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小森 利絵
フリーライター えんを描く

おてがみじかん ライフスタイル 2018-11-23
お手紙とわたし~楢村久子さん編③~

私のまわりにいる「日常の中でおてがみじかんを楽しんでいる人」にインタビュー。2人目は楢村久子さんです。お手紙の思い出や楽しみ方、お気に入りアイテムなどについてうかがったインタビューを3回に分けて紹介しています。

前々回は「日常で楽しむお手紙編」として日常でどのようにお手紙を楽しんでいるのかというお話を、前回は「多彩なツールで楽しむ編」としてお手紙、メール、ライン、メッセンジャーというツールの使い分けや多様な方法でやりとりするおもしろさについてお話をうかがいました。

第3回目は「お気に入り編」です。楢村さんにお気に入りのレターセットやハガキ、切手などを教えてもらいました。
お手紙を書く時間帯はいつが多いですか?
楢村さん:ゆっくり落ち着いてから、家で書きます。家族がいない時間帯もしくはみんなが寝てからが多いかもしれません。

「あの人に書きたいなあ」と思っても、「また後で」とずるずると先延ばしにしてしまうから、書きたいと思ったら先に宛先だけ書いておきます。

宛名を書いておくと、そのレターセットやハガキはその人専用になるので、もう書くしかないと背を押してくれるからです。
「おてがみ部」ではいつもお手紙袋を持ってこられていますが、その中には何が入っているのですか?
楢村さん:レターセットやハガキをいくつか入れています。ハガキは缶ケースの中に複数枚入れています。
あと切手入れです。100均で見つけた写真フォルダーを活用しています。

これまでは郵便局で切手を購入した際にもらう透明の袋に入れていたのですが、どこに入れていたかがわからなくなってしまうし、1枚、2枚ほどになると袋ごとくしゃくしゃになってしまうこともありました。

季節ものの切手は来年に持ち越すこともあるので、こうして保管しておくと、うっかり失くすこともありませんし、使いたい時に探しやすいんです。
最近はかわいい切手がたくさんあります。フェイスブックなどで誰かが「こんな切手を買いました」と投稿しているのを見たら、「ほしい」となって郵便局へ。目当ての切手を購入したり、今度はどんな切手が発売されるのかチェックしたりします。

あと切手シートの枠は残します。花や魚、貝殻などかわいいなあと思う絵柄があって、封を綴じたり、少し飾りつけたり、ちょっとしたシール代わりになるんです。
お気に入りのお手紙アイテムを教えてください。
楢村さん:デコテープやプチハンコは、ポストカードや便箋でラインを引きたい時や空間がさみしいなあと感じた時に使います。
似顔絵の消しゴムはんこは、友だちがつくってくれたもので、封筒で差出人名を書くところなどに押します。
マスキングテープも愛用していて、たとえばお祝い用の絵柄ならお誕生日のメッセージを書く時に活躍してくれます。1枚ずつ剥して使えるマスキングテープは、封を綴じる時に貼ったり、便箋を飾る時に使ったり。
「kakuno」の万年筆を愛用しています。書きやすい上に、日常使いしやすいんです。

あと「デコレーゼ」はガラスや陶器にも書けちゃうペンで、紙にもぷくっと立体的に書けるので、マークを描きたい時に使っています。
手紙って不思議な力があるなあと改めて思います。

同じ文章だったら、メールでもらうのと、手紙でもらうのだったら、手紙のほうが残るような気がするんです。メールの場合はザァーッと一読して「了解」という感じだけど、お手紙の場合はもう1回最初から読み返すこともあります。内容によってはメールでもそうするかもしれませんが。

手紙ってこう、本のページをめくるのと同じで、紙の手触り感なども読み心地に影響を与えてくれるのでしょうね。電子ブックと紙の本がうまく共存しているのと同じで、どんなにデジタル化が進んでもお手紙もなくならないのだと思っています。

(2018年6月取材)
お手紙は「書く」だけではなく、それに付随して、さまざまな楽しみがあります。「このスペースがさみしいなあ」とちょこっと絵を描いてみたり、「このパッケージ、かわいいな」とそこを切り取って定型外のハガキにしてみたり。

楢村さんの切手シートの切れ端をシールにするアイデアは「なるほど!」と思いました。私はこれまで捨ててしまっていたのですが、よーく見るとかわいい絵柄もありますし、封を綴じるのにも便利。いろんな使い方ができそうです。

そういうふうにお手紙を書くことで、自分の中で「こうしたら、かわいくなりそう」「次はこうしてみるのもいいなあ」とアイデアや工夫が生まれてくるのを感じます。

それをカタチにしてみる楽しさを知ると、日常の中にちいさなクリエイティブなことがいろいろと生まれてきて、わくわく・ウキウキさせてくれますね。
profile
レターセットや絵葉書、季節の切手を見つけるたび、「誰に書こうかな?」「あの人は元気にしているかな?」などアレコレ想像してはトキメク…自称・お手紙オトメです。「お手紙がある暮らし」について書き綴ります。
小森 利絵
フリーライター
お手紙イベント『おてがみぃと』主宰
編集プロダクションや広告代理店などで、編集・ライティングの経験を積む。現在はフリーライターとして、人物インタビューをメインに活動。読者のココロに届く原稿作成、取材相手にとってもご自身を見つめ直す機会になるようなインタビューを心がけている。
HP:『えんを描く』
 
『おてがみぃと』
『関西ウーマン』とのコラボ企画で、一緒にお手紙を書く会『おてがみぃと』を2ヵ月に1度開催しています。開催告知は『関西ウーマン』をはじめ、Facebookページで行なっています。『おてがみぃと』FBページ

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