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永木 恵美子
歯科矯正学博士 きょうばし矯正歯科クリニック院長

For Your Smile 医療・ヘルシーライフ 2017-02-21
歯科におけるレントゲンの「被曝」って大丈夫なの?

原子力発電所の問題もあり、放射線の影響について、敏感になる方も多いですね。

医科や歯科では、患者さんの症状を詳しく調べるために、レントゲンを撮りますが、放射線の「被曝」は体に影響がないのか、心配な方も多いのではないでしょうか?

肉眼ではわからない病変を発見するには、レントゲンは非常に有効な診断方法です。顎の骨の状態や、歯の中にある病変、膿の袋など、何も触らないで発見することができるのです。

しかも、なんと!歯科で撮影するレントゲンの被曝量は日本人が1年間で自然に浴びる放射線の1/200しかないので、ほとんど体に影響はありません。

また、歯科ではレントゲン撮影時にレントゲンを通さない鉛防護衣を着て、体を守って撮影します。ですので、さらに体への影響は低くなるのです。

今回は歯科で撮影するレントゲンの種類とその被曝量について簡単に説明します。

まず、大前提として、日本人が1年間に自然に被曝する放射線量2.0mcvとします。

1)歯だけをクローズアップして撮影するデンタルエックス線写真・・・0.01mcv
2)顎全体を撮影するパノラマエックス線写真・・・0.03mcv
3)3次元的に顎の状態を撮影する歯科用CT撮影・・・0.1mcv

1)のデンタルエックス線写真は虫歯や、歯を支えてくれる骨の状態を調べるために撮影します。

2)のパノラマエックス線写真は顎全体を撮影することで、親知らずの埋まっている方向、顎の関節の状態、歯を支えている骨の状態を見るとこができます。

3)の歯科用CTは医科のCTと比べて格段に被曝量を抑え、歯を支える骨の状態を三次元的に確認することにより、インプラントをより安全に植立することができます。また、埋まった歯の状態なども把握することができます。

それぞれの「被曝量」を数値で表すと、自然被曝の方が随分と大きく感じられますね。

また、昨今では、レントゲン撮影をデジタル化することにより、従来のフィルムによるレントゲン撮影の被曝量をさらに1/8に低下することができます。

さらに、先ほど述べましたが、防護衣を着用することで、大切な体の被曝を防いでいます。
これで、ほとんど体に影響がないことをご理解いただけるでしょう。

では、妊婦さんの場合、レントゲン撮影してもいいのでしょうか?

妊婦さんへのレントゲン撮影は極力避けることは必要です。ただし、あまりにも歯の痛みがひどすぎて、反対に胎児に悪い影響が及ぼされる場合は、痛みや感染を除去する方が胎児にとって良い選択になる場合もあります。その場合の撮影も、上記に述べた理由により、歯科のレントゲン撮影は安全性が高いと考えられます。

歯科におけるレントゲン撮影は、診断の精度を高め、より確実な治療を行う上で必須なものです。「被曝」という言葉ばかりが先走りしている世の中ですが、冷静な観点から、安全性について理解し、より良い治療を受けることをお勧めします。
自信に満ち溢れた笑顔でいっぱいになるよう一緒に歩みたい。
永木 恵美子
歯科矯正学博士
 
きょうばし矯正歯科クリニックは矯正治療専門のクリニックです。 矯正治療を専門にする歯科医師(日本矯正歯科学会指導医・認定医・日本舌側矯正学会認定医)が、確かな技術と女医ならではの細やかな施術で審美的にも機能的にも調和のとれた歯並びが得られるよう努力します。
きょうばし矯正歯科クリニック
大阪市都島区東野田2-3-19 MFKビル4F
TEL:06-4801-9055
HP:http://www.kyobashi-kyousei.com​

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