季節を楽しむ花レシピ
ライフスタイル 2017-05-24
母の日を終えて |
お花屋さんにとっては1年で一番忙しい、母の日が終わりました。
母の日のフラワーギフトは、毎年デザインを変えてご提案しています。
今年も、日本全国のお母さん達に笑顔になって欲しくて、デザインを考える時点から、随分悩みました。
母の日が近付くにつれて増えてくるご注文に、お名前やご住所を見ながら、どんなお母さんかな、これを受け取ったらどんな反応をするかな、なんて想像が膨らみます。
私のお店の場合は、引き取りは殆どなく、ご依頼頂いた方にお送りするか、お母さんが住んでいらっしゃるご住所へお送りするのですが、
例えばご依頼頂いた方が関西の方で、お届け先のご住所が四国・・・というように、送り主とお届け先のご住所がとても離れていたり、中には海外からご注文を下さる方もいらっしゃったりして、
離れた2か所のご住所を見ながら思うのは、このお花が気持ちを伝える役割を担っているのだという、託された責任と、お客様の気持ちの重みなのでした。 今年は、それをとても感じた出来事がありました。
関東にお住まいの方から頂いたご依頼で、母の日のお花を、直接お届けに行った時の事です。
ご注文書に記載された住所を探し訪ねていくと、集合住宅に行き当たりました。
扉が開かれた風通しの良いエントランスを入ると、年配の女性が笑顔で「こんにちは。」と声をかけてくれました。「こんにちは。」と挨拶を返して、エレベーターに乗り、目的の階へ。
最近お届けに行くのは、市内のオフィスビルだったり、タワーマンションという事が多いので、厳重なセキュリティや、通り過ぎる人の顔も見ず足早にすれ違う人に慣れているせいか、挨拶してくれた女性の穏やかな笑顔が、とても印象に残りました。
部屋番号を照らし合わせながら探し歩くと、お届け先のお宅を発見。
扉の前には、大きなカゴの付いた自転車が置いてあって、お買い物に行く時はいつもこれを使うのかな、荷物が沢山入りそうだから便利だろうな・・・なんて思いながら、
門の横に取り付けられたインターホンを鳴らすとすぐ、「はい。」というお返事が聞こえました。
「お花をお届けに参りました。」というと、
「はいはい。」という声。
しばらくしたら扉が開いて、小柄な女性が顔を覗かせました。
年は私の母よりも10歳は上だろうな、という印象で、歩く速度もゆっくりで、扉のノブに摑まって、寄りかかるように立っているように見えたので、私の方から門扉を開けて中に入らせてもらい、お花をお渡ししました。
「ありがとう。」と受け取って下さったので、「では失礼します。」とその場を去ったのですが、エレベーターに乗って1階へ下りながら、
きっとあの自転車をこのエレベーターに乗せて下に降りるのは、重そうだったし大変だろうな・・・とか、
雨の日はお買い物に行けないだろうし・・・とか、何かお手伝い出来る事はないのだろうか、
困った時は、すぐ来てくれる誰かがいるのだろうかなどと、そんな事を考えていました。
そして、私以上にご依頼下さったお客様は、家族だからこそもっと色んな事を気にかけながら、頻繁に会いに行けないこの距離を、もどかしく感じていらっしゃるのではないかと思いました。
「お花に添えて下さい。」と託された、お客様からお母さんへのメッセージは、お互いを思い合う日常があって、その事への感謝の気持ちに溢れた言葉で、お届けしたお花は、その気持ちを表したもの。
少しはお役に立てたかな・・・。
1年に1度の、ありがとうの気持ちを伝えるお花。
お花屋さんとして働いている事を誇りに思った、そんな母の日でした。
母の日のフラワーギフトは、毎年デザインを変えてご提案しています。
今年も、日本全国のお母さん達に笑顔になって欲しくて、デザインを考える時点から、随分悩みました。
母の日が近付くにつれて増えてくるご注文に、お名前やご住所を見ながら、どんなお母さんかな、これを受け取ったらどんな反応をするかな、なんて想像が膨らみます。
私のお店の場合は、引き取りは殆どなく、ご依頼頂いた方にお送りするか、お母さんが住んでいらっしゃるご住所へお送りするのですが、
例えばご依頼頂いた方が関西の方で、お届け先のご住所が四国・・・というように、送り主とお届け先のご住所がとても離れていたり、中には海外からご注文を下さる方もいらっしゃったりして、
離れた2か所のご住所を見ながら思うのは、このお花が気持ちを伝える役割を担っているのだという、託された責任と、お客様の気持ちの重みなのでした。 今年は、それをとても感じた出来事がありました。
関東にお住まいの方から頂いたご依頼で、母の日のお花を、直接お届けに行った時の事です。
ご注文書に記載された住所を探し訪ねていくと、集合住宅に行き当たりました。
扉が開かれた風通しの良いエントランスを入ると、年配の女性が笑顔で「こんにちは。」と声をかけてくれました。「こんにちは。」と挨拶を返して、エレベーターに乗り、目的の階へ。
最近お届けに行くのは、市内のオフィスビルだったり、タワーマンションという事が多いので、厳重なセキュリティや、通り過ぎる人の顔も見ず足早にすれ違う人に慣れているせいか、挨拶してくれた女性の穏やかな笑顔が、とても印象に残りました。
部屋番号を照らし合わせながら探し歩くと、お届け先のお宅を発見。
扉の前には、大きなカゴの付いた自転車が置いてあって、お買い物に行く時はいつもこれを使うのかな、荷物が沢山入りそうだから便利だろうな・・・なんて思いながら、
門の横に取り付けられたインターホンを鳴らすとすぐ、「はい。」というお返事が聞こえました。
「お花をお届けに参りました。」というと、
「はいはい。」という声。
しばらくしたら扉が開いて、小柄な女性が顔を覗かせました。
年は私の母よりも10歳は上だろうな、という印象で、歩く速度もゆっくりで、扉のノブに摑まって、寄りかかるように立っているように見えたので、私の方から門扉を開けて中に入らせてもらい、お花をお渡ししました。
「ありがとう。」と受け取って下さったので、「では失礼します。」とその場を去ったのですが、エレベーターに乗って1階へ下りながら、
きっとあの自転車をこのエレベーターに乗せて下に降りるのは、重そうだったし大変だろうな・・・とか、
雨の日はお買い物に行けないだろうし・・・とか、何かお手伝い出来る事はないのだろうか、
困った時は、すぐ来てくれる誰かがいるのだろうかなどと、そんな事を考えていました。
そして、私以上にご依頼下さったお客様は、家族だからこそもっと色んな事を気にかけながら、頻繁に会いに行けないこの距離を、もどかしく感じていらっしゃるのではないかと思いました。
「お花に添えて下さい。」と託された、お客様からお母さんへのメッセージは、お互いを思い合う日常があって、その事への感謝の気持ちに溢れた言葉で、お届けしたお花は、その気持ちを表したもの。
少しはお役に立てたかな・・・。
1年に1度の、ありがとうの気持ちを伝えるお花。
お花屋さんとして働いている事を誇りに思った、そんな母の日でした。
皆の日常に、植物がそっと寄り添ってくれることを願い、その時々の私なりのお花の楽しみ方や、花屋として植物と向かい合う中で気付いた素敵な発見をお話していきます。
Relierが作る作品や空間は 植物の持つ美しさを最大限に引き出す事を、何よりも大切に考えています。 大輪の花や丸いフォルムの花、シフォンのように柔らかい花びらや、 香水のように甘い香りを放つ花。 美しさに驚きと感動をプラスして、五感で感じるお花をご提案します。
flower & bar Relier ルリエ
〒550-0001大阪市西区土佐堀1丁目6-10 土佐堀トキワビル101
定休日:土・日・祝日(土曜日はレッスンのみ)
TEL:06-6131-4623
HP:http://relier-fleurs.com/
BLOG:http://ameblo.jp/fleur-relier
FB:fleurRelier
岡田 真結子
フラワーデザイナー/バーテンダーRelierが作る作品や空間は 植物の持つ美しさを最大限に引き出す事を、何よりも大切に考えています。 大輪の花や丸いフォルムの花、シフォンのように柔らかい花びらや、 香水のように甘い香りを放つ花。 美しさに驚きと感動をプラスして、五感で感じるお花をご提案します。
flower & bar Relier ルリエ
〒550-0001大阪市西区土佐堀1丁目6-10 土佐堀トキワビル101
定休日:土・日・祝日(土曜日はレッスンのみ)
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