関西で働く女性のライフスタイルマガジン［関西ウーマン］

多くの会社員にとって仕事というのは、限られた一日のうちの、大きな比重を占めるものです。
その仕事内容、人間関係などは人生に大きな影響をもたらします。
 
ビジネス上の共通の目的を持った仲間との時間は、なにものにも代えがたい充足感を与えてくれることもあれば、すべての自信を根底から覆されてしまうような屈辱に苛まれることもあったかもしれません。
さまざまな経験を積んできた場所、愛着も安心感も、また時に憎悪もある場所。
そんな場所だからこそ、その卒業を決めるのはあなた自身です。
 
もちろん無理に卒業する必要はありません。居心地のいい場所なら、定年まで勤め上げ、定年後も再雇用で長い付き合いを続けるということもあるでしょう。それが当たり前の時代もありました。

しかし非正規雇用の増大、雇用の流動化、解雇規制の緩和が今後ますます進んでいくとみられるなか、定年以外の「退職」についての知識を得ることは、あなたの人生にいざという時の安心をもたらすことになると思います。
 
「アルバイトをしたら失業保険はもらえない？」
「急に解雇を言い渡されて困っている」
「退職後、起業を考えているけれど、どのタイミングがいい？」
「退職後の健康保険はどうするのがベストか」
「失業中でお金がないので年金を払うのがしんどい」
 
これらの疑問を受けることがありますが、実際に困ってから慌てて質問されるパターンが多いのです。
退職する前にそれらの答えを用意しておけば、もらえるかもしれない給付を後から知って「しまった！」ということもありませんし、退職後のお金に関する不安を、少しでも軽減することができると思います。
 
ハローワークや年金事務所はあなたから行動を起こさない限り、何もしてくれません。
今まで保険や税金関係の手続きを代わってやってくれていた会社も、退職後のあなたをサポートはしてくれません。
 
あなたがご自身の判断で、最善の方法を決めていく必要があります。


繰り返しますが、退職には不安がつきものです。
 
円満退社できるのか、退職後の生活はどうするか。再就職するのか、起業するのか、また違う道を考えるのか。
そのためにどんな方法をとるか。
空白期間の生活費をどうするか。
家族にどう説明するか。

 
あなたにはきっと考えるべきことやるべきことがたくさんあるでしょう。
 
ですからせめて、保険や年金に関することだけでも、退職後の不安や悩みを少しでも取り除く準備をしていただけたらと思います。
 
退職には退職理由やタイミングも重要な要素です。退職理由によって基本手当（いわゆる失業保険）のもらえる額がぐっと変わってきたり、出産で退職を考えている場合は、その時期により手当金の有無が決まります。
 
焦って退職届を出さないで！
 
次回、あなたにとって一番いいタイミングの退職はいつか、考えてみましょう。

 

秦　優（ハタ　ユウ）（社会保険労務士）　 YOU社会保険労務士事務所 大阪府高槻市寿町３丁目１７番１９号　TEL：072-658-7627 http://you-sr.com