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小川 由佳
コーチ、研修講師 FAITH(フェイス)

働く女性の自分らしい生き方入門 メンタルカウンセリング 2020-04-22
90代の先輩の言葉は偉大

20~30代の頃、好んで読んだエッセイの著者に、佐藤愛子さんがいた。

とにかく痛快。歯切れのいい言葉に、読んでいて気持ちがスカッとする。

私自身が、なかなか人に言いたいことを言えず、自分のしてしまった行動を振り返ってモヤモヤし、落ち込むタイプだったから、衣着せぬ物言いの佐藤さんへの憧れも、多分にあったかもしれない。

暗い気分に陥りそうなとき、よく彼女のエッセイを読んで、元気をもらった。


あるとき(といっても、5年前くらいのことだけど)、新聞を読んでいたら、たまたま佐藤さんが載っているのを見つけた。

久しぶりにお見かけした佐藤さんは、なんと、御年、91歳! (ちなみに、2020年現在では、96歳でいらっしゃるようです。)

道理で私も年を取るはず(笑)・・・と思いながら読んだ新聞には、佐藤さんが新刊を出されたことが書かれていて、その新刊案内を読んでいるうちに、ある一文が目に留まった。

「誰もが皆、自分なりに懸命に生きている。どう生きたかではなく、ただ生きた事実だけで、人生には価値がある」

「誰もが皆、自分なりに懸命に生きている」
・・・日々いっぱいいっぱいで過ごしていると、ついつい忘れそうになる、この事実。

先日も、仕事でお付き合いのある人とのやり取りにめげそうになり、相手に対して怒りが爆発しそうになったことがあった。

「なんで、いったん決めたことを、それも、そのようなわけのわからないプロセスで、なし崩しにするの!!!」

でも、これはきっと、私の論理であって、相手の論理はまた違うのだろう。

こちらから見て「えっ?」と思うようなことであったとしても、きっと相手なりに懸命に生きている結果なのであろう。

わざとやっているのではないのだ。

佐藤愛子さんの「誰もが皆、自分なりに懸命に生きている」という言葉は、瞬間湯沸かし器のようになった私の心を、少し、寛容にさせてくれた。

90年以上積み重ねられた先輩の言葉は、やはり偉大だ。

何かあるたびに、佐藤愛子さんのお顔、言葉を思い出したいと思った。


【後記】
今回、佐藤愛子さんが91歳で小説を出されたと書きましたが、その後、93歳のときには、『九十歳。何がめでたい』というエッセイを出版されています。

「コレが噂の最笑傑作!!」というコピーがつけられていたことからも、本作品はおもしろいに違いない^^。近々読もうと思っています。
profile
プロコーチ小川由佳が、自分らしく仕事や人生を花開かせるためのヒントをお届けします。
小川 由佳
コーチ、研修講師

業務改革のプロ、マネージャーとして、大手日系・外資系メーカー、コンサルティング会社に勤務。 その後、人材育成分野に転身。企業のリーダーに対してコーチングや研修を行い、企業の変革や個人の成長をサポート。研修受講者の満足度では講師中No.1となる。 娘の妊娠・出産を機に、今後の人生のあり方について見つめ直し、独立。 現在は、コーチングセッションや研修のサービスを通じて、クライアントさまが、自分に内在する力 ~能力や想い~ に気づき、自分の存在や行動に自信を持ち、自分らしい豊かな人生を切り拓いていくお手伝いをしている。
FAITH(フェイス)
HP:http://office-faith.jp/
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