全な人工中絶は女性の健康と権利を守るためのものです。

そして、安全な人工中絶手術を提供することは産婦人科医の大事な仕事でもあります。

一人一人いろんな背景があり、入り込んだ理由があります。

もちろん、私は女性側だけの言葉を聞くことになるのですが、女性として聞くに堪え難いヒドイ背景も多々あり、心の中でその女性を抱きしめて慰めたくなる感情になることも…

いかん、医師として感情移入しすぎるのは良くない。当たり前だがこんなことぐらい分かっている。

しかし、私はこれだけは断言できます。

たとえどんな理由であれ、婦人科医としての私は常に女性の味方です。
妊娠がわかったら、まずどうする?
まずは、産むか産まないかを決める。

あなたの人生です。あなたのカラダです。迷う場合も無理はありませんが、どちらの決断に至っても、それが正解であり、私たちはその決断に対して最大限サポートします。

不安に思うことを全てしゃべってください。

健康のこと、経済的なことが産むことへの障壁となっている場合は、私たちが適した情報をお伝え出来ると思います。
安全な中絶手術は女性の健康と権利を守るためのものです
人工妊娠中絶手術は、母体保護法のもと行われます。

なるべく早くに婦人科を受診してください。

妊娠21週まで「中絶するかどうか」を選択できますが、妊娠11週までだとカラダの負担が少ないです。

妊娠の周期は、最終月経日を1週目と数えます。
安全な中絶と流産についての情報はこちら
Safe Abortion(セーフアボーション )
一人で抱え込まずに誰かに相談してみませんか?
身近な人で相談できる人はいますか?

信頼できる友達、学校の先生、保健室の先生、塾や家庭教師の先生、信頼できる大人は、周囲にいますか?考えを整理したり、気持ちを軽くしたりすることが出来るかもしれません。ここで注意することは、信頼できない大人には全てを話す必要はありません。

パートナーが信頼できる相手なら、一緒に考えてみましょう。

妊娠は二人の行為の結果です。二人の問題です。ただし、実際のケースは現実と向き合わない男性が多いのも事実。婦人科では理不尽に涙する女性を数多くみてきたので、安易に「二人で話あって」とは言えません。最も大事なのは、相手に相談することによってあなたが傷つかないことです。

決して一人で抱え込まないでください。

産むか産まないかを決めるための情報はたくさんあります。あなたの考えを決して否定したりしません。専門家が相談にのってくれますので安心してください。
妊娠に関する相談にのってくれる相談機関一覧はこちら
一般社団法人全国妊娠SOSネットワーク
妊娠継続をこんな悩みで断念するケースも
■自分やパートナーの収入や失業で経済的に苦しい
■パートナーが既婚者であることがわかった
■パートナーのDVが怖い
■妊娠がわかった途端にパートナーの態度が変わった
■自分の仕事が不安定で先も見えず、子供を育てれるかわからない
■予定していなかったため、妊娠で頭が真っ白になってしまった

仕事やお金のこと、結婚のこと、さまざまな理由で妊娠継続を迷っている方も、ご相談ください。窓口はいくつかあります。

妊娠?どうしよう・・・

一人で悩まず相談窓口を頼ってください。
妊娠?どうしよう お悩み別情報
一般社団法人全国妊娠SOSネットワーク
また、婦人科クリニックでも親身に相談にのってくれるところも最近は増えてきています。 安心して頼ってくださいね。
その他、いろんな相談窓口
■女性健康支援センター
医師や保健師または助産師等が相談にのります。設置している自治体の一覧を見ることができます。
全国の女性健康支援センター一覧(pdf)

■#8008 DV相談ナビ
パートナーからの暴力に悩んでいることを、どこに相談すればよいかわからないという方のために、全国共通の電話番号(#8008)から相談機関を案内するDV相談ナビサービスを実施しています。
配偶者暴力相談支援センター

■DV相談プラス
24時間受付 電話・メール・チャット相談あり
DV相談プラス
あなたが配偶者やパートナーから受けている様々な暴力(DV)について、専門の相談員が一緒に考えます。「これってDVかな?」「暴力を振るわれている」「今すぐパートナーから逃げたいけどどうしたらいいの?」「自分だけでなく子どもたちのことも心配」など、どんなご相談もお気軽にご連絡ください。

•専門の相談員が対応
•面談、同行支援などの直接支援も実施
•安全な居場所も提供
•24時間電話対応
•10か国語対応


予期せぬ妊娠のことで不安なこともたくさんあるかと思います。 そんな時は、必ず頼れる制度や相談にのってくれる場所があることを知ってください。

中絶の決断をしても、それはあなたが今できるベストな選択であったと考えてください。 今後の確実な避妊のことについても婦人科でご相談くださいね。

私たちは貴女の味方ですから。
profile
全国で展開する「婦人科漫談セミナー」は100回を超えました。生理痛は我慢しないでほしいこと、更年期障害は保険適応でいろんな安価な治療が存在すること、婦人科がん検診のこと、HPVワクチンのこと、婦人科のカーテンの向こう側のこと、女性の健康にとって大事なこと&役に立つことを中心にお伝えします。
藤田 由布
婦人科医

大学でメディア制作を学び、青年海外協力隊でアフリカのニジェールへ赴任。1997年からギニアワームという寄生虫感染症の活動でアフリカ未開の奥地などで約10年間活動。猿を肩に乗せて馬で通勤し、猿とはハウサ語で会話し、一夫多妻制のアフリカの文化で青春時代を過ごした。

飼っていた愛犬が狂犬病にかかり、仲良かったはずの飼っていた猿に最後はガブっと噛まれるフィナーレで日本に帰国し、アメリカ財団やJICA専門家などの仕事を経て、37歳でようやくヨーロッパで医師となり、日本でも医師免許を取得し、ようやく日本定住。日本人で一番ハウサ語を操ることができますが、日本でハウサ語が役に立ったことはまだ一度もない。

女性が安心してかかれる婦人科を常に意識して女性の健康を守りたい、単純に本気で強く思っています。

⇒藤田由布さんのインタビュー記事はこちら
FB:https://www.facebook.com/fujitayu
医療法人 大生會 さくま診療所(婦人科)
〒542-0083 大阪府大阪市中央区東心斎橋1-14-14 T・Kビル2F
TEL : 06-6241-5814
https://www.sakumaclinic.com/

忘れられない患者 医療・ヘルシーライフ 藤田 由布婦人科医
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