関西で働く女性のライフスタイルマガジン［関西ウーマン］

私のお店、flower & bar Relier（ルリエ）は、昼はお花屋さん、夜は同じスペースで、お花を眺めながらお酒を楽しんで頂けるBarとして営業しています。

先日のBarタイムに、ある1人の男性が来店されました。

初めて来られたその方は、窓側に並べたお花に近い席に座り、ビールを注文されました。

ビールが運ばれるまでの間、お花を眺め、興味を持っているのが見てとれました。

「お近くですか？」と尋ねると、「いえ、実は仙台から来たんです。」とのお返事。

「お仕事ですか？」と更に尋ねると、「はい、まぁそんな所です。」とのこと。

相手が曖昧に答える時は、それ以上聞かないようにしているので、話題を変え、いつ大阪に来られたのか･･･とか、仙台と比べたら大阪は暑いでしょう･･･などと他愛のない話をしていたのですが、話せば話す程、なんだか大阪に、そしてこのお店に来た事に、理由がある気がしてきます。

話してくれたら嬉しいなと、心のどこかで思いながら、世間話を続けました。

そして、来店されてからある程度の時間が経過した頃、「実は、お花屋さんとBarという形態のお店を将来やってみたいと思っていて、インターネットで調べたところ、大阪ではここのお店がトップに出てきたんです。」と、やって来た理由を話してくれました。

そうと分かれば、話す内容は全然違ってきます。

知りたいと思っている事には、分かる限り教えてあげたいし、悩んでいたり、迷っている事があれば、出来る限り解決出来るよう、力を貸してあげたい。

そこからは、これまでどんな仕事をしてきて、今どんな状況で、これからどうしようと考えているのか、等について話しました。

“こういう事がしたい、こういう風になりたい”という夢を持った人のきらきらした眩しさに触れ、自分もお店を始める時はこんなだったのかな･･･などと懐かしく思い出しながら、気になったからと思い立って行動に移し、実際に見て確かめに来たという行動力に、関心しました。

“そういう人が実際に夢を叶えるのだ。”

お店を始めてから、これは分かった事のひとつです。 私がお店を始めてから、「お花屋さんをやってみたいんだけど、勇気が無くて･･･。」という人に、何人も会いました。

そういう人は、情報ばかりを集めて、余計不安になって、踏み出せないでいる事が多かったように思います

そして、自分のやりたい事を具体的にする為に行動しているのでは無く、真似出来るところを見つけるべく、人の成功例を聞き出そうとしているように思えました。

それでは、きっと実現するのは難しいと思います。

夢を叶えるのは、自分のため。

働いて楽しいと思えるのも、困難に立ち向かえるのも、次への意欲も、自分がこうしたいという意志と、こうなりたいと思い描いた夢があるから。

それには、まず自分が見て、触れて、接して、感じなければなりません。

雑誌や本、インターネットで沢山の情報を得られますが、それで見て知ったような気になっていても、実際は違います。

時々メールで、“アルバイトを募集していませんか?”、という問い合わせを受け取りますが、会った事も、話した事もない人の事を、文字だけでは知り得ませんし、「ホームページを見て素敵なお店だと思い、是非働いてみたいと思いました。」と書かれていても、いつまでその気持ちが続くのだろうと、疑問に思ってしまいます。

写真を見て分かる事なんて、ほんの僅かです。立地から感じるお店の躍動感、置いている物から受ける印象、そこで働く人の表情など、実際に行ってみて感じる事こそが真実だと思います。

その経験を増やせば増やす程、自分が選択していくものが見えてきて、ぼんやりしたり、逸れていた軌道が修正出来、前に進むヒントになっていくのです。 夢を叶えたいなら、是非足を運んで、行動してみてください。

仙台で花屋＋Barのお店がオープンする日を、心待ちにしています。