関西で働く女性のライフスタイルマガジン［関西ウーマン］

「乳房が痛くなる」と、乳がんではないかと心配になることも多いと思います。

ただ、「乳房の痛み」を訴えて、乳腺外来を受診する患者さんの99％は、マンモグラフィや乳腺エコー検査などの画像検査で異常所見を認めません。つまり、乳がんの可能性は1%以下です。

「乳房の痛み・違和感、張り・緊満感、硬く感じたり、乳首の痛み・違和感」などの症状は、一般的に排卵～生理までの生理前2週間に症状が強くなり、生理がはじまると症状はやわらぎます。

排卵から生理までの生理前2週間を黄体期と呼びます。黄体期は、基礎体温があがり、からだ全体がむくみやすくなります。

乳管の中の分泌液が増えて乳管が拡張したり、乳房の間質がむくんだりすることで、症状が出てきます。基本的には病気ではなく、生理痛のような女性の体の普通の反応です。

また、閉経前後の更年期症状のひとつとしても、乳房の痛みを感じることもあります。

生理的な乳房の痛みは、乳房から脇の方向に放散する痛みが多いのも特徴です。

両方の乳房が痛むこともありますが、右側とか左側とか片方の乳房だけが痛むことも多々あります。治療などもせずに様子をみてる間に、自然軽快していきます。

また、診察と検査の結果、異常がなかったことを伝えると、安心して、痛みも気にならなくなることも少なくないです。

ただ、なかには生理痛もひどく日常生活がつらい方もいるように、乳房の痛みも強い方もいます。

■生活上の気をつけていただきたいことを記します。

①痛い時期は、就寝用などのゆったりとした下着に変える。

②食事による脂肪の摂取(お肉の脂身や揚げ物)を減らす。

③ヨード（ヨウ素）を多く含む食品(ワカメやひじき、海苔など)を食べる。

④カフェイン(コーヒー、お茶など)を控える。

⑤ニコチンが関連することもあり、喫煙されてる方は禁煙する。

■γリノレイン酸を含む月見草オイル(イブニングプリムローズ)が効くとの報告もあります。病院での処方薬としては、鎮痛剤や、漢方では葛根湯が効く場合もあります。

■また、医療機関や調剤薬局での販売されているエクオール製剤が注目されています。

エクオールは、大豆食品を食べると腸内細菌との反応によって、日本人の2人にひとりにエクオールが作らます。

2人にひとりは大豆食品を食べてもエクオールが作られないので、その場合はエクオールを補給する製剤(お薬ではなくエクオールそのものを食品化したもの)が効果をしめすこともあり、また更年期症状や生活習慣病(高脂血症や高血圧など)の予防、肌のハリやシワにも有用と報告されています。

「乳房の痛み」は心配なことは少なく、生理痛と付き合うのと同じように付き合っていただくといいと思います。
ただ、ずっと検診を受けてない方は、「乳房からの気にしてサイン」と思って、自己検診をしていただいたり、乳がん検診を受けていただくいいチャンスと考えます。
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​(※痛みが強いときは、受診して、異常がないか、診察を受けて下さい)