HOME コラム 前のページへ戻る

バックスター ルミ
バイリンガルライフコーチ RumiBaxter

丁寧に生きるという選択 ライフスタイル 2021-09-08
仲間

空気の中に確実な変化を感じられるこの季節が私は大好きです。皆さん、過ぎ去るこの夏をいかがお過ごしでしたか?

情熱的でギラギラとした季節とは裏腹に今年の夏はどこか不完全燃焼なままに終わったと感じられる方も多いのではないでしょうか。

それは、「決行とキャンセル」が入り混じった混乱の中で日常を維持する、ということに私たちが徐々に慣れつつある不完全燃焼の感覚なのかもしれませんが。

徐々に、「こうでなければならない」という価値観を手放すことを強いられながら、それでも私たちは無意識に「こうでなければならない」という価値観に動かされていることも多いのではないでしょうか。

「固定観念を手放し自分を解放することが新しいものを創造するプロセスです」という言葉に何度となく出会ったとしても、実際に慣れ親しんだ「こうでなければならない」を手放すことは、想像以上に難しいことでもあります。

それでも、古い価値観を手放し自分を創造性へ解放する瞬間は、意図によって作り出される強い願望がもたらしてくれるようでもあります。

パンデミックの中、自分自身の健康、家族の健康、に何よりも大切な価値観を見出された方々も多いと思います。私の音楽仲間の間でも、ご両親、ご家族の介護と音楽活動とを両立しながら、「これからどのくらい音楽演奏を続けることできるのだろうか」といった話題が上がります。

私たちにとって「今」を変化、向上させたいという思いと同様に、「今」を続けたいという気持ちは強い原動力でもあるように感じます。「今、ここに」あることを感謝することの大切さも感じます。

友人であり、「左手のピアノ国際コンクール」の事務局運営、ピアノ講師でもあるSさんは、2003年から右半身の動きを余儀なく制限されたお母さんの介護をされています。

お母さんの動かなくなった右手、右足から、今動く左手、左足へと意識が移っていった2010年、「左手のピアノ」との出逢いがあったそうです。

当時、意識の中にはいつも「左手」という言葉が頭にあったそうで、その言葉にひきつけられるように出かけたコンサートで、ピアノの響きに大変魅せられたそうです。

Sさんも2003年当初、お母さんが失われた右側の動きをどうやって取り戻してあげるかで頭がいっぱいだったとお察しします。

私たちは誰もが、失ったものを取り戻そうとすることで頭がいっぱいになり、失ったものが大切なものであればあるほど哀しみも深いのは当然のことだと思います。

Sさんのご経験の中で私が何よりも感動したのは、「こうでなければならない」という制限を手放すことで出会うべくして出会った「左手のピアノ」に関われている「今」をとても誇りにされているということです。

いろんな創造力のご縁が共通の意図と願望の元に集まり、仲間を作り、そこから何かが創造されていくプロセスはワクワクします。

私も意識、無意識の中でのたくさんの「こうでなければならない」を解放し、自分の中の創造性に繋がれますように、そしてそこにつながる出会いがたくさんありますように、といつも願っています。
profile
私たちが「生きる」中で、たくさんの選択をしています。 その選択は、意識したものから無意識に選んでいるもの、とるに足らない小さな選択から人生の岐路に立たされた大きな選択まで、その種類も様々。「丁寧に生きる選択」というライフスタイルは、未来へのキーワードでもあります。
バックスター ルミ
バイリンガルライフコーチ

心理カウンセラーのバックグラウンドをいかし、英会話講師として「コミニケーションレッスン」を展開中。 半生を英国、ヨーロッパのライフスタイルに関わってきたことから、それらの経験をもとに独自のレッスンを提供している。「五感+plus」を使ってコミュニケーション能力を磨くレッスンは、本格的英国サロンで行われている。
RumiBaxter
BROG:http://ameblo.jp/rumi-b/

幽玄 ライフスタイル バックスター ルミバイリンガルライフコーチ
仲間 ライフスタイル バックスター ルミバイリンガルライフコーチ
つむぐ、つなげる ライフスタイル バックスター ルミバイリンガルライフコーチ
おすすめのコラム
旅先からお手紙◎2024年版「3通も書いてしまった日帰り旅」編 ライフスタイル 小森 利絵フリーライター
ひろこちゃんと私のお手紙のやりとり~13通目~ ライフスタイル 小森 利絵フリーライター
ひろこちゃんと私のお手紙のやりとり~12通目~ ライフスタイル 小森 利絵フリーライター
コラムのジャンル一覧