丁寧に生きるという選択
ライフスタイル 2020-02-20
心理カウンセラーのバックグラウンドをいかし、英会話講師として「コミニケーションレッスン」を展開中。 半生を英国、ヨーロッパのライフスタイルに関わってきたことから、それらの経験をもとに独自のレッスンを提供している。「五感+plus」を使ってコミュニケーション能力を磨くレッスンは、本格的英国サロンで行われている。
RumiBaxter
BROG:http://ameblo.jp/rumi-b/
私たちが「生きる」中で、たくさんの選択をしています。 その選択は、意識したものから無意識に選んでいるもの、とるに足らない小さな選択から人生の岐路に立たされた大きな選択まで、その種類も様々。「丁寧に生きる選択」というライフスタイルは、未来へのキーワードでもあります。
教育と教養 |
先日、教育とは何か、という大きな問いについて考えさせられることがありました。
2月は日本での受験シーズンのピークでもあり、皆さんの中にも、ご家族、お知り合いが受験に立ち向かわれている方もたくさんいらっしゃることでしょう。受験といえば、今の日本では塾の存在はきってもきれない関係のようです。
逆に、高い月謝を払って試験の対策を企業規模で取り組んでいるという産業、塾、はイギリスにはありません。なので「塾」を表す英単語も存在しません。実際、言葉だけで日本の教育の象徴でもあるこの社会的現象を表そうとしても無理があるでしょうが。
私の住む街でも数軒もの塾が乱立し、塾の終わる時間帯、夜の10時頃には、暗い夜道をたくさんの自転車に乗った学生たちが帰路に向かう姿を見かけます。大きく「合格者何名」と書かれた張り紙の前を通るたびに、街の美観が失われることを心配するだけでなく、何か複雑な気持ちになります。
日本の基礎教育レベルの高さは世界トップレベルであることは間違いは無いでしょう。実際、たくさんの問題をテストという時間内にこなすためには、たくさんの問題と答えを覚えることに時間をさかねばならない学生たち、そしてそれを日々トレーニングしている姿には頭が下がります。
同時に、これでいいのかというモヤモヤが残ります。
「もし日本の教育を変えることができるのならどこをどのように変えますか」はよく見られる質問です。当然、それは一言で答えられるような問いではありません。専門家、関係者が日夜頭を悩ませている問題でもあるでしょう。
塾の前で見るたくさんの学生たちも、それを支えるご家族もきっと幾度となくこのような問いに直面されているかもしれません。
そもそも、与えられた問題を解くトレーニング、は、教育と呼べるのでしょうか。ドリルは手段であって、教育の本質からそれるような気がします。
もちろん、基礎教育、そこで学ぶ問いと答えを練習して何度もやり抜くこと、それはきっと私たちの日々の生活を助けてくれる基礎になるはずです。そしてその基礎教育の水準の高さは間違いなく日本の強みです。
しかし、現実の世の中は答えのでない問いであふれかえっています。だからこそ、教育は一生涯、形を変え、目的を変えながら続くものなのかもしれません。
そんな一生の過程の中、教育の現場では、人格を育て、知識を深め、学問を追求させていく助けになる礎をあたえることが理想でしょう。そしてそこで不可欠なのは、人、師、そして仲間のはずです。
このように教育が人にとって大切なものなら、果たして「教養」とは何なのでしょう。教育と教養は単に言葉の違いの問題なのでしょうか。
教育が知識、学問の基礎の助けになるなら、教養は人格の基礎となるような気もします。教育も教養も一生涯かけて築き上げるものでしょうから、それらをどうやって身につけるかも非常に難しい問題です。
教養を得るためには、本を読むこと、経験を積むことが大切などと簡単に言われますが、そんなに単純なことでもないように思います。闇雲に何冊読んでもそれが心に響かなければ人格に結びつく教養にはならないかもしれません。それは感性のトレーニングにはならないのですから。
経験値が大切などと騒がれてもいますが、その経験自体に何か、心を揺さぶるような思いや気づきがなければ、それも人格に結びつくような経験には程遠いとも思うのです。
このように答えのでない問題、課題、問い、の答えに近づける思考力を鍛えるのも教育の大きな課題の一つでしょう。
職業柄、試験で出題された、良問と呼ぶにふさわしい問題に出会うことがあります。そこには出題者の品格さえ感じます。そして残念ながらその逆もあるのです。品格を感じさせない愚問です。
年齢、学年を超え、勉強されている皆さんには、今まで培った基礎力を使い、少しでも多くの良問に出会い、英知を凝らして、それらを解くことによって感性を磨き、そして、是非これからの日本、世界の抱える本当の問題を少しでも解決することに近づくような教育、教養を身につけてほしいと心から願います。
そしてそこに必要なのは、基礎的な教育があってこそ積み上げられる、倫理感や感性を磨くトレーニングに頭を悩ますことだと深く信じます。
2月は日本での受験シーズンのピークでもあり、皆さんの中にも、ご家族、お知り合いが受験に立ち向かわれている方もたくさんいらっしゃることでしょう。受験といえば、今の日本では塾の存在はきってもきれない関係のようです。
逆に、高い月謝を払って試験の対策を企業規模で取り組んでいるという産業、塾、はイギリスにはありません。なので「塾」を表す英単語も存在しません。実際、言葉だけで日本の教育の象徴でもあるこの社会的現象を表そうとしても無理があるでしょうが。
私の住む街でも数軒もの塾が乱立し、塾の終わる時間帯、夜の10時頃には、暗い夜道をたくさんの自転車に乗った学生たちが帰路に向かう姿を見かけます。大きく「合格者何名」と書かれた張り紙の前を通るたびに、街の美観が失われることを心配するだけでなく、何か複雑な気持ちになります。
日本の基礎教育レベルの高さは世界トップレベルであることは間違いは無いでしょう。実際、たくさんの問題をテストという時間内にこなすためには、たくさんの問題と答えを覚えることに時間をさかねばならない学生たち、そしてそれを日々トレーニングしている姿には頭が下がります。
同時に、これでいいのかというモヤモヤが残ります。
「もし日本の教育を変えることができるのならどこをどのように変えますか」はよく見られる質問です。当然、それは一言で答えられるような問いではありません。専門家、関係者が日夜頭を悩ませている問題でもあるでしょう。
塾の前で見るたくさんの学生たちも、それを支えるご家族もきっと幾度となくこのような問いに直面されているかもしれません。
そもそも、与えられた問題を解くトレーニング、は、教育と呼べるのでしょうか。ドリルは手段であって、教育の本質からそれるような気がします。
もちろん、基礎教育、そこで学ぶ問いと答えを練習して何度もやり抜くこと、それはきっと私たちの日々の生活を助けてくれる基礎になるはずです。そしてその基礎教育の水準の高さは間違いなく日本の強みです。
しかし、現実の世の中は答えのでない問いであふれかえっています。だからこそ、教育は一生涯、形を変え、目的を変えながら続くものなのかもしれません。
そんな一生の過程の中、教育の現場では、人格を育て、知識を深め、学問を追求させていく助けになる礎をあたえることが理想でしょう。そしてそこで不可欠なのは、人、師、そして仲間のはずです。
このように教育が人にとって大切なものなら、果たして「教養」とは何なのでしょう。教育と教養は単に言葉の違いの問題なのでしょうか。
教育が知識、学問の基礎の助けになるなら、教養は人格の基礎となるような気もします。教育も教養も一生涯かけて築き上げるものでしょうから、それらをどうやって身につけるかも非常に難しい問題です。
教養を得るためには、本を読むこと、経験を積むことが大切などと簡単に言われますが、そんなに単純なことでもないように思います。闇雲に何冊読んでもそれが心に響かなければ人格に結びつく教養にはならないかもしれません。それは感性のトレーニングにはならないのですから。
経験値が大切などと騒がれてもいますが、その経験自体に何か、心を揺さぶるような思いや気づきがなければ、それも人格に結びつくような経験には程遠いとも思うのです。
このように答えのでない問題、課題、問い、の答えに近づける思考力を鍛えるのも教育の大きな課題の一つでしょう。
職業柄、試験で出題された、良問と呼ぶにふさわしい問題に出会うことがあります。そこには出題者の品格さえ感じます。そして残念ながらその逆もあるのです。品格を感じさせない愚問です。
年齢、学年を超え、勉強されている皆さんには、今まで培った基礎力を使い、少しでも多くの良問に出会い、英知を凝らして、それらを解くことによって感性を磨き、そして、是非これからの日本、世界の抱える本当の問題を少しでも解決することに近づくような教育、教養を身につけてほしいと心から願います。
そしてそこに必要なのは、基礎的な教育があってこそ積み上げられる、倫理感や感性を磨くトレーニングに頭を悩ますことだと深く信じます。
バックスター ルミ
バイリンガルライフコーチ
バイリンガルライフコーチ
心理カウンセラーのバックグラウンドをいかし、英会話講師として「コミニケーションレッスン」を展開中。 半生を英国、ヨーロッパのライフスタイルに関わってきたことから、それらの経験をもとに独自のレッスンを提供している。「五感+plus」を使ってコミュニケーション能力を磨くレッスンは、本格的英国サロンで行われている。
RumiBaxter
BROG:http://ameblo.jp/rumi-b/
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