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阿部 純子
歯科医師 じゅん矯正歯科クリニック

笑顔の素敵な女性をふやし隊 医療・ヘルシーライフ 2017-06-07
歯周病が命を脅かす

私が子どもの頃、「楢山節考」という小説の映画がリメイクされて、一時期すごく話題になりました。「楢山節考」とはいわゆる「姥捨て山」伝説を題材に扱った作品で、子どもながらにとても衝撃を受けたことを覚えています。

題材そのものも衝撃的でしたが、その中で年老いた母親が、自分がもうこれ以上食べ物を十分食べられないようにと、自分の丈夫な歯を石で割るというシーンは今でも脳裏に焼き付いています。

今でこそ歯科医療の発達によって、歯を失っても人工的に補う手段がありますが、本来歯を失うということは死を意味することだったと言えます。

さて、現代において日本人が歯を失う主な原因は歯周病です。

歯周病については以前のコラムでもご紹介しましたが、歯に残った汚れのせいで、歯を支える歯肉や骨が徐々に破壊されていく恐ろしい病気です。痛みがほとんどないため自覚しにくく、末期になると歯がぐらぐらしたり、抜けたりします。

それにしても歯は私たちにとって、なくなると死を意味するような大切な物なのに、どうして歯周病なんかで抜けたりするんだろう?って不思議に思いませんか?

歯周病は歯に残った汚れから歯周病菌が繁殖し、その毒素によって歯肉が腫れたり歯を支える骨が溶けていったりします。

最近ではこの歯周病が低体重児出産や糖尿病などの全身疾患にも関係していることが報告されています。

そんな恐ろしい歯周病菌が骨に感染するとたちまち命が危険にさらされてしまうので、歯周病菌がたくさん潜む歯の周りから逃げるように、骨はどんどん下がっていきます。

歯を失うことは死を意味することであるにも関わらず、私たちの身体は歯周病菌が全身に回るのを少しでも回避するかのように、トカゲのしっぽみたいに歯を犠牲にしてでも身を守ろうとするのです。

それくらい歯周病って恐ろしい病気なのです。そんな恐ろしい歯周病ですが、成人の約80%が罹患しているというのは、もっと恐ろしい事実です。

歯周病で大切な歯や寿命を犠牲にしないために、毎日のオーラルケアはもちろん、ぜひかかりつけ歯科でメンテナンスを受けましょう!
 
「いい笑顔」「いい顔」つくりを応援したい♪ 歯並びを通して、子どもがあこがれるような笑顔の素敵なカッコイイ大人を増やし、日本を元気にします!!
阿部 純子
歯科医師
日本矯正歯科学会認定医

じゅん矯正歯科クリニック
(歯列矯正・ホワイトニング)
大阪市中央区本町3-5-2 辰野本町ビル2
TEL:06-6266-0018
HP:http://www.jun-oc.com

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