関西で働く女性のライフスタイルマガジン［関西ウーマン］

今市場には、パンジーの花が並んでいます。

私は開業する時にコンセプトフラワーをスミレに選んだくらい、パンジーやビオラといったスミレ科のお花が大好きなので、この時期は待ちに待った一番好きな季節。

パンジーって学校や街中の花壇や、お家の玄関先に飾られていたりして、よく見かけるお花でもありますね。育てやすく、長い期間次々とお花を咲かせるので、身近にあって私達を楽しませてくれます。

その配色からか、垂れ目のおじさんの顔に見える･･･とか、パンダの顔みたい･･･という意見も聞いた事がありますが、今はとても沢山の品種があって、淡く軽やかなパステルカラーや、たっぷりのフリルを持ったドラマティックな花びらなど、是非注目して欲しい、とても魅力的なお花です。



そんなパンジーですが、ある日、思いがけない出来事がありました。

注文を下さったお客様が、お花を引き取りに来られた時のこと。

少しお話した後、
「これ良かったら･･･。」
と、紙袋を手渡されました。

何かな？と思って中を覗くと、そこには小さなパンジーの花束が！

ご自宅で咲いたパンジーの花を摘んで、小さなガラスの小瓶に挿して持ってきて下さったのです。

色んな種類のパンジーの苗を買ってきて、ご自宅の花壇に植えられたそうで、たくさん咲いたから、時々こうしてプレゼントしているんです、と。

こんな可愛いプレゼントをもらったのは初めて！！

紙袋の中に、春の香りと温かい気持ちがたくさん詰まっていたのがとても嬉しくて、お礼を言って、ありがたく受け取りました。



早速家に持ち帰り、その方の笑顔のような優しい色合いのパンジーを飾ると、眺めているだけで幸せな気持ちになるし、その空間には甘い香りが広がり、改めてパンジーの香りも認識出来ました。

街中を歩いていて、ふと風にのって届くあの香りは、街中の花壇に植えられたパンジーだったんだ。春の訪れを肌で感じる暖かみを帯びた風と、その風に乗って鼻をかすめる春の花の香り。ずっと昔から親しんでいる、春の香りです。

お庭に咲いた花を、瓶に挿して贈る。
こんな素敵なプレゼント、他にないだろうな。

小さなお花の大きな影響力を感じた出来事でした。