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永木 恵美子
歯科矯正学博士 きょうばし矯正歯科クリニック院長

For Your Smile 医療・ヘルシーライフ 2016-05-17
姿勢は歯並びに影響を与える

普段矯正治療をしていると、咬み合わせが悪いお子さんは姿勢も悪いことが多いとよく感じます。
姿勢が悪いと、不自然な体勢を筋肉の力で無理に支えることになりますので、
筋肉が緊張し、肩こりや腰痛、頭痛、新陳代謝の低下、肥満などの原因になります。
そればかりか、姿勢が悪いと咬み合わせにも悪い影響を与えてしまいます。
今回は姿勢と咬み合わせの関係についてお話したいと思います。

人間以外の多くの動物は、基本的に4足歩行です。
この四足歩行はバランス的には非常に安定しています。
しかし、人間は脳が発達して頭が大きい上に、直立歩行しますので、
バランス的には非常に不安定な状態です。

人間の脳の重さは体重の約10%程度と言われていますので、
ボーリングの球ぐらいの重さがあります。
人間はまっすぐ立った時に、頭の重さで体が倒れないように、
背骨がS字に曲がってバランスをとるようにしています。

背骨の前弯が大きくなって猫背になると、
体のバランスを取るために頭を前に突き出したような姿勢になってしまいます。
そうすると口も前に突き出したような形になってしまいますので、
上下の顎が前に出た状態(上下顎前突)や
歯並びが上下に開いた状態(開咬)になりやすくなります。

このように、体の中で、歪みがあると、なんとかバランスを取ろうとして、
他の部位にさらに歪みが生じてしまうのです。
姿勢が悪くなる原因は何かというと、遺伝的な要因もありますが、
多くは姿勢が悪くなる生活習慣や環境因子が考えられます。

発育期にあるお子さんの場合、悪い姿勢のまま成長してしまうと、
咬み合わせもどんどん悪い方向に進んでしまう可能性があります。
特に注意していただきたいのは、食事の姿勢と寝る姿勢、頬杖などの癖です。
食事のときに、テレビを見ながら、足をブラブラさせて食べる。しっかりと咬まない。
食事は毎日のことですから、その影響は非常に大きいです。

寝るときに、いつも右下に枕を置いて寝るなど、
体を平衡に保たないで寝る癖も、積み重なると、
正常な歯・顎の発育に影響を与えてしまいます。
また、いつも長時間頬杖を片方の顎にするなどの癖も積み重なると、
正常な歯・顎の発育に影響を与えてしまいます。

一旦咬み合わせが悪くなってしまうと、
それから姿勢を良くしても自然とは良くならないことが多いものです。
悪くなる前に予防するのが一番大切です。
親御さんには、お子さんのの姿勢にくれぐれも注意を払っていただきたいと思います。
きょうばし矯正歯科クリニック
火水金:12:00-19:00 土日(隔週)
10:00-17:00 ※予約制
大阪市都島区東野田2−3−19 MFKビル4F
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http://www.kyobashi-kyousei.com​


 

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