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阿部 純子
歯科医師 じゅん矯正歯科クリニック

笑顔の素敵な女性をふやし隊 医療・ヘルシーライフ 2015-12-02
歯が弱いのは遺伝?

歯の相談を受けるとき
「うちは家系的に歯が弱くて、私も将来入れ歯になるんじゃないかと怖いんです」
なんてことを言われることがあります。

この台詞には2つの勘違いが含まれているように思いますので、
私なりに解説してみたいと思います。

まず1つ目の勘違いは「歯が弱いから入れ歯になる」ということ。

入れ歯になるということは歯が根っこごとなくなるということです。
歯を根っこごと失う大きな原因の1つが虫歯です。
したがって「歯が弱いから入れ歯になる」のは全くの間違いではありません。

しかし歯を根っこごと失う原因で虫歯と1位の座を争うのは歯周病です。
特に成人では歯周病が虫歯を抜いて第1位を占めます。
歯周病は歯の周りの組織が溶ける病気で、歯そのものが弱いのは関係ありません。

確かに虫歯の治療で歯を削ったりすると、
同じ歯でも人によって硬さが違うと感じることがあります。
でも歯がいくら硬くて強くても、
それを支える歯肉や骨が炎症を起こして溶けてしまっては、歯が抜け落ちてしまいます。

「私は虫歯が1本もなくて、今まで歯医者にかかったことがないのよ」
と自慢している人に限って、実は歯周病が進行していて、
気が付いたときには手遅れ…という話もよく耳にします。
歯を長持ちさせるためには、歯はもちろん、歯周組織も大切のすることが必要なのです。

そして2つ目の勘違いは「歯が弱いのは家系的なもの」ということ。

歯の強さ、硬さは家系や遺伝的要因よりも生まれてから、
または歯が生えてからの後天的要素が強いように思います。

もちろん、歯は母親の胎内にいるときから形成されているので、
母親の栄養状態などにも左右されますが、
それとともに歯が生えた後のケアやメンテナンスの方が大きく影響します。

虫歯予防の意味で言えば、毎日の歯磨きはもちろん、
フッ素やリカルデントなどで歯を強くすることができますし、
歯周病予防では定期的に歯科医院で歯のクリーニングや歯石取りなどをすることが大切です。

また矯正歯科治療で歯並びやかみ合わせを整えることは、
虫歯予防にも歯周病予防にもつながる、とても価値あることです。
歯を長持ちさせる環境づくりをするのが矯正歯科治療だと言えるでしょう。

歯の悩みやトラブルを生まれつきのものだと諦めるのではなく、
歯を守る環境を自分で作るんだと前向きにとらえて、
一生自分の歯で噛めるように歯をを長持ちさせましょう!
じゅん矯正歯科クリニック
(歯列矯正・ホワイトニング)
地下鉄御堂筋線 本町駅 3番出口すぐ
月~土(10:00~13:00/14:30~19:30)
大阪市中央区本町3-5-2 辰野本町ビル2F TEL 06-6266-0018
http://www.jun-oc.com

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